2008年09月30日

チリのワイン

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 8月28日のワインセミナーは、チリ・ワインの先駆者ミゲルトーレスのワインティスティングでした。講師は、ジョゼップさんです。


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 ワイナリーのご紹介に入る前に、まず、チリの特徴についてご説明致します。

 チリは、南米の背骨と呼ばれるアンデス山脈に沿って南北に細長く伸びる国です。ワイン用ぶどうの栽培に適した地域は、南北ともに緯度30〜50度に限られていますが、南北に細長い国土を持つチリでは、この適した範囲が1400kmも続いていることになります。

 ぶどう栽培の中心地であるチリ中央部は、昼と夜の温度差が大きく、冬に雨が集中し、春から夏にかけて長く乾燥した気候が続くという、ぶどうの生育には最適の気候に恵まれています。 

 また、主要なワイン生産国の中でも、ぶどうに付く害虫(フィロキセラ)が発生していない、数少ない国の一つと言われております。(チリは、四方を太平洋、南極海、砂漠、アンデス山脈で囲まれているお蔭で、フィロキセラ(Phylloxera、ブドウネアブラムシ)が侵入出来なかった)

 そのおかげでチリのぶどう樹は接ぎ木の必要もなく、ワインの品質の良さは昔から高い評価を受けていました。 「マンソ・デ・ヴェラスコ」のぶどう畑のように、樹齢100年を超えるぶどう樹を持つことができるのもこのためです。

 チリのセントラルバレーは、暖かいフンボルト海流と、万年雪をたたえるアンデスからの風のおりなす、ドラマチックな気温変化があり、夏は最高低気温差が20度にもなる土地です。ここで育つぶどうは、繊細かつアロマティックなものになるため、ぶどうの生育には最適の気候に恵まれています。

 新世界ワインブームの立役者となったチリですが、現在のような世界品質のワインとして認めらるようになった背景には、トーレス家のチリ進出がとても重要な役割を果たしているのです。


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 スペインの名門、トーレス家のワイン造りの歴史は1870年にさかのぼります。

 現在の社長、ミゲル・A・トーレスの父である、ミゲル・トーレス・カルボは、1979年に、チリに100ヘクタールのぶどう畑を購入、チリでは初めてとなるステンレスタンクと新樽をスペインから輸入しました。やがて、1985年に50ヘクタール、1990年には80ヘクタールのぶどう畑が購入され、合計で230ヘクタールのぶどう畑を持つことになります。

 1979年のぶどう畑購入と同時に、名門トーレスの最新鋭の醸造技術がチリにもたらされました。

 チリの優れた品質のぶどうと、トーレスの最新技術の融合により、世界中でその品質を高く評価されるプレステージワイン、ミゲルトーレス・チリが生み出されました。

 初めの頃、ミゲルトーレスの革新的なワインメーキングは、同業者からは懐疑的な目で見られていました。しかし、それがチリのワイン産業に近代化の波をもたらすのに、それほど長い時間はかかりませんでした。


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 ミゲル・A・トーレス氏のワインメーキングは、まぎれもなくチリワイン産業全体を牽引し、品質の飛躍的な向上をもたらしたものでした。

 本家、スペインのワインはもとより、「ミゲルトーレス・チリ」も、世界中のコンペティションで数多くのトロイー、金賞を受賞するようになり、「チリ発のトーレス」として、国際舞台で広くその品質が評価されています。


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  殺虫剤、除草剤などの化学薬品は一切使用せず、そのぶどう畑の土壌や周辺環境の研究、ぶどうの生育状況を毎日のように分析し、妥協を許さない姿勢が徹底されました。

 「質の良いワインのための、質の良いぶどう造り」、ぶどうの持つ個性を最大限に引き出すための、温度管理された醸造機器、名門トーレス家が培った醸造、熟成技術....

 すべてに、ミゲルトーレスの「量より質」へのこだわりが現われています。妥協を許さない姿勢、常に高い品質のワインを追求する姿勢が徹底されています。

 それでは、実際にティスティング頂いたワインをご紹介致します。


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【VT】      NV
【産地/生産者】  チリ(クリコバレー)
【規格】      750ml
【タイプ】     白辛口

 色は、緑がかった淡いイエロー。
バニラ、ジャスミン、パッションフルーツ、アスパラガスのような香り。
かすかに麝香(じゃこう)のフレーバーのある高貴な品種ソーヴィニヨン・ブランのみで造られています。
エキゾチックで繊細、そしてエレガントな完璧なバランスをもち、とても上品で、複雑なアロマ(バニラ、ジャスミン、パッションフルーツ、かすかにアスパラガス)があり、なめらかな口当たりのワインです。


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【VT】      NV
【産地/生産者】  チリ(クリコバレー)
【規格】      750ml
【タイプ】     ロゼやや辛口

 色は、ラズベリーピンク、ラズベリーピンク。
さくらんぼ、ストロベリー、キャンディ、すもも、バラの花のような香り。
世界で初めてつくられた、カベルネ・ソーヴィニヨン100%のロゼ。さくらんぼやストロベリーを連想させる華やかな香りと、ほんのりとした甘さと、いきいきとした酸味のバランスがとれたワイン。
キリッとした酸、冷やして飲むとよい。ほのかな渋み。果実と酸の調和がよい。


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【VT】      NV
【産地/生産者】  チリ(クリコバレー)
【規格】      750ml
【タイプ】     赤ミディアム

 色は、赤紫色。
プラム、ブラックベリーのアロマ、バニラの香り。
プラムやブラックベリーのアロマにバニラの香りの複雑で香り高いワイン。
口当たりはエレガントで、樽熟成によりトースティな味わいを持ち、スパイシーな余韻が長く続きます。


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【VT】      NV
【産地/生産者】  チリ(クリコバレー)
【規格】      750ml
【タイプ】     赤ミディアム

 色は、輝きのある濃いガーネット。
スグリ、カシス、ローレル、ミント、ユーカリの香り。
ぶどうからのタンニンがオーク樽の中でよく寝かされ、瓶熟成により、中くらいのボリューム感とやさしい口当たり。
渋味の少ない、飲みやすいタイプ。


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【VT】      NV
【産地/生産者】  チリ(クリコバレー)
【規格】      750ml
【タイプ】     赤ミディアム

 色は、紫がかった濃いガーネット。
ベリー系、香辛料、プラム、ブラックベリー、干した杏の香り。
ミゲル・トーレス社保有の最古のぶどう畑で収穫した平均樹齢100年のぶどうより造られた限定生産のワイン。
きれいな粒のタンニンがひしめいて豊かなアルコール感も素晴らしい味わい。
コストパフォーマンスに優れている。


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 ニューワールドの一つ、チリワインは、チリの風土とミゲルトーレスの革新的なワイン作りが融合した結果、生まれました。ミゲルトーレスのワインは、チリから突然始まったのではなく、スペインの伝統的なワイン作りが活かされた結果だったのです。


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 最後にお客様の感想の中から、一部、ご紹介させて頂きます。

・チリワインの美味しさを実感させて頂きました。今まで、フランス、イタリアなどを中心に飲んできました。ファミリー経営と伺い、安心して購入出来ると改めて感じました。

・チリのロゼワインは初めてで、お料理は何にでも合うような気がしました。シャンパンのように使い勝手が良くて、飲み易くて、本当にパーティーの時や、手土産にも喜ばれると思いました。
 マンソ デ ヴェラスコは、フランスワインにひけをとらないと思いました。

・ロゼがとてもきれい。

・チリワインについて、イメージアップに繋がりました。チリワインって、こんなにおいしいのがあったの? といった感じ。
 カベルネ ロゼ。色の美しさに驚き。この色だけで売れると思いました。上手く宣伝して広く売って欲しいと思いました。

・カベルネ ロゼの色が鮮やかで良かった。他のものは、あまり個性が強いものではなかったが、美味しかったです!

・お料理とのマリアージについて知りたいです。お料理教室等と一緒にワインを楽しみたいです。
 初めてのワインセミナーでしたが、ワイズマートの方もお話がとてもお上手で、今回だけでなく、また是非参加させて頂きたいです。
 樹齢100年、ステキでした。
posted by ワイズマン at 10:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ワインセミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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