2015年10月01日

長野の産地視察に行ってきました

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 昨年に引き続き、9月16日に長野県に産地視察に行って参りました。

 今回の目的は、葡萄とリンゴの成育状況の把握と、色々な新しい試みについてを教えて頂くことでした。


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 最初に訪問したのが、JA須高様です。その中で色々な取り組みをされている「株式会社フルーツファームすこう」の藤沢さんに、1日、ご案内頂きました。


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 藤沢さんは、昨年、訪問した時に出会った「シャインマスカット」のドライフルーツを作られたり、1つの枝から2つの房にするなど、新しい試みにチャレンジされているばかりではなく、高齢化に伴い耕作放置が進む中、若い世代が移り住んでこられて果物をつくることを技術的に後押しされるなど、精力的に活動されています。

 昨年のレポートはこちらからご覧下さい。


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 産地視察に行った本部バイヤーも、藤沢さんのお話を漏らさぬようにメモをとります。


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 農家の皆さんに指導されるときのご苦労や、新しく移住されてきて果物栽培をされる方々について、夢と現実のギャップに負けないようにきちんと利益をあげられるように働きかけていらっしゃることのお話がありました。その他にも、ここには書けないこともありますが、自由闊達に質疑応答が繰り返されました。


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 こちらが、藤沢さんが手掛けられているもう1つの柱の商品開発の本拠地です。


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 昨年は、施策段階で、販売数は微量だった「シャインマスカット」のドライフルーツも、商品パッケージを含め完成し、出荷されていきます。


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 詳しくは企業秘密とのことですので分かりませんが、何日もかけてドライフルーツにするのではなく、温度等の条件を時間とともに微妙にコントロールすることで、数日でドライフルーツになるそうです。この「シャインマスカット」のドライフルーツは、本当に美味しくて、完全なドライというよりも、少しジューシーさを残しており、食べ終えた後に、ほのかに焼き芋のような味覚が残ります。干しぶどうとは、全く違う美味しさがあります。是非、どこかで見つけたら、お買い求めになり、召し上がってみて下さい。そして、この美味しさを、ご家族やご友人と共有して下さい。


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 その他、リンゴのストレートジュースなども商品化されています。果汁100%ジュースの世界は、大きく、ストレート果汁と、濃縮還元の二種類があります。

 前者は、果物を絞ったままの100%果汁。後者も、果物を絞るまでは一緒ですが、水分を蒸発させて、果汁を固形化し、あとで加水してジュースにしたものを指します。例えば、フロリダ産のグレープフルーツジュースを液体のまま運ぶよりも、水分を蒸発させたほうが、沢山運べるので、その分、コストも少なくなり、お値段も安くなります。


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 濃縮還元のジュースがマズイというのではありませんが、ストレートジュースは、果物をそのまま飲んでいるような実感があります。素朴なんですが、美味しいといった感じでしょうか。


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 続いて、藤沢さんの園地を訪問させて頂きました。

 ここまでに書いたとおり、藤沢さんは、移住されてきた方々の農作の支援、果物を使った商品の開発の他、新しい葡萄の栽培方法の実験、普通では発想されない1つの枝から2つの葡萄の房をとってしまおうといったような実験の他、ご自身も農家として葡萄や、りんごを栽培されているというから、驚きです。

 「実際の栽培は、パートの皆さんなどのご協力があるので、大変ではないですよ」とご謙遜されていましたが、そのバイタリティーには驚きを隠せませんでした。

 話が少し脱線してしまったので、藤沢さんの園地で出会ったことを幾つかご紹介致します。


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 こちらは、珍しい品種のぶどう「ゴルビー」です。(間違っていたらごめんなさい)ピオーネの赤系のぶどうです。成熟すると淡いピンクになります。


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 とても美しいピンクです。


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 藤沢さんが、特別にご自身でつくられた「ナガノパープル」を食べさせて下さいました。ナガノパープルは、巨峰とリザマートを両親に、市内にある長野県果樹試験場で育成された新品種のぶどうです。市場に出たのは平成17年とまだまだ最近ですが、種がなく、皮まで食べられる手軽さと美味しさから急激にひろまっている品種です。


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 巨峰に勝るとも劣らない糖度ながら、「さわやかな甘さ」が特徴で、みんなで頂くと、そのあまりの美味しさに、あっという間に粒が無くなっていきました。

 ここで、藤沢さんから1つ質問がありました。「ぶどうの甘いのは、上の方と、下の方どちらでしょう?」

 イチゴなどの果物は、先端の方が甘く、葉がついている側は糖度が低くなるので、ぶどうも先端の方かな?と思ったのですが、それは間違いでした。太陽を多く浴びている房の上の方が甘いとのこと、試しに上の粒と、一番下の粒を食べ比べたら、全然違いました。

 今年の栽培状況についてですが、天候がとても悪く、果芯がとても短いものが多く、急激な雨により肥大した粒は割れてしまうといったように、とてもご苦労されたそうです。そういった中でも、これだけ美味しいナガノパープルを作られるんだから、凄い方だと思いました。また、色々な実験や、栽培方法の試みをされている様子から、農家さんというよりも、技術者なんだなぁ〜と思いました。


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 藤沢さんの園地で教えて頂いたことパート2。

 この写真は、園地にあったぶどうです。通常は、100粒ぐらいある粒を間引いて30〜40粒ぐらいにします。これを残したままだと、粒同士がぶつかり合って割れたり、いびつな形のブドウになってしまいます。


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 こちらが、粒を間引いて実が大きく実っているものです。赤丸で囲まれた部分が、間引かれた箇所です。もし間引かないと吊るの上の部分まで葡萄が実った状態になるんですね。

 一見すると沢山の粒が実っている方が、重さも増えるし、高く売れると欲が出てくるそうですが、美味しいぶどうを作るためには、実の数や、全体の房数なども、適量にしないと駄目なんですね。


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 こちらは、藤沢さんのりんご畑です。最近流行の新わい化栽培 (高密植栽培)ですね。

 新わい化栽培は、M9ナガノという台木を使いリンゴの樹の樹勢を弱く、小型化し樹間幅を(60a〜1b)狭くする事で面積当たりの樹の本数を多くでき、収穫量を増やす事ができます。日当たりも均等化されるので、安定した品質のりんごが出来ます。また、通常の木よりも、早く実をつけるようになるため、新品種への切り替えも早く対応出来るメリットがあります。


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 そして、藤沢さん以外の農家の方のりんご園地も視察させて頂きました。

 全体的に色づきもよく、大玉傾向のように見えました。


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 シナノスイートも、まだ収穫の1ヶ月前の状態ですが、順調に成育しています。


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 その一方で、「日焼け」状態のりんごも幾つか散見しました。(写真の赤丸部分)

 昼夜とも高温のまま収穫期を迎え、着色は物足りないまま熟してきています。また、いわゆる「日焼け」が発生した果実が多く、状態がひどいものもあります。温暖化といってよいのかわかりませんが、夏のリンゴ栽培の難しさを感じます。厳しい自然条件の中、精一杯出来ることをして、リンゴを栽培する農家の皆様の努力には、頭が下がります。


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 今年も、最後に農家の関野さんのお宅にお邪魔して、自分の田舎に里帰りしたぐらい、落ち着いたひとときを過ごさせて頂きました。関野さんは、自分の出来る範囲で、お得意様を大切にされてぶどうを販売されている農家さんです。毎年のようにリピーターとなり、ご注文下さるお客様に、今年はお断りをされているとのことでした。

 「今までの中で、こんな年は初めて。果芯は短いし(ぶどうの粒と茎をつなげている芯の部分)、玉割れもひどい。お客様の信頼があるから、お断りしているんです。」

 道楽で農家をしていると仰るのとは裏腹に、そのプライドの高さと、お客様の信用を裏切らないという姿勢に感銘を受けました。関野さんのお宅で頂いたぶどうは、とても美味しいんです。ただ、昨年と比べて見た目が少し悪かったり、確かに玉割れも多いかもしれない。でも、これが許せないんだなぁと思いました。

 このように愛情を込めて、天候とたたかって、その年に出来る最善を尽くして作った農産物を、販売する側としても、一消費者としても、無駄にしてはいけないと感じました。
posted by ワイズマン at 19:57| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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