2008年08月04日

ボルドーワインの世界 初級編

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 7月11日のワインセミナーは、「ボルドーワインの世界 初級編」が開催されました。講師は、キッコーマンの森川さんです。


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 ボルドーはブルゴーニュと並ぶ世界的にも有名なワインの大産地です。ボルドー地方のワイン産地は大西洋に注ぐジロンド河とその上流であるドルドーニュ川、ガロンヌ川に沿って分布しています。フランスの大西洋側、かなり南に位置する地方です。気候的には大西洋の海の影響を強く受ける海洋性気候になっています。

 ボルドーは高級ワインの産地ですが、その中でも特に良いワインを多く産出するメドック地区には...

「シャトー ラフィット・ロートシルト」
「シャトー ラトゥール」
「シャトー ムートン・ロートシルト」
「シャトー マルゴー」

といった超高級ワインの産地でボルドーの心臓部があります。

また、グラーヴ地区の「シャトー オー・ブリオン」などが有名です。


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 フランスワインの格付けは、上からAOC(Appellation d'Origine Controlee:アパラシオン・ドリジーヌ・コントローレ)、AO VDQS(Vin Delimite de Qualite Superieure)、Vin de Pays(ヴァン・ド・ペイ)、Vin de Table(ヴァン・ド・ターブル)となりますが、今回は、AOCワインについてラベルの読み方を解説します。


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 ラベルの読み方で一番重要なのが、原産地名の表示です。

 ボルドー地方のAOC法上の順位付けは、「広い地域の名前は格付けが低く、狭い地域の名前になるほど格付けが高くなる(地方名<地区名<村名)」という原則があります。ラベルのAPPELLATION CONTROLEEというAOCワインであることを示す品質表示の部分に注目します。アペラシオンとコントローレの間に地名=原産地名(AOCワインに認定された地域名)が入ります。例えばAPPELLATION BORDEAUX CONTROLEEとか、APPELLATION MARGAUX CONTROLLEとあれば「ボルドー地方の」、「マルゴー村の」AOCワインということになります。上記例では、サンテミリオンという地区名が表示されています。

 次にMIS EN BOUTEILLE(ミ・ザン・ブティユ)の表記について。これは、瓶詰めのことで、BOUTEILLEの後ろにシャトーとか、ネゴシアンとか、会社名、ア・ラ・プロプリエテ (生産者元詰)、ダン・メ・シェ(酒庫にて瓶詰)等がつきます。近年、ボルドーの有名なシャトーはネゴシアンを介さずに、自分で瓶詰めすることが義務づけられています。シャトーで元詰めされたものが品質的には一番良く、"シャトー瓶詰めワイン"とよばれます。上記例では、ボリー・マヌーで瓶詰めされていることが分かります。

 その他、ワイン名称、収穫年、容量、アルコール度数などの表記があります。

 ボルドーの中でも有力地区では、さらに村の中でもシャトーの格付けを行って居ます。これがメドックのシャトーの格付けで、第一級から第5級まで階級があるのですが、今回は割愛させて頂きます。


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 今回のセミナーのもう一つの目玉が、ワインデカンタについてです。

 デキャンタージュの目的は2つあります。まず熟成したワインなどは瓶の底に澱(オリ)がたまっていますので、デカンタにワインの上澄みを移しかえます。もうひとつの目的は、アエラシオンです。ワインを空気にさらすことで香りや味わいにふくらみを出させることができます。

 長い間眠っていたワインが、住み慣れたボトルから出され、それがだんだんとウォームアップしてきて本来の力を徐々に表してくれます。デカンタージュは古い年代物の赤ワインのオリを取り除いたり、ワインを空気にたくさん触れさせることによって、香りを引き立たせたり味わいをまろやかにするためのウォームアップの作業です。ワインをボトルから他の容器に移す作業をデカンタージュといいます。そしてその容器がデカンタです。

 極端に古い年代物のワインや、まだ年代の若いワインであっても元々柔らかい口当たりのものなどは、デカンタージュすることによってその元来の香りが飛んでしまう場合もありますので、デカンタージュをした方がよい、しない方がよいということはワインの種類によって違ってきます。

 一般的に、ボルドーのワインは香りがこもる傾向にあり、また渋味もきついことからデカンタージュ向きです。今回のワインセミナーでも、デカンタージュすることで、ティスティング頂いたボルドーワインの違いが明確になることを体験頂きました。

 それでは、ティスティング頂いたボルドーのワインをご紹介致します。


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シャトークレラック NV
【VT】      NV
【産地/生産者】  ボリー・マヌー
【規格】      750ml
【タイプ】     赤フルボディ

 A.C.プルミエール・コート・ド・ブライ
このシャトーのブドウ畑は、プルミエール・コート・ド・ブライで最良のワインを生み出す地区の中心部カール村にあります。
13ヘクタールの畑は粘土石灰質で、平均樹齢12年の葡萄からワインが醸されています。
ストラクチャーのしっかりした、魅力的なワインです。メリハリがありしかもデリケート。ジロンド河右岸の良さである、若くても果実の甘みが出てきて心地よく楽しめるという魅力を発揮しているワインです。


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シャペル・ド・ラ・トリニテ NV
【VT】      NV
【産地/生産者】  ボリー・マヌー
【規格】      750ml
【タイプ】     赤ミディアム

 A.C.サン・テミリオン
メルロー種を主体にカベルネ・ソーヴィニヨン種を栽培しています。
このシャトーのワインはサン・テミリオンの特長がよく出ており、優しく果実風味が豊かでチャーミングなワインです。
コストパフォーマンスが高く、サン・テミリオンの入門品とも言えます。


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ボー・リバージュ ルージュ NV
【VT】      NV
【産地/生産者】  ボリー・マヌー
【規格】      750ml
【タイプ】     赤ミディアム

 A.C.ボルドー
「ボー・リバージュ」は、「美しい岸辺」という意味で、ジロンド河の情景を謳っています。
世界の銘醸地ボルドーを代表する流れに由来した名前を冠するだけあって、ボルドーらしさを存分にお楽しみいただけます。
A.C.ボルドーの中でもそのコスト・パフォーマンスの高さから、世界の50ヶ国以上で愛飲されている、国際的ブランドの一つとなっています。
カベルネ・ソーヴィニヨン種の特長である、華やかさのある深い香りを持ち、柔らかいコクとバランスのとれた味わいは、ボルドーらしい魅力をたたえています。


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ボー・リバージュ ブラン NV
【VT】      NV
【産地/生産者】  ボリー・マヌー
【規格】      750ml
【タイプ】     白辛口

 A.C.ボルドー
「ボー・リバージュ」は、「美しい岸辺」という意味で、ジロンド河の情景を謳っています。世界の銘醸地ボルドーを代表する流れに由来した名前を冠するだけあって、ボルドーらしさを存分にお楽しみいただけます。
A.C.ボルドーの中でもそのコスト・パフォーマンスの高さから、世界の50ヶ国以上で愛飲されている、国際的ブランドの一つとなっています。
ソーヴィニヨン・ブラン種、セミヨン種などの新鮮な香りが感じられ、コクがあって、キリッとしまった味わいの白ワインです。


 もう一つ、シャトー・デュ・ド・メーヌ・ド・レグリース 1997年もティスティングされました。


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 最後に、お客様アンケートから一部、抜粋してご紹介させて頂きます。

・ボルドーワインのラベルの見方について説明があって嬉しかった。土地名を少しでも覚えるようにしたいと思う。

・複雑なボルドーワインを分かり易く説明いただき、メルトーとカベルネの味わいの違いが理解出来た。ボルドーワインは、本当に複雑なので、また機会があればセミナーに参加し、理解を深めたい。

・久しぶりにボルドーワインを飲みました。ボルドーの各地区の特色と味わいを、また、今回のセミナーを通じて感じたことを振り返って楽しんでいきたいと思います。デキャンタージュで大分変わりますね。今度やってみます。

・ボルドーワインは難しいです。整理しないと覚えられません。ラベルの見方を教わったので、お店で見るのが楽しくなりそうです。ボルドー=赤とイメージが強かったのですが、白ワインもおいしかったです。値段も手頃なので、是非、購入したいです。

・ボルドーワインについて色々と分かったので、良かったです。細かい産地とかシャトーの違いとか意識して選んで飲んでみたいと思いました。今後の楽しみにつながります。ありがとうございました。

・ワインの産地で味や格付け、値段が全然違うなど、思ったことがなかったので、目からうろこだった。ぶどうの種類の配合でも全然印象が変わると本当に興味深かった。

・今回のようなブラインドティスティングを入れたセミナーを実施して欲しい。

・デキャンタージュされたワインは、こんなにも味が違うと思って驚いた。
posted by ワイズマン at 21:27| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ワインセミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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