2016年11月24日

青森のりんごの産地視察に行って参りました

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 2016年11月22日〜23日に青森県のりんごの産地視察に行って参りました。

 今日の東京は、観測史上初の11月の雪とのことですが、この日の青森は、比較的暖かく、気持ちが良いお天気でした。

 前回が、2013年でしたから、3年ぶりの訪問となります。


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 まず最初にJA津軽みらいの平賀選果場にお邪魔致しました。

 前回訪問した場所と同じです。


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 選果場とは、これまでも何度かご説明しておりますが、農家さんが収穫し、運ばれてきた果物を、傷はないかどうか、形は整っているか、大きさは?、甘さは? みたいに品質によって分別するところです。


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 奥に進むと分厚いビニールのカーテンがあり、その先には、美しいりんごが貯蔵用の箱に詰められてありました。こちらは、選果される前の箱に入った状態です。


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 奥に進むと分厚いビニールのカーテンがあり、そこを越えると一気に室温が変わります。寒い中ですが、りんごの甘くて爽やかな香りに満たされているので、まるでりんごを食べているような幸せな感覚になりました。


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 写真に写っている人の大きさと比べると分かりますが、収穫されてたりんごの箱が、とても高く山積みされています。


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 選果の流れを簡単にご紹介します。

 最初に人が、りんごの外観をチェックします。外観が悪いりんごは、そこで取り除いていきます。


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 次に糖度センサーを通して、りんご1つ1つをチェックしていきます。


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 糖度センサーには、色々なタイプがありますが、センサーの横についている画面を見ると、「糖度」、「蜜」、「褐変(かっぺん)」、「水浸」といった項目が見えます。りんごを切らなくても、これらの情報が瞬時に計測され、記録されています。


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 糖度センサーを通過すると、各階級や品質の違いでレーンが分かれていますので、流れてきたりんごを、箱に詰めていきます。


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 選別されたりんごは、コンテナ毎に、貯蔵りんごの部屋で保管されます。
低酸素で、この部屋全体は窒素で満たされています。人がこの部屋の中に入ると数秒も耐えられないぐらい、酸素濃度が薄いそうです。


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 小さな覗き窓からみると、コンテナが整然と管理されていることが分かります。この部屋との出入口は、二重扉になっていて、倉庫内に酸素が入らないように自動管理されています。


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 モニターから、欲しいりんごを選択すると、数分後に目の前に対象のコンテナが運ばれてきました。


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 今回、出して頂いたものは、「群馬名月」というりんごです。

 りんごにも、旬があって、多くのりんごは貯蔵には向いていません。年内に収穫が終わるりんごが、翌年も食べられるのは、こういった設備があるからなんですね。


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 選果場の横では、トラックに積み込まれるりんごの箱が沢山ありました。これまでも、台湾などへの輸出が盛んでしたが、更にベトナムにも拡大されているそうです。どれだけ、日本のりんごの品質が認められているかが分かります。


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 次に、りんごの園地に行きました。

 ちょうど、訪れた時間帯は、西日を受けてりんご農園が輝いていました。


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 16日が、雪予報が出ていたこともあって、各園地では、りんごの収穫が一斉に行われていました。


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 訪問させて頂いた園地でも、青いカゴに沢山のりんごが収穫されています。


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 今年のりんごは、小玉傾向とのことでしたが、この園地のりんごは、とても大きかったです。


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 太陽を受けて、りんごの葉もキラキラ輝いています。本当に見るからに美味しそう。


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 あまりに美味しそうに見ていたからか、園地の方が、1人1個、好きなりんごを獲って食べていいよと仰って下さったので、みんな喜んで頂きました。


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 食べる前に、りんごを持ち比べてみて、蜜が入っているかどうかを、当てっこしました。ここで分かったことなのですが、蜜が入っているりんごは、比重が高いのか、ずっしり重くなっています。偶然、僕のりんごは重くて、食べてみると、本当に蜜が多く入っていました。たぶん、これまでの人生の中で一番蜜が入ったりんごでした。


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 JAの職員の方のお話によると、雪が降って気温が冷たい日や、雨が降ったり日が続くと、蜜入りが多くなるそうです。


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 園地の近くには、このようなボードも掲示されており、産地全体で誇りと自信を持っていることが伝わってきました。


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 そして翌朝、りんご市場に競りの見学に行きました。木箱にりんごが詰められています。


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 この市場には、巨大なスペースが3箇所ありました。この日の取引量は、52,500箱ありました。


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 スペースの端から、仲買人さん達が競りをしていきます。


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 1列に100箱ぐらい並んでいるのですが、ほんの数分で競りが完了していきます。


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 見学していると、素人の僕には、全く分からない手のジェスチャーと掛け声で、次々に決まっていくのが、驚きでした。

 値段的には、1箱千円のものもあれば、1箱1万円以上のものまでありました。1つのスペースの競りが終わるのにかかった時間は、30分ぐらい。52500個×仮に1箱5000円=2億6千万円の取引が目の前で展開されていたことになります。


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 競りを終えたりんごの木箱は、直ぐに購入された仲買人さんに運ばれるべく、準備されていました。

 1年中、食べることが出来るりんごですが、収穫時期は限られており、その後は、貯蔵したりんごを、少しずつ出荷することで、食卓を楽しませてくれています。生産技術などは大きく変わりませんが、輸出が増えたり、やはり、状況は前とは違っているのだと思います。
ラベル:青森りんご
posted by ワイズマン at 16:31| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大変勉強になりました。スーパーでは必ず置かれているリンゴ。
食べたい時に必ずある果物はリンゴとバナナ。
沢山の工程
Posted by 湊いのり at 2023年08月15日 13:17
ご覧頂きありがとうございます。
果物、野菜には旬があり、産地を変えながら収獲されていきます。りんごの場合は、基本、秋に収穫されるものなので、長期貯蔵に向いた品種だけを窒素が充填された部屋で管理しています。ですので、今頃のりんごは、貯蔵りんごだけとなります。よく切ってみたら、中の芯が黒くなっていたということがありますが、こういう貯蔵の背景があります。
Posted by ワイズマン at 2023年08月15日 14:13
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