2009年05月01日

スパイスセミナー(カレー)その2

 スパイスセミナー(カレー)のレポートの続きです。まずは、スパイスのご紹介の続きです。


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 こちらは、「ジンジャー(生姜)」です。甘く清涼感のある芳香と、さわやかな辛味が特徴のスパイスで、ジンジャーエールの原材料にもなっています。(辛味性スパイス)

 スパイスとして使用されるのは根茎の部分で、日本やインド、中国など栽培の盛んな地域では生のまま使う場合が多いのですが、欧米では乾燥粉末を使用します。


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 消化液の分泌を促し、食欲増進に効果が期待され、また汗を出して熱を下げ、体を温めるので風ひき始めに効果があると言われています。

 また、成分のショウガオール、ジンゲロールには抗酸化作用があり、がん予防でも注目されています。英語のgingerには「元気」という意味もあります。

 カレーでは他のスパイスと併せて全体の風味付け、肉などの下味付けに使用します。日本料理では薬味としてだけではなく、魚介類のにおい消しや肉の味付けにも使用されます。


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 続いては、「ブラックペッパー」です。(辛味性スパイス)

 胡椒科のツル性植物の実で未熟の実を乾燥させた、外皮の黒い胡椒です。ペッパーミルで挽きながら使うのが最も香りが良くなります。爽やかな芳香と強い辛味(ピペリン)をもつ代表的なスパイスです。


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 香り付けや、におい消しに使われるスパイスです。


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 続いては「シナモン」(香味性スパイス)です。

 クスノキ科の常緑樹の樹皮で管にまるめたものと粉末とがあり、爽快な香りと少しの甘味があります。シナモン(主にセイロン産)よりカッシャ(主に中国方面)の方が香味は濃いが渋味があります。カレー、ソース、ケチャップなどの原料としても使用します。


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 イタリアのコーヒー「カプチーノ」「シナモンティー」や、りんごや桃などのフルーツと相性が良いです。インド料理にも多く使われ、挽肉や鶏肉のカレーによく合います。肉にもみ込んでおくと味に深みが出ます。

 また、シナモンの特徴として、発酵を抑える力があると過去のスパイスセミナーでご紹介されていました。


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 次は「クローブ(丁字)」です。(香味性スパイス)

 フトモモ科の常緑樹の花の蕾で釘のような形をしているので丁字と呼ばれています。刺激的で爽やかなバニラのような香りがします。ウスターソースの主要香気。医薬品として口腔清涼剤、胃腸薬や化粧品、タバコ等に利用されています。

 スパイスとして使用されるのは花のつぼみの部分です。
このつぼみを乾燥させたものを使用します。


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 消臭力にすぐれているので、とくに肉料理におすすめ。ホールのまま、玉葱や豚肉に刺してシチューやポトフに。パウダーは、ハムやローストポーク、挽肉料理、または甘い香りを生かしてフルーツケーキなどの焼菓子にもおすすめ。ただし、少量で絶大な効果があるため、入れすぎると薬くさくなり要注意です。紅茶やホットウイスキーに1個いれてもおいしいです。


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 カルダモンは樟脳に似た清涼感のある芳香が特徴のスパイスです。(香味性スパイス)

 カルダモンはショウガ科の多年草です。スパイスとして使用されるのは果実の部分です。この果実をホールのまま、もしくは中の種子を砕いて使用します。


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 特有の芳香があり、味は少し辛くほろ苦いです。「香の王様」といわれる高級スパイスで、カレーの主原料のひとつであるがソースやドレッシング、肉、魚など広く用いられます。

 北欧ではカルダモンの人気が高く、スウェーデンではシナモンよりも
多用。はパンや焼き菓子の生地に 練り込んだり、振りかけて使用しま す。また、酒を飲むときにアルコール臭を消すためカルダモンを噛む習慣があります。


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 ラストを飾るのは「クミン」です。(辛味性スパイス)

 セリ科の植物の種子で独特な強い芳香と少しのほろ苦さと辛味があります。カレー粉の特徴的な香味を持つ主要なスパイスで、カレーの匂いは、このクミンによるものと言えます。他にチリパウダー、チャツネなどの原料になっています。

 スパイスとして使用されるのは種子の部分です。この種子を乾燥させたものをそのまま、もしくは砕いて使用します。


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 カレー料理に不可欠で、唐辛子の辛味と相性がよいです。ホールはそのまま、玉葱やピーマンなど比較的香りの強い野菜をはじめ、キャベツやジャガイモを炒めるときにおすすめ。市販のカレーパウダーに少量のパウダーをプラスするとほのかな苦味が加わり、味に奥行きが生まれます。


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 といった感じで各種スパイスの特徴や成り立ちが説明された後、オリジナルのカレー粉を作ることになりました。


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 各スパイスの特徴を活かして、基本のカレー粉の調合割合が示されました。基本といっても、12ものスパイスが含まれています。


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 オリジナルのカレー粉作りは簡単です。上の手順のとおり、基本の調合割合を参考にして、スパイスの粉を袋に入れていきます。


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 石井先生が調合の見本を教えて下さいました。お客様も、各スパイスの匂いを実際に嗅いだりしながら、自分好みのカレー粉を作られていました。


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 このオリジナルカレー粉は、フライパンを使ってスパイスに火を入れます。そして粗熱がとれたら、瓶で1月ほど寝かせるとスパイスが落ち着いてバランスのとれた味になるそうです。(上の画像をクリックすると画像が拡大されます。カレーレシピも2つご紹介されています。)

 次回は、オリジナルカレー粉を使ったカレー作りをレポート致します。
posted by ワイズマン at 17:52| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | 各種セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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