2012年07月16日

こだわりの有機野菜 その1

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 ワイズマートでは、今現在も、一部店舗で有機野菜の販売をしております。

 ですが、これから全店にて有機野菜を取り扱わせて頂くにあたり、新しい産地を視察することが決まりました。レポートが遅くなりましたが、2012年6月19日に産地視察した時のレポートを、2回に分けて致します。

 当日、園地をご案内下さった丸果会津青果株式会社の鈴木さんから、有機野菜のこだわりの農家の皆さんの概況を教えて頂きました。特に興味深かったのが、若手の育成、しかも農業経験のなくても、有機野菜への強い思いをもった若者たちを受け入れているグループ農家さんがあると知り、とても楽しみになりました。

 その前に、「有機野菜」ってナンなの? ちょっと振り返りたいと思います。

 と、書いている私も、農薬を使わず育てた野菜のこと?ぐらいの漠然とした知識しかありませんでした。

 「有機野菜」について、当日教えて頂いた知識を列挙します。

 ・「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」と定義されています。一般的な農業では当たり前のように農薬や化学肥料が使用されますが、それらは田畑をはじめ多くの生きものにとって過酷なものであり、資源・エネルギー的にも持続可能なものではなさそうです。それらを出来るだけ低減しようとする農業が有機農業なのです。そして、国が認めた登録認定機関によって有機JAS認定を取得したものだけが、「有機野菜」と掲げて販売することが出来ます。

 ・化学肥料によって土が汚染されていない(←ちょっと言葉がキツイ表現ですが)状態で育てられた野菜で、土が汚染されていなければ、微生物が土のサイクルを作り、結果的に良い野菜を作り出します。土が生きているので、土の中に栄養があるため、栄養素としての化学肥料を使いません。(化学肥料を使うと野菜自体が弱くなってしまうので、農薬で守る必要が出てきます。この悪循環から、根本から見直したのが有機野菜と言えます。)

 ・農業では耕したり、掘り起こしたり、肥料を入れたり、土の環境を乱すことが多くあります。それも田畑の生きものにとっては過酷なものなのですが、それでもなお生きものが棲みつき、それら同士の関係が築かれていきます。 有機農業はこの生きもの同士の共存・共生関係を重視し、田畑に多くの種類・量の生きものが暮らせる管理を行います。 生きもの同士の関係が豊かになると、病原菌・害虫といった言葉は意味をなさなくなります。食べる・食べられる・棲み分ける、などの関係が沢山できてくると、特定の生きものだけが爆発的に増えることはないからです。たとえ病原菌や害虫がいても、大きな被害は出なくなります。農薬による防除とは異なり、この仕組みが栽培技術の根本にあるのが特徴です。

 といった前提知識をもとに、今回、2つの園地を視察させて頂き分かったことが、土づくりの大切さと、それにかけるこだわりの大きさです。正直な感想を書くと、有機野菜の農家の皆さんは、きちんとした理論と信念を持ち、その結果を検証しながら、新たなチャレンジを試みる、まるで科学者のようだなぁ〜と思いました。

 それでは、1回目として、チャルジョウ農場の小川さんの園地と、こだわりの理論をレポート致します。


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 チャルジョウ農場さんのビニールハウスの中です。一見すると栽培しているお野菜以外の雑草が、漠然と共生しているだけのように見えます。

 ところが、全ての園地をご案内下さった鈴木さんが色々と教えて下さいました。

 ・苗と苗の間隔を通常よりひろくとります。間隔をあけることで、根が深くはり、雨が少なくても、水を吸い取り易くなります。

 ・ビニールハウス内では、敢えて水をあまり与えないようにします。水を抑えることで、野性味あふれる野菜が育ちます。

 ・共生している草も、栽培している苗に悪い影響のあるものは、全て取り除き、良い影響を与えるもののみを放置します。例えば、よもぎは、残します。そうするとよもぎを住処として小鳥が集まり、集まった小鳥が害虫であるオオタバコガを食べてくれます。すると農薬を使わずにお野菜が育ちます。 


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 こちらは、ビニールハウスの外観です。斜面を平らに整地せず、斜めにビニールハウスがたっているのが印象的でした。


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 チャルジョウ農場代表の小川さんは、農業改良元普及所の元研究員に従事されていました。これまでも、多くの新規就農希望者を研究生として受け入れ、ご指導とサポートをされてきております。(小川さんの約20年の取り組みの中で、97名もの方々が、周辺に定住され、この農法を守られています。)


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 園地から、小川さんのご自宅をご訪問。後姿で申し訳ございません。帽子を被られている方が小川さんです。

 その前の席で、小川さんが書かれた本を読んでいるのがバイヤーです。トルクメニスタンのメロンとして、全国農業改良普及協会刊行「メロン・スイカ」に書かれた記事に興味を持ちました。小川さんが、旧ソ連トルクメニスタン・チャルジョウ市産の「バハルマン」と会津の真渡瓜を改良した「深山瓜」との間で出来た「飯豊メロン」。メロンとは思えない糖度を持ち、西洋ナシのような歯触り、爽やかな香りが特徴です。

 生態系を活用したメロン栽培を、検証し続けたいとの思いを持ちながらも、自然に優しい農法をもっと拡げたい。そのために、後継者の受け入れをされている小川さんの熱意は、素敵だと思いました。(小川さんの思いは、こちらからご覧頂けます。最初は、文章ばかりで戸惑われるかもしれませんが、小川さんの思いの本気度が伺えます。個人的には、色々と考えされられることもあり、また、農業のこれまでの経緯の一部が垣間見えた気がしました。)

 小川さんの説明によると、例えば、殺菌のための農薬をまかなくても、堆肥の元になる動物の糞と、米ぬかに水を加えて混ぜると、窒素分が発生して熱を持つので、土を殺菌してくれるそうです。メロンの場合も、桜の落ち葉をつかって堆肥を作ると、うどんこ病やつる枯れ病にも効果があるそうです。そうやって、自然に存在するものを使って、より野菜が生育し易い環境を考えるのが、有機栽培の基本だと思いました。


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 こちらは、小川さんの息子さんが中心となって立ち上げている雑穀もちのそる工房の案内です。以下は、案内からの抜粋です。

 維持管理が大変で人間には何かと不都合な棚田。でも、そこには絶滅危惧種(アカハライモリ等)をはじめ、沢山の生き物たちが暮らしています。そんな里山の風景を残していくために、放棄された畑を耕し、地域の方々と共にお米や雑穀の栽培に取り組んでいます。太陽の恵み、多様な生き物たち、豊山の豊かな雪解け水。そして、農家さんが手塩にかけたお米と雑穀から、このお餅が出来ています。

 上の写真は小さいので分かりにくいですが、集合写真に写っている皆さんの表情が本当に素晴らしい。自分達の仕事に対しての自信と満足感、そして使命感みたいなものが伝わってきて嬉しくなりました。


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 こちらは、チャルジョウ農場で生産した有機野菜に貼るシール。全てメンバーの手作りです。

 小川さんを代表とする皆さんは、有機野菜づくりだけでなく、一体となって、1つの方向に向かっている感じがしました。次回に続きます。
posted by ワイズマン at 09:00| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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