2013年11月11日

愛媛みかんの産地視察に行ってきました(西宇和みかん編)

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 久しぶりの更新となります。更新していない間、りんごやみかんの産地視察や、会津の手打ちそばの見学など、色々と飛び回っておりました。これから、色々とご紹介させて頂きます。

 まずは、10月29日から30日にかけて愛媛みかんの産地視察に行って参りましたので、そちらを2回に分けてレポート致します。愛媛の産地視察は、昨年は僕は行かなかったので、2年ぶりとなりますが、バイヤーは、毎年、同じ園地を訪問し、その年、その年の変化や、どういうご苦労があったのか、また、みかんの生育状況はどうなのかといったことを定点観察し、お客様にお伝えする目的があります。

 それでは、早速、西宇和みかんの今年の状況をレポート致します。


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 最初に、西宇和とは、どのような場所なのか、簡単にご説明致します。西宇和は、愛媛県の西部に位置します。日照量が多く、リアス式海岸のため、水はけのよいことが、みかん栽培に適しています。西宇和のみかん栽培がスタートしたのは、明治28年。太陽の光、宇和海からの反射光、石垣からの反射光を受けて美味しく育ちます。


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 一言で、西宇和といっても、その園地はより海に近かったり、標高の高い山の上にあったりします。そこで、それぞれの園地に共選所(と呼ばれるみかんの品質を選定して、階級や大きさ、味を管理し、出荷するための場所)が複数、存在しています。

 ワイズマートで今回訪問したのは、川上、みつる、八協という3つの共選所と、その園地です。

 ワイズマートの箱売りみかんの中でも、特に人気が高い黒箱みかんは、各共選所の中でも、美味しくて、見た目もきれいなものを選別したものとなります。川上の黒箱は「味ピカ」、みつるは「蜜る」、八協は「媛美月」という名前で販売されています。特に川上共選所の「味ピカ」は、今年初めてワイズマートで販売させていただく黒箱みかんのため、個人的にも、どんな園地なのか大変興味がありました。


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 まず最初に訪れたのは、全ての園地を管理されている西宇和農業協同組合でした。谷川さんに、西宇和みかん全体の概況について教えて頂きました。

 谷川さんのお話によると、今年は、7月8月の雨量が極端に少なく、干ばつと呼べる年だったそうです。雨不足のため、散水するのが大変だったようです。但し、8月24日の台風が恵みの雨となりました。みかんの大きさは、Mサイズが中心だそうです。酸味が高いのですが、その酸味が抜け具合が良く美味しく育っているとのことです。

 みかんの場合、糖度と酸味のバランスが大切です。糖度が高いだけだと、ただ甘いだけのみかんになります。逆に酸味が高すぎるとすっぱいみかんになってしまいます。糖度と酸味のバランスがよいと、上手く表現出来ないのですが、コクがあるみかんになります。ただ甘いだけでない、深みのある甘さとでもいいましょうか。

 みかんは、最も早くから収穫される極早生(ごくわせ)から始まり、早生温州(わせうんしゅう)、普通温州(ふつううんしゅう)、晩生温州(ばんせいうんしゅう)と移っていきます。見た目も青く、すっぱそうな極早生みかんが、今年は、とてもコクがあって美味しかったので、僕もびっくりしていました。いつもは、極早生みかんは、すっぱい印象が強く食べないのですが、今年は美味しかったので、毎日、お店で買って帰っていました。極早生があれだけ美味しかったのだから、温州みかんも美味しくなる予感はしていました。どうして、極早生の酸抜けが良かったのか、谷川さんに質問してみました。

 その理由は、春先の夜温が高い時期が続いたことによるそうです。

 収穫数量も前年比104%と多いそうです。


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 農協の谷川さんのご説明の後、一番最初に訪問したのが、川上です。

 この写真をご覧下さい。写真の中央にオレンジ色の屋根があるのですが、そこが川上共選所です。海にとても近く、とても景色も良い園地です。この素敵な川上の状況について、中岡様と野本様にご説明頂きました。


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 川上共選所の入口には、農家の皆さんに対して、みかんの傷や、品質基準を示すためのサンプルが分かり易く、置かれていました。


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 共選所は、農家さんが収穫し、運ばれてきたみかんを選別するだけでなく、どうやったら、美味しいみかんが育つのか、その生育方法を指導したり、選定の前に、農家の皆さんに品質に対する意識を持っていただくために、細かなフォローをされています。


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 啓蒙していくのは、とても大変だと思いますが、そういったご努力のおかけで美味しいみかんの収穫に繋がります。上のサンプル写真には、今年のみかんの傾向を説明し、どのようなみかんから収穫するべきなのか、指示されていることが分かります。


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 川上は、初めての共選所ですので、私たち全員が、色々と尋ねたいことがありましたが、整理された資料とは別に、今年のみかんの状況が分かり易くまとめられたビデオを用意して下さっていました。


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 例えば、干ばつ時期の7月8月にどのように散水していたのかが動画で見ると、なるほど!と理解し易かったです。西宇和の中でも、川上は、この散水の設備が整っている地域だからこそ、みかんのダメージがなく、順調に生育出来ているとのことでした。

 但し、散水すると、とても費用がかかります。そこで、干ばつ対策本部が設けられ、そのときの降水量や日照の状況を都度細かく分析しながら、細かい指示を農家さんに行います。


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 みかんの生育状況についても、時系列で分かり易く、今後の傾向が予想し易くなります。


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 一通り、ご説明を頂いた後、園地に移動しました。上の写真は、川上共選所のシャッターです。黒箱みかんのブランド「味ピカ」のロゴデザインです。


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 赤丸で囲まれているのが、散水設備です。事前にご説明を受けていたので、直ぐに分かりました。広大な園地全体に対して散水するので、水道代もかかりますが、その他、この設備の維持にもお金がかかるそうです。


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 園地のみかんを試食しました。みかんの皮も薄く、とてもコクがあり美味しかったです。西宇和みかん全体の特徴ですが、みかんの果実を包んでいる袋(じょうのう)が薄いそうです。今年の初出荷は、11月7日予定とのことでしたので、出荷の1週間前なのに、このコクですから、お店に並ぶときには、更に美味しくなります。


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 また、園地に行くと、色々な発見があります。今年は、動物や害虫による被害はあまり見られないとのことでしたが、みかんの一部に泥がついているものを見つけました。この犯人はイノシシだそうで、体についた泥がみかんに付着したものだそうです。勿論、畑には、柵を設けたりしてこういった被害を防いでいるので、ごく一部でしか遭遇しませんでした。ただ、泥がついたみかんは、水で流したとしても、味もダメだそうで、収穫から外されることになります。


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 色付きも、形もいいです。美味しそうです。これだけ生っていると、無造作に生らせているように見えるのですが、実は、1個のみかんに対して、葉が20〜25枚ぐらいになるように、みかんの実を落として調整しているそうです。みかんの葉に受けた太陽の光が栄養となって、美味しいみかんを作るんですね。


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 この素敵な園地で、中岡さんと記念撮影。写真をみても、太陽がサンサンと当たっていることが分かります。


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 続いて訪問したのは、みつる共選です。当日、お世話になったのは、玉井さん、上岡さん、中藤さんです。みつるのブランドみかん、その名も「蜜る」は、僕も大好きなみかんです。浦安本店では、他の箱みかんに対して圧倒的に支持されている「蜜る」です。

 「蜜る」を名乗れるのには、厳格な基準があり、その基準を満たした園地だけが「蜜る」ののぼりが掲げられています。過去のレポートにありますので、こちらをご覧下さい。


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 訪れた日の午前中に、小学生のお子さん達が、見学されたそうで、みかんの大きさの違いや、品質の違いを示すサンプルが並んでいました。


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 こちらは、品質の違い。見た目による階級の違いを示すサンプルでしたが、とても分かり易かったです。


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 そして園地に到着。毎年、同じ園地を見学させて頂いているのですが、以前、「蜜る」ののぼりが飾られていた園地が、今年はみかんの木がありませんでした。勿論、旗もありません。一定の品質を維持するために、土地を改良し、木を植え替えているとのこと。また、何年かしたら、「蜜る」の旗がはためいていることでしょう。今回は、その園地の隣接する反対側を見学しました。

 この色付き、玉のりはどうでしょか。もう最高です。食べる前から、美味しいことが分かるみかんでした。実際に食べてみても、美味しい。みかん園地に行くと、試食と言いながらも、みんな、美味しい美味しいととまらなくなるぐらいの美味しさです。この蜜るの園地の様子は、動画でご案内させて頂きますので、11月16日のチラシか、ホームページのトップ画面、お店のPOPなどで是非、チェックして下さいね。


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 上の写真は、何の加工処理もしていないのですが、空の青い色が深いです。当日が快晴だったとはいえ、西宇和の園地が、どれだけ太陽の恵みを受けているのか、分かります。


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 みつるの園地でも記念撮影。共選所、卸しの会社、ワイズマートスタッフみんなで、今年のみかんを確認して、お客様に自信をもっておすすめ出来ることを確認した証でもあります。


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 最後に訪れたのが、八協共選所です。竹内さんにご案内頂きました。
 八協の園地は、高地にあるため、川上ほどは、散水の設備が普及していません。今年の干ばつには、農家の皆さんの大変なご苦労があったみたいで、竹内さんも、ご家族とのディズニーランドの旅行を取りやめ、水まきに尽力されていたとのことです。今年の夏は特に暑かったですから、その中での水まきは、とても辛い作業です。それでも、みかんを収穫するためには、そういった努力を絶やすわけにはいきません。

 みかん作りは、花が咲いて、実がついて収穫するまでが全てではありません。収穫後も、枝ふりをどうするか、花はどれぐらい咲かすべきか、勿論、肥料をまいて、花が咲いて実が実り、不要なみかんを落し、収穫まで生育させること全てが大切なので、その時期における手間を惜しむわけにはいかないのです。


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 工業製品でない果物は、毎年、気象状況も違いますし、みかんには、表年、裏年という隔年周期で多く実ったり、少なかったりする性格があります。表年、裏年につきましては、次のレポートで再度、触れますので、今回は割愛しますが、日本の果物は、本当に甘くて美味しい。これは、農家や共選所、農協の皆さんのご苦労と努力の賜物だと思います。


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 【これだけ努力されているのに、自然は厳しい】

 こちらの園地で初めて知ったことがあります。竹内さんがご説明下さったのですが、「萎縮病(いしゅくびょう)」というみかんの木の病気についてです。

 1つのみかんの木だけが、葉が丸るまっていました。葉の外側がくるんと丸まっている感じです。状況としては、みかんの生る量が減少し、木に力が無くなるそうです。怖いのが一度、こうなると、その木は二度と治らず、抜き取るしかなくなるそうです。

 病原ウイルスに犯されたことが原因とのことですが、厳密には、どうして発生するのか分かっていないそうです。虫による感染ではなく、ウィルスを持った木を接木(つぎき)しても感染することから、対策としては、問題の木を抜いて、土壌をきれいにし、感染していない木を植樹するしか方法が無いそうです。

 一生懸命育てたみかんの木が、こういった病気で駄目になることもある。自然の厳しさを、垣間見た気がしました。
posted by ワイズマン at 22:36| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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