2011年10月30日

今年の西宇和みかん

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 今年も、10月15日(土)〜16日(日)の2日間をかけて、愛媛みかんの産地視察に行って参りました。2回に分けて、レポート致します。



 毎年、同じ地図でご紹介させて頂いておりますが、1回目は、JA西宇和の「八協」、「保内」、「伊方」の3つの園地のレポートを致します。

 今年は、例年よりも10日ほど早くの訪問でしたので、色々な違いがありました。


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 最初にJA西宇和の本部にて、浜田さんから今年のみかんの生育状況について教えていただきました。

・今年は、表年(※)なのに、量が少ない。 → 昨年比110%、一昨年比90%
 
 ※みかんは、たくさん実る表年(おもてどし)と、数が少ない裏年(うらどし)が交互にやってくる果物です。表年に実をつけ過ぎると、翌年には休んでエネルギーを蓄えます。

・1月に寒波がやってきた。5月〜6月の果実の落下が多かったのが要因。

・表年なのに、数が少ないため、みかん1つ1つに養分が行き届き、肥大傾向。
 雨が多いことも肥大傾向に影響。

・5月の開花期が1週間遅れたため、生育も遅れている。
 糖は昨年比92%、酸は102%。
 酸が低いと、ボケた味になるが、酸が高いので、これから糖度がのってくると思われる。

 以上が西宇和みかん全体の概況でした。

 続いて、園地視察をしようとしたのですが、今年は、例年よりも早く訪問したこともあり、極早生みかんを共選所で選定しているとのことでしたので、「八協」は、その様子を見学させて頂くことになりました。(※共選所・・・農家の方が収穫した農作物を、人の目やセンサーを通して、選別するところ)


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 それでは、共選所の様子をご紹介致します。

 みかんには、9月から10月に収穫される極早生種、10月から12月に収穫される早生種、11月から12月に収穫される中生種、1月以降の晩生種と大きく分類されます。

 上の写真は、農家さんからカゴに入れられ、共選所に入ってきたところです。


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 農家さん毎にみかんの大きさ、糖度の違いなどを選別していきます。

 まず最初は、人の手で選別。特に見た目で問題があるみかんを取り除きます。


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 続いて、大きなレーンの中を、物凄いスピードで流れていきます。


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 続いては、「糖度センサー」を通ります。

 以前は、果汁を搾って判定していましたが、今は、「光センサー」を用いるのが一般的になっています。みかんを傷をつけずにそのままの状態で測定出来ます。

 果実に近赤外線を当てると、成分の種類や量に応じて特定の波長の光を吸収します。糖分は、含有量が多いほど、特定の波長の吸収量が多くなり、少なければ吸収量も少なくなるので、吸収量を調べて糖度を判定する仕組みです。

 この「光センサー」のおかげで、みかんを傷つけることなく、1つ1つ糖度を測ることが出来ます。「八協」の共選所では、5台の「糖度センサー」が並び、物凄いスピードで計測していました。


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 「糖度センサー」を通過したみかんは、さらにたくさんのレーンに分岐して流れてきます。


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 細分化されたレーンを通過してきたみかんは、途中で横に分岐します。分岐箇所は、糖度、大きさなどの違いで決まります。


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 上の写真は、分岐された先です。レーンの最後に穴があり、その下にみかんのダンボール箱がセットされています。表示をみると「優 Mサイズ」みかんが流れてきたことが分かります。


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 規定の重さに達すると、みかんを入れた段ボールは、その先のレーンに送られます。


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 続いて、みかんの大きさ、品質などを、インクジェットプリンターで、段ボールに印字します。段ボールを止めることなく、レーンを流れていく中、一瞬で印刷されるのには、大変驚きました。

 続いて、重さを再度、チェックする量りを通過して、確認した後...


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 重量チェックが終了した段ボールは、そのまま蓋をするレーンを通過します。


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 段ボールの蓋が終わったら、レーンは下の階に送られていきました。


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 共選所の見学が終わったところで、「八協」の菊地さんから、みかんの状況を教えて頂きました。

・「八協」では、生産にコストをかけています。例えば、タイベックシートを無料で農家に配りました。(タイベックシートとは、地面に敷いて、雨(水)を入れないようにするものです。水を切ることにより通常より甘くて色のよいみかんを作ります。)

・媛美月(ワイズマートでも販売させて頂いている黒箱のみかんの1つです)については、収穫を遅らせて糖度をのせたり、シートを敷くことで、酸を高くしたりしています。

・例年より糖度が低いが、酸は高いので、糖度はのってくると思います。

・今年は、Mサイズ、Lサイズが主流で肥大傾向です。

・産地としては、1月以降も愛媛の温州みかんを召し上がって頂きたいと考え、晩生種みかんの苗木を、植えだしました。数年後に収穫出来るようになることを目標としています。

 以上が、「八協」の今年の状況です。


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 続いては、「保内」の園地を浅野さんにご案内して頂きました。


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 西宇和の園地は、みな、とても景色が美しいです。起伏が多く、平野部が少ないため、園地全体が満遍なくお日様の光を受けています。海からの気持ち良い風も心地良いのです。


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 園地のみかんは、例年と比べるとまだ色付きが進んでいませんでした。例年よりも10日早く訪問したこと、今年のみかんの生育が1週間遅れているという状況を合わせると、この色付きも納得がいきます。


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 少しアップにしてみるとこんな感じです。昨年のみかんの色付きは、こちらでご確認いただけます。

 比較してみるとその差がお分かりいただけると思います。


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 そのような中、色付きがよい園地がありましたので、そこで、試食させて頂きました。

 本部バイヤー、チーフ全員で試食したのですが、感想は「美味しい」でした。園地の方の説明にもあったように、「酸」がしっかりしており、また、ただすっぱいだけでない、上手く言葉に表現出来ないのですが、抜けが良いとでもいいますか、後味が悪くない「酸」でした。これに「甘さ」がのってきたら、美味しくなるに違いませ。いつもより早い時期での試食なのに、お店に出しても問題ないと思えたのですから、11月に入って糖度がのったみかんは、とてもおいしくなる筈です。


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 続いて「伊方」の園地を訪問致しました。

 「伊方」は、佐田岬半島の基部に位置しており、北側と南側を海に挟まれています。


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 黒箱みかんとしては「媛の匠」ブランドで、ワイズマートでも販売させて頂いております。毎年、園地で試食させて頂いているのですが、年を重ねる毎にコクが深くなっているように感じます。


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 園地を見学した後、阿部さんに今年の状況を教えて頂きました。

 「八協」、「保内」同様に、今年は、大玉傾向とのことでした。媛の匠に関しては、糖度も12度以上で、酸は昨年同様を基準として選別出来る見通しとのことでした。

 みかん作りは、ただ甘いだけでは駄目。糖酸のバランスがとれてこそ、コクがある美味しいみかんになります。そのために、その年の気候の違いに合わせ、剪定したり、マルチを敷いたり、生産者の方々の大変な努力があります。そして、糖度センサーをはじめ、1つ1つのみかんを厳格な基準で選別することで、西宇和のみかんが成り立っているのだと、あらためて感じました。

 次回のレポートは、越智今治のみかんです。
posted by ワイズマン at 09:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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