2014年08月07日

内田悟さんの野菜を楽しむセミナー その2

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 「内田悟さんの野菜を楽しむセミナー」のレポートその2です。

 今回は、2部「野菜の”ほんとう”のおいしさを知ってこころもカラダも元気になる!!」の内容を中心にレポート致します。

 この回では、戦後に始まる日本の食糧事情から、どのようにして農業が変わってきたのか、有機栽培の問題点、野菜は肥料が無くても十分、おいしく生育するといった内容のお話がありました。

 花が咲き、実がなり、やがて枯れるという1年のサイクルが毎年、滞りなく繰り返されるのは、枯葉などが腐葉土という栄養分になり、土の中で根が活発に微生物分解を繰り返して栄養分を蓄えて、翌年花を咲かせるための準備をしているにほかならないこと。内田さんが推奨される「自然栽培」は、野菜を収穫しても、土中にひげ根が残るので、肥料を加える必要はないという発想です。

 自然との調和。自然の中で息づいている野菜。自然環境のリズムの中で野菜の命を尊重する農業は、すなわち旬の野菜をおいしくいただくことにも繋がります。


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 旬の野菜をおいしく頂くとはどういうことでしょうか。

 例えば、ラタトゥイユは、ナス(新潟)、ピーマン(宮崎)、ズッキーニ(長崎)などの夏野菜を食材とした南フランスの郷土料理です。(野菜の後にある産地は、その野菜が日本で適合している場所を示します)この料理自体が夏の料理なのですから、日本では1年中、レストランで並びますが、季節感を考えると、おかしいということに気がついて欲しいのです。

 また、健康ブームで流行しているスムージー。生野菜は、消化に時間がかかり胃腸に負荷がかかります。冬にバナナのスムージーを飲まれている方もいらっしゃいますが、バナナは南国の果物で、カリウムを多く含み、体を冷す効果があります。真冬にバナナのスムージーは、おすすめできません。

 生野菜は酵素が豊富ということで、スムージーのブームになっていると思われますが、酵素が含まれているのは、野菜だけではありません。肉や魚にも多く含まれ、そして、野菜よりも日本の醤油や味噌などの発酵調味料のほうが酵素が多く含まれています。こうした調味料やさまざまな食材をバランスよく食べることが栄養が偏るリスクを回避することにつながります。


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 1部、2部で一貫していることは、旬の野菜を、その季節の料理でおいしくいただくことが、健康に繋がるということです。

 と、ここで、一番、お客様の関心が高い、野菜の目利きについてのお話となりました。

 野菜の目利き8箇条を列記しますね。

 1.【形】まあるい野菜を選ぼう!

 2.【大きさ】大きすぎない。だけど、ずっしり重いもの

 3.【色】緑の色が淡いもの

 4.【バランス】形や葉脈が左右均等で美しいもの

 5.【軸】軸が小さめで真ん中にあるもの

 6.【ひげ根】ひげ根の跡がまっすぐ並んでいるもの

 7.【芽・子室】次世代につながる生命のしるし(数を確認しよう)

 8.腐る野菜ではなく、枯れる野菜

 以上となります。


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 野菜の目利き8箇条について、少しだけご説明致します。(全ての理由についてお知りになりたい方は、内田さんの著書「間違いだらけの野菜選び」をご購読されるか、内田さん主宰の「やさい塾」にご参加下さい。)

 1.【形】まあるい野菜を選ぼう!

 旬の野菜には、どんな種類の野菜であっても丸い部分を探すことが出来ます。形が丸い野菜は当然ですが、ほうれん草や小松菜などの葉物では、茎部分がそれであり、ピーマンなら、上の軸が丸くなります。キャベツなどの場合は、切り口となります。

 野菜は、どんな方向からの力にも耐えられるように、一番、強い形の丸になったのでは?と考え、周囲の野菜を見回したら、その通り見事に丸かったのです。野菜の種類によっても異なりますが、旬の野菜は全体が丸みを帯びているか、その野菜にとって最も大事な部分が丸いのです。人の都合によって、季節の外れた時に育てられた野菜には、この丸みがみられません。形がいびつな野菜は、細胞分裂が正常に繰り返されたのではなく、自然の法則からはずれて細胞肥大になっています。負荷がかかって育てられ方をしたためその形がいびつになり、ゆがんでいます。

 ほとんどの野菜は、日本生まれではなく、海外生まれですが、季節に合って無理なく育てられたときには、ちゃんと元の形を現すことにも気がつきました。


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  7.【芽・子室】次世代につながる生命のしるし(数を確認しよう)

 トマトを例にあげましょう。トマトのおしりを見ると白い筋が走っています。この筋が多ければ多いほど、生命力が強いことを示します。横に輪切りにするとわかりますが、この筋の数と、子室(種がつまっている部分)の数が一致します。子室が多いということは、すなわち種がたくさんあることを示します。それだけ子孫を残そうという生命力あふれたトマトなのです。

 トマトは、最後に種を落とそうとするとに、とても甘くなります。甘くなると虫がよってくるので、虫から自分の身を守るために、皮を厚くします。命のリレーをするためです。

 じゃがいもの芽も同じです。いっぱいでこぼこがあって、芽が出る数が多い方がエネルギーに富んでいて、でんぷん質が多いのです。

 自然に育った野菜は、根や芽がたくさんあって力強いという特徴があります。それは、命を次につなげようとしている証しで、一生懸命生きようとするんです。命をつなぐ姿をみているうちに、いつのまにか、野菜を女性ととらえるようになりました。人間の世界も、女性が命をつないでいるのです。


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 もう1つ、別の切り口でのお話もございました。野菜の旬についてです。

 どんな旬の野菜にも、「走り」、「盛り」、「名残」という3つの時期があります。「走り」から「盛り」は出始めの2〜3週間で、出荷数が除々に増えてピークを迎え、その後2から3週間を「名残」と呼びます。

 野菜を楽しむコツは、この「走り」「盛り」「名残」の時期の野菜に共通する特徴を把握し、その持ち味を生かした料理の仕方をマスターすることです。そうするとより美味しく食べることが出来ます。

 「走り」の野菜は、水分が多く繊維も柔らかく瑞々しいですが、アクが強いのが特徴です。「名残」の時期に近づくほど、水分は少なくなり、皮がはって繊維が固くなりますが、うまみが凝縮してきます。

 そこで、切り方ですが、「走り」は縦切り、「名残」は輪切りにすると良いのです。「走り」の時期の野菜はアクが強いので、輪切りにしてしまうと繊維を断ち切ることになり、そこからアクが出て苦くなってしまいます。一方、「名残」の時期は表面が固くなってしまうので、輪切りにするのがコツです。

 また、野菜のもつ水分量が時期によって異なるので、調理法も変わってきます。「走り」のときは、水分が多く、柔らかいし、アクも出やすいので短時間で「油で揚げる」調理法がオススメです。また、油との相性も良いので、鍋に油を敷くのではなく、クッキングペーパーにしたした油で、軽く撫でてあげるだけで十分です。逆に「名残」になると、水分が少なくなり、繊維も固くなるので、「茹でる」「煮る」といった調理法が良いと思います。


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 この他にも、沢山の内田さんの経験に裏づけされた知識を教えていただきました。現実的には、完全無農薬のお野菜だけを食べることは難しいと思います。でも、内田さんのお話の中で、少しでも自分の生活に活かせることや、変えていけることを探しながら、生きていきたいと思いました。

 それでは、お客様のアンケートの中から、一部をご紹介致します。


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・今まで大きな野菜の方がお得感があって買っていたけど、小さくても、どっしりと重いものが良いと聞いてビックリ! これからは、じっくりみて選んで買います。

・とてもためになりました。今まで、知らないことを沢山教えてもらえてよかったです。ありがとうございました。

・旬の本当の意味を知ることが出来ました。

・旬について、いつも気にはかけているものの、実際はよく分かっていませんでした。野菜についてもっと、知りたくなりました。ありがとうございました。

・土の中にミミズがいたらよくないとのこと。私のところには結構いるので、印象に残りました。

 →よくミミズのいる土壌は、良い土であると言われていますが、自然栽培の考え方は、肥料を与えず、土の中で根が活発に微生物分解を繰り返して栄養分を蓄えているというものです。家庭菜園で、肥料を与えると野菜は大きく育ちますが、色々な害虫を呼び寄せてしまいます。野菜を食べにきているのではなく、肥料に吸い寄せられているので、本当に自然の力だけの土壌には、ミミズもいないそうです。(ミミズが害虫という意味ではありません)

・すごくためになりました。ラタトゥユは良く作りますが、冬は余り作りませんでした。色々な野菜をいれ、作るようにします。


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・大きな野菜は細胞肥大していること、旬の野菜は、切り方をかえると味が変わることが発見でした。

・本物の野菜とは何かをききたくて来ました。旬の野菜の定義自体、自分の思っていたものと違って驚きました。

・次回、セミナーを開催いただけるのであれば、調味料についても、こだわりのものを教えて頂きたいし、魚、肉についてもお話をうかがいたいです。

・季節感がなくなり、いつが旬か分からなくなって来ていて、これまで、いかに間違った選び方をしているかが分かりました。

・野菜の保存方法についても知りたい。

 →野菜は、採れたてのものを、出来るだけ早いうちに召し上がって下さいというのが内田さんのご意見です。収穫した後から、生命が終わり、死に向かっています。一時期、「野菜の50度洗い」がブームになったときがあります。野菜を水ではなく、50度のお湯で洗うことで元気に蘇るという説でした。しかし、私たちがお風呂に入ったときに毛穴が開くのと同じで、その温度で野菜の気孔が開き、新鮮に感じるというものです。しかし、本当は、野菜が蘇生している訳ではないということです。美味しいように人間が錯覚しているだけです。人間がお風呂に入って、細胞が若返ることはなく、野菜も同じです。3日も、4日もたって鮮度が落ちたものを、そういう洗い方で対処しようと考える前に、鮮度のよい野菜を買って、それを食べることを考えるべきでしょう。

・有機栽培の落とし穴。今、畑をかりて野菜作りをしているので、ショックでした。

 →病害虫は、化学肥料であろうと、有機肥料であろうと肥料に寄ってきます。自然界では、異物である肥料を虫などが食べることによって、元の自然の姿に戻そうとするからです。有機野菜は、無農薬ではなく、JAS規格を取得するためには、許可されている肥料と農薬を使っていることになります。

・先生の熱い思いがすごい! 野菜に対する愛情を感じます。

・野菜の目利き8箇条。今まで、自分が選んできたことが、ずべて違っていたことを知りました。

・野菜中心の食事を心がけていりゅので、おてもわかりやすいお話でした。野菜を選ぶときの参考になりました。旬を大切にしたいと思います。ありがとうございました。


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・内田さんが、野菜をわが子のように”この子たち”と呼ばれていたので、とても愛情を感じました。「お母さん美味しいね。」「ありがとう。そういう季節だね。」という食事の時の会話や、次世代に種を残そうとする野菜は女性的というお話が印象的でした。

・野菜について、もっと深く知りたくなりました。

・いつもテレビで拝見している内田さんのお話を、目の前でとても楽しくお聞きすることが出来ました。

・旬の野菜を食べなくてはいけないと自分も思っていました。野菜の切り方について、新しい発見でした。

・ありがとうございました。また、参加したいです。家に帰って、楽しい食事を作ろうと思います。

・常にスーパーに並んでいる野菜が多い為、旬のものを食べるということを意識したことがありませんでした。

・旬のものを食べれば、サプリメントはいらない。もともと、サプリメントには疑問をもっていたので、やはりそうなんだと確信がもてました。知っているようで知らなかった旬の野菜を、少しですが知れて良かったです。

・色々な本当のことを知りたい。情報が多くて何が真実なのか分からなくなることがあるが、今日の話をきいて、自分でも多少、判断が出来るようになったと感じました。

・今まで、間違った野菜選びをしていました。今後の買い物にも活かせそうです。90分間は長いかも?と思いましたが、あっという間でした。ありがとうございました。

・すぐには内田さんのいうような食生活には出来ませんが、より良い選択が出来るように頑張ろうと思いました。四季を大切にしていきたいです。

 実際には、このレポートに書ききれていない内容が沢山、あります。文章にすると、読者の皆様に誤解を与えてしまうかも?という懸念から、敢えて割愛させて頂いた部分もあります。ですが、ご参加頂けなかった方にも、内田さんのお人柄の一部や、経験に裏づけされた知識、探究心が伝われば、嬉しいです。

 僕自身も、今年、家庭菜園を始めたばかりでしたので、衝撃的な内容もありましたが、あるお客様がおっしゃられていたように、出来ることから取り入れていけたらと思います。

 最後に内田先生、はじめ、築地御厨のスタッフの皆様、日本食育コミュニケーション協会の皆様、とても有意義な時間をありがとうございました。御礼申し上げます。

 「やさい塾」に参加をご希望の方は、こちらからお申し込み下さい。(但し、8月、9月はお休みですので、次回は10月4日とのことです。)
 

posted by ワイズマン at 11:51| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 食育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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