2014年10月31日

2014年10月28日に愛媛西宇和みかんの産地視察に行ってまいりました

2014102808.jpg

 10月28日、29日の2日間をかけて、今年も愛媛みかんの産地視察に行って参りました。

 正直な話、今年は、台風が四国を何度も上陸していること、9月〜10月に販売されていた極早生(ごくわせ)みかんの出来が、あまり良くなかったことから、とても心配していました。

 それでは、10月28日に訪問した西宇和みかんについてレポート致します。

 最初に、JR八幡浜駅に隣接するJAにしうわの本店様にて今年の概況をご説明頂きました。

 今年は、7月末に11号、12号の2つの台風が襲来しました。そのために、平年だと8月は、130mmぐらいの雨量なのに、今年は、280mmと、倍以上の雨が降りました。また、日照時間が、平年の7割以下と少なく、糖度への影響が大きくなりました。本来なら糖度、酸度が伸びる時期に台風がきてしまったために、とても心配な生育状況でした。

 また、8月後半の雨量の影響で、水を多く樹木が吸ったために、減酸は進みました。これが、極早生みかんの味がぼけていた理由です。

 ところが、9月7日から1ヶ月弱は、雨量が少なく、みかんの樹木にストレスがかかり、糖度が進みました。

 参考としてですが、みかんの糖度は、月と同じであれば甘いとなるそうです。例えば、9月のみかんは、糖度9度以上、10月は10度以上といったように。9月5日時点の糖度は、平均で7.76度と過去5年間で最低の値でしたが、9月20日時点で平均8.11度、10月5日時点で平均9.06度と急激に回復しています。勿論、農家の皆さんの色々な努力のお陰なのですが、それについては、後々、ご紹介致します。

 今年の極早生みかんの出来があまりよくなかったのは、この糖度回復の期間が無かったからと言えます。

 概況をご説明いただき、川上共選所(農家さんが果物を運ばれてきて、その果物を選別する場所)に移動しました。


2014102824.jpg

 これまでは、西宇和の複数の共選所及び園地を視察しておりましたが、今年から、1つの共選所とその園地をじっくり視察することになりました。今年は、「味ピカ」という黒箱みかんで有名な川上共選所でした。

 川上は、おだやかな内海に面していて、温暖な気候です。土壌は、火成岩である緑色千枚岩を中心とする母岩の風化によってできており、耕土は浅く排水は極めて良好です。みかん栽培に適した条件と生産者のたゆまぬ努力がミックスされて糖度と酸度のバランスのとれたおいしい「川上みかん」が生まれています。


2014102802.jpg

 共選所に到着すると、入り口のところで、農家様向けに勉強会が開催されていました。これから収穫時期に入るため、川上共選所としての、みかんの品質基準について、見本を示して確認して頂いています。


2014102803.jpg

 選別の基準は、センサーによる糖度、玉の大きさなどの他に、着色、傷、黒点、アザミウマ類(害虫)、腰高、などの分類毎に、細かなランク付けが示されています。


2014102804.jpg

 着色は、どれぐらいあれば良いのか。


2014102805.jpg

 どれぐらいの傷だったら、どういうランクになるのかといったことが、示されています。

 昨年、訪れたときも、同じ光景に出くわしたのですが、毎年、きちんと繰り返すことで、品質を維持されているのだと思います。

 川上共選様で、最高ランクのみかんは、「味ピカ」という黒箱みかんですが、みかんが生っている時にすれて傷ができてしまったけど、美味しさは「味ピカ」と同じ品質というみかんを「風」というブランドで販売されています。農家の皆さんとしては、「味ピカ」として販売出来るみかんを作るために日々、頑張っていらっしゃるのですが、その品質の高さから、「風」ブランドのみかんも出てきます。昨年は、ワイズマートでも、「味ピカ」は勿論のこと、「風」にもお客様の人気が集中しました。あくまで私見ですが、「風」の見た目は、それほど悪くありません。それでいてコクがあって、美味しい。人気が出るのも当然です。


2014102813.jpg

 川上共選所様でも、みかんについての詳しい概況を伺ったのですが、実際に園地を複数個所視察しましたので、その画像をご覧頂ながら、お伝えしたいと思います。

 上の写真の赤い屋根の建物が、川上共選所です。穏やかな内海に面した場所にあります。海岸線からみかん栽培限界線である標高350mの急傾斜地に石積みした階段畑にみかん園が広がっています。


2014102809.jpg

 標高200mぐらいの園地から、眼下にひろがるみかん畑を写しました。写真を見ると分かるのですが、陰が全くありません。太陽の光が、満遍なく、みかんに降り注いでいます。


2014102812.jpg

 産地視察したことを示す集合写真を撮影したのですが、太陽の光がまわり過ぎていて、上手く撮れませんでした。


2014102810.jpg

 この写真が、現地で体感した光の状態に近いです。

 これだけ、お日様の光を浴びたら、美味しいみかんが育つのも納得がいきます。


2014102807.jpg

 そして、実際に試食させて頂きました。11月に入ってからお店に並ぶ早生みかん。12月中旬ぐらいまで販売されるみかんを早生みかんといいますが、こちらの品種は「宮川早生」といいます。特に西宇和の「宮川早生」は、じょうのう膜(袋)が薄いのが特徴です。みかんの美味しさには、糖度、酸度のバランスもあるのですが、更に食感も重要です。仮に糖度に1度の差があったとしても、食感の違いで美味しさは逆転することもあります。

 試食した感想は、本当に美味しい。極早生みかんで、味がぼけたみかんしか食べていなかったので、余計に美味しく感じました。この味が、みかんだよねと思える美味しさでした。若干、減酸が進んでいると感じましたが、甘さは十分。9月途中まで、糖度がのっていなかったというのが嘘のようです。


2014102814.jpg

 また、今年は、9月に入り、気温が下がったため、色付きも例年以上に早いそうです。


2014102816.jpg

 ここで、ちょっと話題をかえまして、川上が、他の西宇和の園地よりも進んでいるところをご紹介します。

 川上の園地が、太陽の光をより多く受けていることは、先にご説明しました。その弊害?として、夏季において、ずっと昔から、干ばつの影響を受けていました。みかんは勿論のこと、飲料水まで枯渇した年もあり、そのような状況から脱するために、昭和51年から57年にわたり、国営用水事業と連動して、全園地に多目的スプリンクラーを導入しました。

 急な斜面を人手を使わずに、散水出来ますし、農薬も、このスプリンクラーを使って散布することが出来ます。また、スプリンクラーによる農薬散布を効果的にするために、果樹の高さ、間隔などに基準が出来たことで、より太陽の光を浴びやすく、また、摘果(余計な実を落とすこと)、剪定、収穫の効率面でも寄与することになりました。(スプリンクラーは、園地が海に近いため、塩害回避のための散水でも利用されます。)


2014102817.jpg

 勿論、急な斜面にある園地ですので、場所によっては、一日中、太陽の光を浴びている園地ばかりではありません。そういう園地では、マルチというシートを敷いて、太陽の光を地面から反射するように改善されています。


2014102820.jpg

 このマルチの園地の直ぐ隣に、当日、色々とお世話になった正本さんの園地がありました。道1つ隔てているだけですが、マルチは敷かれていません。「今はお日様を浴びていないけど、朝は沢山、光を浴びている園地なんです。マルチを敷くと、水はけが悪くなるので、敷いていません。」とのことでした。ちょっと区画が異なるだけで、また、農家の皆さんの経験から、色々と工夫され、そしてノウハウがあるんだなぁと感じました。


2014102818.jpg

 「是非、召し上がってみてください。」と頂いたみかんを口にいれた途端。先ほど頂いたみかんより、更に美味しい! 「まぁ、これぐらいで勘弁して下さいよ。食べれるでしょ?」とご謙遜されていましたが、1日中、お日様を浴びていない園地でも、これだけのみかんを作れるんだよという誇りが伝わってきました。


2014102822.jpg

 産地視察した全員が「うまい!」「甘い!」「美味しい!」を連呼している様子をみて、正本さんの横顔が嬉しそうに輝いていました。


2014102823.jpg

 話が前後してしまいましたが、正本さんの園地の海に面した側面にあった防風の木です。川上の園地の海に面した園地で、多く見かけました。

 天候は、神様頼りかもしれません。でも、美味しいみかんを作るために、人が出来ることは貪欲に対応しておく姿勢。1年の収入を、このみかんにかけている農家の皆様。特に西宇和は、みかんの生産比率が95%ととても高い産地です。それだけ一生懸命、愛情を込めてみかんが作られているのです。


2014102801.jpg

 <おまけ>

 川上共選様からお話を頂いたのですが、今年からの新しい試みとして、「世界に広げよう! クリスマスオレンジ」という活動を開始されるとのことでした。

 温州みかんは、日本が原産の果実です。海外へも多く輸出され、そのうちの約70%がカナダへの輸出。というのも、昔、カナダでは冬場に食べられるフルーツがなかったため、温州みかんは、「聖なる果実」と言われ、クリスマスシーズンの到来を告げる風物詩となっています。

 日本原産のみかんが、遠くカナダでは「聖なる果実」と言われているなんて、何て嬉しいことでしょう。

 そんな素敵なみかんを、それも「とっておきの愛媛のみかん」を一人でも多くの方に味わってもらいたい。

 世界に広げよう!「クリスマス オレンジ」

 という活動です。

 ワイズマートでも、クリスマスパッケージのみかんを、少しでも販売出来たらいいなぁと考えています。


2014102830.jpg

 詳しい活動内容につきましては、こちらからご覧頂けます。


2014102806.jpg

 また、クリスマス オレンジに関連して、「ハートみかん」を作成している園地に多く出会いました。

 みかんには、少し可哀想ですけど、ハートの形をしたみかん。小さなお子さんも大喜びしそうです。

 次回は、10月29日に視察した越智今治について、レポート致します。


posted by ワイズマン at 19:06| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。