2011年10月07日

勝沼醸造ワイナリーツアー その1

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 2011年9月25日にワイズマート初のワイナリーツアーが開催されました。

 当日は、お天気にも恵まれ、勝沼の空気、ワイン、そして食事と3つの美味しさを味わった楽しいツアーとなりました。それでは、当日の様子をレポート致します。


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 この見学させて頂いた勝沼醸造様は、「甲州ぶどう」に特化したワイン造りを続けられているワイナリーです。

 甲州ぶどうは、本来ヨーロッパ原産のぶどうですが、奈良時代の文献に登場する、日本土着の唯一のぶどうです。日本に多いアメリカ系ではなく、ヨーロッパ系の品種です。日本では、ぶどうといえば、生食が当たり前ですが、ヨーロッパでは、ぶどうはワインになるためのものです。そう、甲州ぶどうは、ヨーロッパ系の品種、つまりワインのためのぶどうなんです。

 この写真は、今回、大変お世話になりました勝沼醸造の有賀さんです。甲州ぶどうによるワイン造りへの想い、勝沼という地のテロワールにかける情熱は、お客様にひしひしと伝わってきました。

 有賀さんとは、約3年ぶりの再会でした。一度、ワインセミナーでご講演頂きました。(そのときのレポートは、こちらをご覧下さい。)日本のワインをいかに世界に通じるものにするのか、その情熱を熱く語って頂きました。

 よく、ワインの表現の中にテロワールという言葉が出てきます。同じ地域の農地は土壌、気候、地形、農業技術が共通するため、作物にその土地特有の個性を持つことになります。これがテロワールです。日本の勝沼という土地で育ったワインが、和食との相性があって当たり前。漬物とワイン。その組み合わせは普通なんです。外国の方が、日本のワインを楽しまれているときに、フランス料理をだすのはナンセンス。だから、甲州ワインとは、是非、和食で楽しんでほしい。また、ワインだけが勝っても、食事だけが勝っても駄目。ワインとは、食事を楽しむためのものであり、そのマリアージュを楽しむためにも、同じ甲州ぶどうから、色々なタイプの甲州ワインを造っているのです。

 ただ、色々な問題があります。まず、日本のぶどう作りにかかるコストは世界一です。ぶどうのコストが高い訳ですから、ワインの値段を高くして良いのでしょうか。でも、それでは、世界とは戦えません。

 もう1つ、日本ではぶどう=生食の文化が強いので、ワインに適したぶどう作りを農家の皆さんに求めても、そっぽを向かれてしまいます。農家の方との関係をどのようにして築いていったのか。

 そして、勝沼の地でワインを醸造して七十有余年。ワイン造りは、1年にたった1度のぶどうの収穫と、そこから始まる醸造行程があるだけです。つまり、1年に1回しかワイン造りを試みるチャンスはありません。だから、七十年といえば、歴史があるように思いますが、たった70回しかワインを造った経験しかないのです。紀元前8千年前からワインが飲まれていたとも言われるヨーロッパに認められるためには、弛まないチャレンジと、勝沼のテロワールの追及が必要なんです。


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 当日は、行きの高速が順調だったため、予定を変更して、最初に勝沼醸造様のワイン工場に行きました。この工場は、一般公開されていません。ご好意で特別にこちらのゲストルームで有賀さんの熱い講義と甲州ワインのティスティングを実施することになりました。

 有賀さんのお話はとても熱く、興味深いものが多いです。

 例えば、先述の農家さんとの関係をどのようにして構築されていったのか。

 どんなに偉そうにワインのためのぶどう作りを言っても、農家の方々は、そっぽを向かれます。そこで、まずは、ぶどうを自分達で作ることから始められたそうです。その中で学んだ苦労や、チャレンジの様子をみているうちに、農家の方々も、興味を持つようになり、共感し、一緒になって行動して下さるようになったそうです。く


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 こちらは、ゲストルームに飾られていた幻の『イセハラ』のボトルです。

 このワインは小字名の伊勢原の単一畑から収穫された甲州種のみを原料に醸造したワインです。華や かな香りに加え、爽やかな酸味と微妙な甘さがバランス良く、他に無い個性を醸し出しています。同じ甲州ぶどうでも、この伊勢原の畑から収穫したぶどうで造ると味が違う。その理由は分からないそうです。でも、それがテロワールなんです。この伊勢原の個性を愛するお客様により、リリースされると即完売となる幻のワインです。今年のリリースは11月から12月にかけて。ARUGA特約販売店の一部、もしくは、11月以降のワイナリーツアーに参加された場合のみ、お1人様1本限りでの販売となるそうです。

 でも、面白いですね。同じ種類の甲州ぶどうで、場所の違いで1つのワインが出来るなんて。


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 有賀さんの講義は続きます。

 2003〜2004年のフランス醸造技術者教会主催の国際ワインコンテストにおいて、独自の製法による甲州ワインが初めて栄えある銀賞を2年連続で受賞したお話。そして、2007年から、日本の甲州ワインのテロワールが、初めてヨーロッパで愉しまれるようになったことなど。

 勿論、世界に認められるための挑戦、それは、勝沼の風土における最大の可能性を追い求めることが続いています。自社農園における欧州系ワイン専用品種の垣根栽培。収穫制限、クローン選抜など時間と手間を惜しまない様々な挑戦を続けていることで、ワインのための甲州ぶどうのポテンシャルの向上に結びついているのです。

 次回に続きます。
posted by ワイズマン at 14:13| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ワインセミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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