2011年10月08日

勝沼醸造ワイナリーツアー その2

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 勝沼醸造ワイナリーツアーのレポートその2です。

 有賀さんの講義とテイスティングも終わり、ワイン工場を後にしました。(当日は、時間の都合もあり、工場内の見学は出来ませんでしたが、過去に見学させて頂いた時のレポートがございますので、こちらをご覧下さい。)

 バスで移動して、勝沼醸造様の自社畑を見学させて頂きました。


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 この写真の右側にあるのが、垣根仕立てのぶどう畑です。あまり背が高くないのが、お分かり頂けると思います。(垣根仕立ての栽培につきましても、過去のレポートがございますので、こちらをご覧下さい。)


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 こちらが、畑のアップです。ぶどうが実っている位置も、かなり低いですね。日本で一般的な棚栽培と比べると、全く違います。

 この垣根仕立ての栽培方法のメリットとしては、棚栽培と比べて、短い年数で収穫出来るようになることがあげられます。また、ぶどうのポテンシャルをあげることが出来ます。(詳しくは後述)

 逆にデメリットとしては、コストと手間が非常にかかるということです。普通、棚栽培の場合は、1本のぶどうの木を中心に横の面で広がり、ぶどうを実らせます。でも、この垣根仕立て栽培の場合は、違います。

 まず、ぶどうの木と木の間隔が短くなります。その分、苗木のコストもかかるし、剪定の手間も増えます。また、垣根仕立ての栽培をするときには、ぶどうを実らせる数を制限します。1本の木からたくさんの実に栄養を送るのでなく、少しの実に栄養を送ることで、ぶどうの糖度もあがり、結果的にポテンシャルが高まります。

 勝沼醸造様の表現で出てくる、いわばF-1開発のような自家ぶどう畑「番匠田」とは、それを実践したもので、結実するぶどうを制限した結果、ワイン1本にかかるぶどうのコストが1万円になってしまったこと、また、ぶどうの結実量を制限している訳ですから、収穫量も減り、十分な量のワインを造れるまでに至らないということもあるそうです。それでも尚、こういった挑戦を繰り返すことで、甲州ぶどうのポテンシャルを高め、世界に認められるワイン造りに繋がると信じているのです。

 勝沼醸造様の創業以来、「たとえ一樽でも最高のものを」というワイナリーの誇りは、今も息づいています。


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 また、垣根仕立ての栽培が、棚栽培よりも収穫にかかる時間が短いとはいえ、ヨーロッパと違い、高温多湿な日本の環境での苦労があり、接木したもとの木との相性が悪く、全てを伐採して、作り直すといったご苦労があるそうです。

 有賀さんの言葉の中で印象的だったのが、「ワインは、ぶどうの糖分だけで発酵します。他のお酒のように糖を追加しません。だからこそ、高品質なワインを造るためには、ポテンシャルの高いぶどうを作らなくてはいけません。」というお話でした。


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 この淡い紫色のぶどうが、『甲州ぶどう』です。

 お客様の中に、「あれ?甲州ぶどうのワインは、みんな白なのに、赤い色のぶどうなんですね。」といった素朴な疑問をお持ちの方がいらっしゃいました。白ワインは、ぶどうの皮や種を除いて絞り取った果汁だけで造ります。白ぶどうだけでなく、黒ぶどうからも造ることが出来ます。

 『甲州ぶどう』は、種の周りの酸味が強いので、種ごと飲み込むことが地元流の食べ方だそうです。


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 そして、今回のワイナリーツアーでは、特別に、このぶどうの試食をさせて頂きました。生食ぶどうと、ワイン用ぶどうの違い。そして、甲州ぶどうの味わいを堪能することが出来ました。今回のワイナリーツアーをこの時期に開催したのも、このぶどうの試食をしたかったことが理由の1つでした。


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 更に別の畑を見せて頂きました。こちらは水耕栽培で十分な栄養を与えられ、ぶどうをたくさん実らせた畑です。


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 その反対側は、草生栽培のぶどう畑です。雑草とぶどうの木が養水分を奪い合う過酷な環境です。

 ヨーロッパやチリなどのニューワールドでも、美味しいワインのぶどうは、石灰質の土壌など、過酷な環境で育ったものが多いです。樹木にストレスを与えることで、樹木が頑張ろうとし、結果的にポテンシャルが高いぶどうが育つ、こういった比較実験を繰り返しています。

 ここでも有賀さんから、「こういった試みの成果が、自分達の代で出るとは思いません。でも、絶えず続けて引き継いでいくことが必要なんです。」とのお話がありました。

 レポートは次回に続きます。
posted by ワイズマン at 08:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ワインセミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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