
7月9日(水)に山梨県まで、桃の視察に行って参りました。当日は、JAフルーツやまなしの鶴田さんをはじめ、多くの方に大変お世話になりました。ありがとうございました。
そこで教えて頂いた内容につきまして、桃の栽培編と出荷編の二回に分けてレポートさせて頂きます。
今回は、加納岩の桃が、どのようなこだわりをもって作られているのか、詳しくご報告させて頂きます。
そこで教えて頂いた内容につきまして、桃の栽培編と出荷編の二回に分けてレポートさせて頂きます。
今回は、加納岩の桃が、どのようなこだわりをもって作られているのか、詳しくご報告させて頂きます。

こちらが、桃畑の様子です。何かお気づきになりませんか?
桃の木が植えられている土地の草がそのままになっています。これは、「草生栽培(そうせいさいばい)」と言う方法で、果樹園などで、地力を維持するため、牧草や雑草などを生えさせて地表面を被覆保護して行う栽培法だそうです。
特定の草を繁殖させることにより、その他の雑草の繁殖を防止し、雑草のための除草剤を少なくすることが出来ます。
桃の木が植えられている土地の草がそのままになっています。これは、「草生栽培(そうせいさいばい)」と言う方法で、果樹園などで、地力を維持するため、牧草や雑草などを生えさせて地表面を被覆保護して行う栽培法だそうです。
特定の草を繁殖させることにより、その他の雑草の繁殖を防止し、雑草のための除草剤を少なくすることが出来ます。

また、途中、桃の成長に合わせてこの草を刈るのですが、これが桃の木の肥料にもなります。

こちらが、お世話なったJAフルーツやまなしの鶴田さんです。
さて、クイズです。桃を栽培する途中では、枝を剪定したり、桃の実を間引きして、大きな桃を作るための作業があります。もし、こういった作業を何もしなかった場合、1つの桃の木からは、幾つの桃がなるでしょうか?
@600個
A5千個
B1万個
C2万5千個
答えは、Cの2万5千個だそうです。えっ? そんなに桃が出来るなんて凄いと思ったら間違いです。このように手をかけないで出来た桃の大きさは、梅干ぐらいの大きさだそうです。世の中、おいしい話はないものですね。
それでは、大きくておいしい桃を作るためには、どのようなこと努力&こだわりがあるのか見ていきましょう。
さて、クイズです。桃を栽培する途中では、枝を剪定したり、桃の実を間引きして、大きな桃を作るための作業があります。もし、こういった作業を何もしなかった場合、1つの桃の木からは、幾つの桃がなるでしょうか?
@600個
A5千個
B1万個
C2万5千個
答えは、Cの2万5千個だそうです。えっ? そんなに桃が出来るなんて凄いと思ったら間違いです。このように手をかけないで出来た桃の大きさは、梅干ぐらいの大きさだそうです。世の中、おいしい話はないものですね。
それでは、大きくておいしい桃を作るためには、どのようなこと努力&こだわりがあるのか見ていきましょう。

それでは、2問目のクイズです。
上の写真をご覧下さい。桃の枝には、赤いゴムの輪のような物が、かけられています。この輪は、どのような役割を持っているのでしょうか?
@鳥から桃を守る役割
A虫を桃に引き寄せる役割
B桃の木の成長を促進する役割
C桃がお日様をどれぐらい浴びているのかチェックする役割
正解は?
Cです。
というのは、嘘でA虫を桃に引き寄せる役割です。
この輪のことを「こうしんかくらんざい」と言います。漢字で書くと「交信かく乱剤」となります。僕も、説明を聞いていたときに、思わずどんな字を書くのですか?と尋ねていました。
原理は、次の通りです。昆虫類の合成性フェロモン剤で、メスの臭いがするそうです。この臭いに誘われてオスがやってくるのですが、本物のメスがいないため、子孫を残せず、虫が減るというからくりです。害虫防除のために農薬などを使わないための知恵です。
加納岩の桃は、草生栽培、交信かく乱剤といった、農薬を極力使わないためのこだわりを持って育てられているのです。
上の写真をご覧下さい。桃の枝には、赤いゴムの輪のような物が、かけられています。この輪は、どのような役割を持っているのでしょうか?
@鳥から桃を守る役割
A虫を桃に引き寄せる役割
B桃の木の成長を促進する役割
C桃がお日様をどれぐらい浴びているのかチェックする役割
正解は?
Cです。
というのは、嘘でA虫を桃に引き寄せる役割です。
この輪のことを「こうしんかくらんざい」と言います。漢字で書くと「交信かく乱剤」となります。僕も、説明を聞いていたときに、思わずどんな字を書くのですか?と尋ねていました。
原理は、次の通りです。昆虫類の合成性フェロモン剤で、メスの臭いがするそうです。この臭いに誘われてオスがやってくるのですが、本物のメスがいないため、子孫を残せず、虫が減るというからくりです。害虫防除のために農薬などを使わないための知恵です。
加納岩の桃は、草生栽培、交信かく乱剤といった、農薬を極力使わないためのこだわりを持って育てられているのです。

それでは、ちょっと話を元に戻しまして、大きくて甘い桃を作るためにどうしているのかご説明したいと思います。
●大きくて甘い桃を作るため その1
上の写真をご覧下さい。茶色の袋が桃の木にぶらさがっているのがお分かり頂けるでしょうか?
●大きくて甘い桃を作るため その1
上の写真をご覧下さい。茶色の袋が桃の木にぶらさがっているのがお分かり頂けるでしょうか?

もうちょっとアップにしてみます。桃は、花が咲いて受粉させてから、この袋をかぶせます。このように袋をかぶせた実の状態を有袋(ゆうたい)といいます。
袋をかぶせるには、次のような理由があります。
1.温室効果で実の成長が促進されます。
2.表面を保護します。
葉にすれて傷がついたり、虫がついたりするのを防ぎます。
有袋で栽培された桃は、表面が非常にきれいです。
でも、一個一個に手作業で袋をかけなければならず、大変手間のかかる仕事となります。この袋をかける作業は、ベテランの方で1日で2千個もされるそうです。アルバイトの方は、半分の千個が限界とのこと。
袋をかぶせるには、次のような理由があります。
1.温室効果で実の成長が促進されます。
2.表面を保護します。
葉にすれて傷がついたり、虫がついたりするのを防ぎます。
有袋で栽培された桃は、表面が非常にきれいです。
でも、一個一個に手作業で袋をかけなければならず、大変手間のかかる仕事となります。この袋をかける作業は、ベテランの方で1日で2千個もされるそうです。アルバイトの方は、半分の千個が限界とのこと。

袋には、幾つかの種類があるのですが、二重になっているタイプの場合、外側の袋は、袋にはロウがひいてあり保温効果を高めます。
上の写真は、茶色の袋を広げた状態です。内側が黒くなっているんですね。
上の写真は、茶色の袋を広げた状態です。内側が黒くなっているんですね。

内側の袋は薄い素材で太陽の光を通します。途中で、外側の袋だけ取るのですが、全部とってしまうと、桃を保護出来なくなってしまうので、このような二重構造になっています。
この袋をとることを除袋(じょたい)といい、除袋して1週間から10日ぐらいで、赤くて甘い桃になります。
この袋をとることを除袋(じょたい)といい、除袋して1週間から10日ぐらいで、赤くて甘い桃になります。

また、除袋してから、桃全体に均一にお日様を浴びるように、地面には銀色のシートを敷きます。海辺やプールサイドで日焼けする人が、銀色のシートに寝るのと一緒ですね。お日様を多く浴びることで、甘さが増します。

●大きくて甘い桃を作るため その2
先ほど、何もしないと1本の桃の木から2万5千もの梅干の大きさの桃が出来ると書きました。そうです。大きな桃を作るためには、余分な桃を切り落としたり、桃の葉の剪定(せんてい)をする必要があります。上の写真は、剪定済の桃の葉です。新しい葉がなく、ここに桃が出来ても栄養分がきちんとまわります。
先ほど、何もしないと1本の桃の木から2万5千もの梅干の大きさの桃が出来ると書きました。そうです。大きな桃を作るためには、余分な桃を切り落としたり、桃の葉の剪定(せんてい)をする必要があります。上の写真は、剪定済の桃の葉です。新しい葉がなく、ここに桃が出来ても栄養分がきちんとまわります。

一方、こちらの写真の赤丸で囲んである部分をご覧下さい。中心あたりに細い葉が出てるのがご覧頂けると思います。この葉は成長するので、お日様の方目指して伸びていこうとしています。鶴田さんは、この葉のことを扶養家族とおっしゃっていました。なるほど、扶養家族が多いと家計が大変になるんですね。葉の成長と桃の成長に栄養分が二分してしまうため、甘さが落ちてしまいます。
そこで、こういったことを考慮しながら、甘くて大きな桃が出来るように葉を剪定し、桃の実を減らす仕事が、農家の方の腕の見せ所になります。
少し説明が前後してしまいますが、有袋の作業も剪定作業と同時に行なわれます。大変、重労働ですが、この時期のこだわりの作業の成果が、大きくて甘い桃を作るのです。
次回は、このように苦労して作られた桃が、どのように出荷されていくのか、また、桃のテロワールについてご紹介させて頂きます。
そこで、こういったことを考慮しながら、甘くて大きな桃が出来るように葉を剪定し、桃の実を減らす仕事が、農家の方の腕の見せ所になります。
少し説明が前後してしまいますが、有袋の作業も剪定作業と同時に行なわれます。大変、重労働ですが、この時期のこだわりの作業の成果が、大きくて甘い桃を作るのです。
次回は、このように苦労して作られた桃が、どのように出荷されていくのか、また、桃のテロワールについてご紹介させて頂きます。