2010年02月06日

スパイスセミナー(にんにく、こしょう編)

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 2009年8月5日は、スパイスセミナー(にんにく・こしょう編)でした。

 講師は、お馴染みの石井先生でした。

 セミナーが開催されたのは、昨年夏でしたので、夏場の食育不振の時にぴったりなメニューをご提案頂きました。レポートが遅くなり、タイミングが悪くなってしまったことをここにお詫び致します。


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 まずは、「にんにく」について。

 洋名「ガーリック」の名称は、その葉の形が槍(gar)で、辛い味(leac)というアングロサクソン語の合成語です。日本へは中国から伝わってきたとされています。

 古代エジプトのピラミッド建設の労力を支えていたスタミナ源がガーリックとオニオンだったと言われており、古代中国では熱病を追い払うために、ガーリックを含む5つの薬草が使われていました。

 「にんにく」には、体内の栄養素を燃焼させてエネルギーに変える働きや、疲労回復に役立つビタミンB1の働きを高める作用もあると言われています。


 ◆にんにくの匂いを和らげる調理

 油で炒める、焼く、揚げる、煮る、茹でる等で酵素の働きを止めることが出来ます。匂い税分・アリシンを生み出すもとになるのは、アリナーゼという酵素、この酵素は加熱に弱い特徴があります。

 また、防臭作用のあるレモンやショウが、旬の野菜、果物と一緒に食べることも有効です。


 ◆食べた後の口臭を抑制するには

 紅茶、緑茶、ハーブティー、コーヒー、牛乳などには、成分や香りに脱臭効果があるので、口臭を抑制することが出来ます。特にコーヒーは、嫌な臭いの成分を分解してくれる作用があり、効果的です。


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 続いては、「こしょう」についてのご説明です。

 最も身近なスパイスで素材や調理法を問わず、世界中で使われているのが「こしょう」です。材料の下ごしらえや調理中、そして仕上げに・・・と、ひとつの料理で3度使用することから「スパイスの王様」とも言われています。ブラックペッパー、ホワイトペッパー、グリーンペッパー、ピンクペッパーなどの種類があり、産地によっても特徴が大きく異なります。形状(後述します)などとともによく理解して上手に使い分けることにより、料理のレベルを高めることが出来ます。


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 ◆「こしょう」の種類

 ・ブラックペッパー

 緑色の未熟果を天日乾燥したもので香り、辛味ともに強い。癖のある素材、あぶらの多い素材を使ったときや、濃い味付けの料理に適しています。(ペッパーステーキ、カルボナーラ、シーザーサラダなど)


 ・ホワイトペッパー

 赤く色づいた果実の果皮を除去し、核のみを乾燥させたもので、香り、辛味ともにマイルド。淡白な素材、薄味の料理に適しています。(クリームシチュー、グラタンなど)


 ・グリーンペッパー

 緑色の未熟果を日陰で乾燥、フリーズドライによる機械乾燥したもので、香り、辛味ともに弱いあまり加熱しない料理や、グリーン色を活かして仕上げに利用します。


 ・ピンクペッパー

 赤く色づいた果実を果皮ごと日陰で乾燥、フリーズドライによる機械乾燥したもので、香りが弱く、辛味がない。仕上げの彩りとして利用されます。


 ◆形状

 ・ホール(原形のもの)

 スープやシチューに加えたり、ピクルスやマリネなどの保存食に使います。香りが飛びにくいので、長時間加熱や保存をする長時間料理に向きます。


 ・あらびき(ホールを粗めに粉砕したもの)

 短時間加熱、炒め物などに適しています。パウダーより香りが飛びにくく、ホールよりも香りが出やすい。調理中や下ごしらえに向いています。


 ・パウダー(ホールを細かく粉砕したもの)

 粒子が細かいので、下ごしらえで素材にまぶして使ったり、瞬時に香りがたつので、仕上げに振りかけたりと使い易く、最も手軽に使えます。


 ◆歴史

 紀元前500年代に既にインドで栽培され、ペルシャ人、アラブ人によって地中海沿岸諸国に運ばれました。古代ギリシャでは医薬品として、ローマ帝国では金銀と並ぶ貴重な貨幣のひとつとして使われていました。中世ヨーロッパの肉食の人たちにとって「こしょう」は抗菌、抗酸化をもつため(防腐力)、また美味しく食べるために必需品でした。


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 それでは当日、ご試食頂いたお料理をご紹介致します。

 まず、一品目は、「ガスパチョ」です。某CMと似ていますが、違います。ガスパッチョは火を使わないスープなので、野菜のビタミンやミネラルをそのまま摂取出来るお料理です。(「にんにく」を使用)

 作り方もとても簡単。切った野菜と水をミキサー入れ、なめらかなスープを作ります。さらに、オリーブオイルとワインビネガーを加え、塩を入れて味を調え、食べる直前まで冷蔵庫で冷やしておきます。きゅうり・トマト・にんにくなどを、細かく角切りにし、トッピングしたら完成です。


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 二品目は。「シーザーサラダ」です。

 ガーリックオイルは、大きめのニンニクを4〜5片むいて、オリーブオイル(エキストラバージン)1と1/2カップと、同量のサラダ油を混ぜた中に漬けて4〜5日置きます。

 ブラックペッパーも、その場でひいて粗びきしたものを使います。


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 三品目は、「かつおのハーブ造り」です。

 かつおを軽く塩、こしょうした後、刻んだハーブ、ガーリックパウダー、ポン酢じょうゆなどで味付けしたものです。ハーブやスパイスを使うことで、かつおのたたきとは違った味わいとなります。


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 四品目は、「カラフルペッパーステーキ」です。「こしょう」の種類のところで、「こしょう=ペッパー」にも多くの種類があり、またお料理に合わせた形状があることをご紹介致しました。このカラフルペッパーステーキは、そんな「こしょう」の特性を活かしてみました。


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 五品目は、「ペッパーアイス」。ぶ「こしょう」とアイスの相性は本当にいいんです。是非、お試し下さい。


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 それでは、最後にお客様アンケートの中から、一部、ご紹介致します。

・石井先生が楽しくテーブルを回りながら、分かり易かったです。ニンニクの深層水につけたのを頂きましたが、とても食べ易く美味しかったです。

・丁寧で分かり易い説明でした。ハーブソルト作りが楽しかったです。また、試食があったので、お話だけよりも、美味しさを実感出来て良かったです。

・コショウの種類の多さを初めて知りました。

・コショウの種類の多さ、用途、歴史など認識不足でした。


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・石井先生のとても分かり易い、親しみやすい話し方がとても楽しかったです。

・家で料理を作るヒントがたくさんありました。

・石井先生のお話が、とても楽しかったです。今まで、こしょう、にんにくは臭いが気になるので、あまり使いませんでしたが、これから積極的にとりいれたいです。

・こしょうの黒、白、グリーンは加工の仕方で異なるというのを初めて知りました。

・優しい口調で冗談も交え楽しかったです。今回、初参加ですが、とても勉強になりました。

・また絶対参加したいです。おいしくて、おもしろくて、ためになる最高のセミナーです。


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・ゆっくりお話して下さるので、分かり易いし、色々なことを教えて下さいました。

・テンポよく、ポイントをおさえての説明。スパイスに対する愛情を感じました。

・美味しさは「辛味」「香り」「旨味」。にんにくは旨味、にんにくは熱を加えると殺菌力が低下することを知りました。

・かつおのたたきなどは、醤油ベースのオーソドックスなもの以外考えなかったので、勉強になりました。
posted by ワイズマン at 17:24| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 各種セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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