2010年11月01日

今治のみかん

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 愛媛のみかん産地レポートその2です。

 10月27日の夜にJA越智今治様を訪問させて頂きました。昨年もお世話になりました越智さんから、今年のみかんの状況についてご説明いただきました。

 西宇和のみかんは、思ったよりも収穫が出来る予定で、味も美味しいという状況でした。

 ところが、今治のみかんの状況は違っていました。

 まず、みかんには、たくさんみかんが出来る表年と、みかんがあまり実らない裏年が交互にやってくることは、昨年のレポートでも書かせていただきました。今年は、裏年でみかんがあまり実らない年です。

 そこで、JA越智今治様では、みかんの種類にもよるのですが、昨年よりも低い収穫量を予測されていました。ところが、その予測の40%にも満たないぐらいしか収穫出来ておらず、これから、早生、中生と後に収穫するみかんの収穫量も予想がつかない状況とのことでした。

 どうしてこんなに収穫が落ちてしまったかというと、3月の低温により、花がつかずに落ちてしまったとのことでした。味については、とても良く出来ており、これから酸が抜けて美味しいみかんになるとのことでした。

 この日は、お食事をしながら、JA越智今治様で目指されているみかん作りの方向性や、ワイズマートの食育とは少し違うのですが、農作物を育てるということの食育活動、そして直売所「さいさいきて屋」についてのお話を伺いました。

 当初、予定になかったのですが、オープン前の8時30分に、「さいさいきて屋」様を見学させて頂くことになりました。「さいさいきて屋」様のサイトは、こちらからご覧いただけます。


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 27日朝8時30分。オープン前だというのに、既にお客様がいらっしゃいました。店内の撮影は禁止なのですが、特別にお許しを頂きまして、少しだけ撮らせていただきましたので、ご覧下さい。


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 今、日本のいたる所に「道の駅」があり、どこも観光客で流行っていると聞きます。「さいさいきて屋」様も、農産物の直売所ですので、同じような雰囲気があります。

 愛媛は、海も近いので、獲れたての色々な魚が販売されています。越智さんのお話では、値段ばかりを追求するのではなく、新鮮で美味しい色々な魚を販売されているとのことです。当初は、価格を訴求した方が良いのでは?というご意見もあったそうですが、こだわりの販売を続けた結果、お客様から絶大な支持をいただき、人気コーナーへと成長しているそうです。

 上の写真は、横幅6mぐらいの平台の上に氷を敷き詰め、新鮮で、多種多様なお魚が、氷の上に陳列されていました。はも、鮫なども並んでいます。また、別の場所では、発泡の箱に入ったイカ12杯で500円(1点限り)といったお買い得コーナーもありました。

 それぞれの数量は少ないですが、たくさんの魚種が売られていました。小さなお子さんも、水族館にいる気分を味わえるのではないでしょうか。


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 そして、いたるところで目立っているのが、この手作りPOPです。筆で書いた文字。イラスト。独特な味のあるPOPは見ていて楽しく、ついコメントを読みたくなります。


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 泥がついたままの蓮根。

 スーパーには、中々おかれていないものがあります。


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 その他にも、お惣菜、お弁当、お菓子、ベーカリー、お花などが販売されています。

 「おはぎ」というよりは、「ぼたもち」と言いたくなるボリュームで陳列されていたので、じっと見ていると、地元のお客様が気軽に話しかけてこられました。「まだ若いけど、懐かしいでしょ?」

 この他の売場でも、色々なお客様から話しかけられて、皆さんとてもフレンドリーだなぁ〜と思いました。

 炊きたての鯛めしが大きなお釜で運ばれてきて、店内で威勢の良い声で「炊きたての鯛めしはいかがですか〜!」と販売されていました。

 隣接するイートインのコーナーでそのままお食事することも出来るし、また隣接するレストランでも旬のお野菜を使ったお料理をいただけるそうです。


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 「さいさいきて屋」様の隣には、小さな農園があります。ここは、子供達に農業の体験をしていただくためのものだそうです。子供達自身で農作物を育て学び、収穫したものを「さいさいきて屋」様のお店で販売する。売り子も、育てた子供達自らするのですから、気合が入ります。農作物を売って得た収入は、全て子供達のものだそうです。売上金は、「初めて稼いだお金は、お父さんお母さんに感謝の気持ちをこめて渡すものだよ。お父さん、お母さんの喜ぶ顔をみてご覧」と言って子供達に渡すそうです。

 そして、色々な農作物を育て経験をつみ、独自の試験で一定の点数をとった子供は、上級コースに進むという活動をされているそうです。とても進んだ試みをされているなぁ〜と感心しきりでした。


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 貸し農園(初級コース)で育てられている「あいさん」という品種のみかん。もうすぐ収穫、お子さん達の喜ぶ顔が思い浮かびます。

 ちょっと心が温かくなったところで、しまなみの園地に向かいました。


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 こちらが、園地の写真です。確かにみかんの実っている数が少ないと思いました。


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 上の写真は、同じ園地の昨年の写真です。撮影した時間が違うので、みかんの色が微妙に違います(昨年は朝6時、今年は朝9時)。撮影時間帯の違いは除いても、色づきは昨年の方が良いみたいです。そして決定的な違いは、みかんの実っている数です。


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 もう1枚、別の角度から。こちらは、今年の写真です。写真では、十分、実っているようにも見えますが、空いた感じになっているのです。


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 続いて昨年の写真です。


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 今年のようにみかんがあまり実っていない状況でも、農家のみなさんは、来年、そして再来年のことを考えて、みかんを育て続けます。写真の赤丸部分は、みかんの木の新芽。この新芽を大切に立派に育てることが、来年以降の出来具合に関わってきます。


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 この他の園地も幾つか見せていただきましたが、全体的に同じような状況でした。昨年は、山全体が黄色く覆われていたのに対し、今年は緑の中にポツリポツリと橙色が見える感じでした。


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 肝心の味については、これから酸が抜けていけば、とても美味しいみかんになることを実感出来ました。


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 そして今回の視察で気になっていた園地がありました。上の写真は、昨年のものです。年々、みかん農家の方の高齢化が進み、この園地のように休閑地となってしまう園地もあります。


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 荒れ放題となり、外来種の背高粟立ち草などの雑草が伸び放題。手入れの入っていないみかんは、美味しくなく、鳥さえも食べることはありませんでした。木に実ったまま腐っていく様子は、とても哀しいです。


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 同じ園地を訪ねると、雑草や放置されていたみかんの木はきれいに取り除かれ、土壌改良の処理が施されていました。若い生産者の方が、この園地でみかんを育てられることが決まったそうです。美味しいみかんが、いつまでも食べられるように、若い生産者の方が増えてくれることを期待したいです。


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 さて、今治と言えば、「温州みかん」以外にも、「はれひめ」をはじめ、年明け以降の美味しい新しいタイプのみかんを生産されています。


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 こちらは、昨年もご紹介させていただいた「紅まどんな」です。とてもジューシーで美味しい、お値段も高価なみかんです。


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 高価な理由は、生育に手間がとてもかかるためです。上の写真をご覧下さい。「紅まどんな」の木には、このような針がたくさん存在しており、作業を難しくします。また、管理が難しいだけでなく、ハウス栽培の場合は、色々なコストがかかります。

 また、路地栽培も一部では実施されているのですが、この針が実を傷つけたり、外観が痛んで商品価値が無くなってしまうこともあり、ハウス栽培を推進している品種です。

 今年も試食させて頂いたのですが、12月の最盛期から1月以上も前であるにも関わらず、甘くてコクがあってジューシー。これはみかんではないな?というのが僕の感想です。


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 続いては、「はるみ」のご紹介です。「清見」と「ポンカン」から作られた品種で、とっても甘い。デコポンの妹分です。果肉のプチプチ感が不思議な食感のみかんです。最盛期は2月中旬ですので、試食は出来ません。

 上の写真をご覧下さい。ちょっと分かりづらいと思いますが、右側だけに「はるみ」が実っていて、左側には実っていないことが分かります。


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 こちらが、裏側の全く実っていない面です。


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 こちらは「はるみ」のアップです。

 「はるみ」は、隔年(1年おき)に収穫する品種だそうです。毎年は獲れないため、半分だけ実らせて、翌年は反対側を実らせるという対応をされている農家さんがいらっしゃいます。この写真の園地がそうなのですが、中々、難しいみたいです。半分側だけのつもりが、全面に実がついてしまったり、一般的に販売される「はるみ」の大きさ以上に生育してしまったりするそうです。例え、大きく生育してしまい、売り物にならないと分かっていても、摘果することなく、そのままにしないと、来年以降に上手く実らないそうです。

 「はるみ」は、温かく、お日様の当たる場所でないと生育出来ない。その代わりマルチというシートを地面に敷かなくてもいい。でも、隔年しか収穫出来ない。

 新しい品種は、生育方法も試行錯誤で、とても難しいと思いました。

 これら新しいみかんの品種は、年明けの温州みかんが終わっても、美味しいみかんを食べていただきたいという産地の方々の思いがつまったみかんです。ワイズマートでも、「はれひめ」は大ヒットしました。


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 26日の夕食を食べながら、越智さんとの会話の中で、収穫量は少ないけれども、ワイズマートのお客様には、是非、今治のみかんを召し上がっていただきたい。だから、優先して頂けること。

 また、みかんが色付いた時点で、農家さんは出荷したがるけれども、きちんと糖度がのって酸が抜けて美味しくなってから、ワイズマートに出荷して下さいという意見交換がされました。

 とても貴重な今治のみかん。農家の皆さんの気持ちの込められた美味しいみかんを、大切に販売させて頂きたいと思います。
posted by ワイズマン at 09:40| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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