2014年01月04日

静岡の三ヶ日みかん

 新年、明けましておめでとうございます。

 本年も、ワイズマート及びワイズフォーラムをどうぞ、宜しくお願い申し上げます。

 さて、今年1回目のレポートですが、昨年11月28日に産地視察させて頂きました静岡県西部、浜名湖の北縁にある三ヶ日みかんの産地視察をレポート致します。

 ワイズマートでは、年末に向けて愛媛県の西宇和、越智今治のみかんを積極的に販売させて頂いておりますが、年明けイチオシなのが、今回レポートする三ヶ日みかんです。三ヶ日の園地視察も初めてでしたので、他の園地との違いなど、大変興味深かったです。


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 まず最初に訪れたのが、三ヶ日町農業協同組合事務所です。みかんの生育状況及び、三ヶ日のみかん、園地の特徴について教えて頂きました。

 三ヶ日の園地は、全体で約1500町歩(ちょうぶ)あるそうです。(1坪は3.3㎥。1反=300坪。1町=10反です。ですから、1町歩=約3,000坪と計算すると、450万坪という広さになります。)

 三ヶ日には、大きく分けて3つのみかんを生産しております。早生種、温州種、そして越年する「青島みかん」です。三ヶ日も、愛媛同様、早生みかんの酸のキレがよく、糖度も高くて非常においしいみかんに育ちました。この傾向は、青島みかんも同様とのことです。

 また、三ヶ日全体のみかんの生産量は、3万5千トンです。この生産量は、全盛期だった昭和50年の量を維持しているそうです。ちなみに、当時の全国の生産量は、約366万トンございましたが、現在は80万トンまで減少しています。その理由には幾つか考えられますが、以前よりもお客様が品質を求められる傾向が強くなり、そのためにみかんの摘果(美味しいみかんを作るために成り過ぎないように果実をまびくこと)や、みかん農家の方の高齢化に伴い、後継者不足が深刻になっていることなど、複数の要因が考えられています。

 愛媛の越智今治の園地でも、この問題は深刻で、新しい生産者の方が、みかんを始めらた様子は、継続してレポートしている通りです。三ヶ日においては、どうして生産量を維持出来ているのか、当日、その理由を知ることになります。


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 概況について教えて頂いた後、隣接する選果場を見学させて頂きました。選果場とは、農家さんが運ばれてきた果物を選別して、市場に出荷するまでの箱詰めまでを行う場所のことです。この日も、軽トラックに載せられたみかんが、沢山、選果場に運ばれてきました。


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 と、ここまでなら他の選果場と変わりありませんが、三ヶ日の選果場は、ビックリする仕掛けがありました。

 まず、上の写真ですが、巨大なローラーの上に軽トラックが乗っています。写真では分かり難いかもしれませんが、農家さんは、みかん箱が積載された軽トラックをローラーに乗せると、トコトコとある端末の方に歩み寄りました。


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 こちらが、その端末の写真です。農家さんは、運んできたみかんの情報や生産者情報などを入力します。でも、これでだけでは、操作は終わりません。

 よ〜く見ると、写真の右下にピンク色のゴムボールが写っています。このボールがミソなんです。


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 これが、ピンクボールのアップです。実は、ただのゴムボールではなく、IDチップが埋め込まれています。このIDチップを一緒に端末に読ませ、みかんの箱の中にポンと投げ入れます。このIDチップが、農家さんと運ばれてきたみかんを管理する目印の役割をします。


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 レーンの乗せられた軽トラックは、自動で先に進んでいき、みかん箱は、巨大なアームがみかん箱を1つの塊として次の工程に運ばれていきます。農家さんは、その先で軽トラックが出てくるのを待つという流れです。


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 こちらが、パレットにのせられたある農家さんのみかん箱の塊です。赤丸の部分にピンク色のIDボールが入っています。


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 こちらが、みかんの品質をチェックする光センサーとカラーグレーダーです。光センサーは、糖度と酸を、 カラーグレーダーは、色、傷、形をチェックします。毎秒5個のみかんをチェックする性能があり、1個1個のみかんのデータが記録され、収穫されたみかんの品質や美味しさについて、農家さんにフィードバックされます。これも、IDボールで管理されているから出来ることです。


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 こちらが、センサー脇にあるモニター画面です。みかん1つ1つの大きさ、色付き、形、糖度などが、画像と共にデータとして記録されていきます。パパッと切り替わっていく画面に、バイヤーも驚きを隠せません。


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 選果場の一連のシステムを導入するにあたり、物凄い投資金額がかかっているのですが、それでも、実施した理由は、お客様に美味しいみかんをお届けすること。そのためには、きちんと美味しいみかんを生産された農家さんには、きちんと評価する仕組みが無くてはなりません。

 また、トラックへの詰め込みさえ出来れば、選果場での力仕事は必要ありませんから、女性でも納入が可能となります。みかんを収穫するまでの時間をより多く作れるようにすることで、より美味しいみかん作りに力を注げるような環境となっています。


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 続いて、みかんの園地を視察致しました。「青島みかん」のは、三ヶ日みかんの代表品種です。12月までに収穫されます。丈夫な果皮・酸味を活かし貯蔵され、果肉が熟成してだんだんとまろやかな味に育ちます。貯蔵してから出荷されることもあり、みかんの状態に対して特に厳しくチェックされています。越年する前提というのが、他のみかんと違いますね。


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 他のみかんと比べて、皮は厚めです。訪問したのが11月28日でしたので、出荷する1月以上前でしたが、しっかりした酸味に期待を持ちました。


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 園地を拝見していて感じたことは、他の園地と比べてみかんの木と木の間隔が拡いということです。この方が収穫がし易いとは思うのですが、生産量は、その分減ると思います。ですが、どの園地も同じように通路がしっかり確保されていました。


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 また、園地を見渡していて気付いたことは、地肌が見える園地が多かったことです。これは、改植(かいしょく)といって、古いみかんの木を抜いて、新しいみかんの木を植えています。みかんは、4年ぐらいしてから収穫出来るようになり、40年ぐらいで収穫のピークを終えると言われています。生産地全体で収穫量が落ちないように、計画的な改植が実施されていることに驚きました。何故なら、改植が実施されるということは、未来の後継者がきちんと育っていることを意味するからです。

 三ヶ日みかんの生産量が保たれている理由は、選果場の最新設備だけでなく、ここにあるのだと思いました。


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 当日、園地を訪れた、市場の皆様、中卸の皆様、そしてワイズマートのバイヤーとチーフで記念撮影。最後に訪れたのは、組合長さんのみかん畑でした。とても色付きもよく、酸味がしっかりしていました。この酸が抜けて、糖度とのバランスが良くなった年明けの頃、三ヶ日みかんが美味しくなります。

 是非、年明けの三ヶ日みかん。年末までの温州みかんとは、少し違う味わいをお楽しみ下さい。


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posted by ワイズマン at 10:56| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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