2008年05月10日

センスだけでない、技術の裏付け

 勝沼醸造様のワイナリーレポート第3弾です。

 車で勝沼を走らせていると、軽井沢や清里のペンションのようなお洒落な外観で、オリジナルのワインを販売されているワイナリーさんを、多く見かけます。手作り感が出ていて、大変、親しみを覚えます。

 一方、ワイズマートのバイヤーが良く口にするのですが、「ワインは農業製品であって、工業製品ではありません。だからこそ、造る年によって出来も違うし、味も変わります。でも、世界の優秀なワイナリーはみんな、センスだけでワインを造っていません。必ず、最新の設備を導入して、データの検証をし、ワインの出来を安定させる努力を惜しみません。そこにワイナリーのセンスが導入されて初めて、よりおいしいワインが造られるのです。」


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 今回、勝沼醸造様が特別にワインの工場をご案内して下さいました。どのようにして品質を維持し、また向上されているのか、その一部をご紹介させて頂きます。


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 勝沼醸造様は、2005年に元アサヒビールワイナリー生産設備を取得されました。これは、より良いワイン造りをするための投資です。製造責任者の平山さんが、情熱を持って働かれている場所でもあります。工場の敷地内で、お花見しながらバーベキューを愉しまれたりするそうで、自然に囲まれた理想的な環境です。


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 まず最初にご案内頂いたのが、品質チェックの部屋。こういった分析器具は、とても高価で、中小規模のワイナリーさんで、ここまでの設備を持たれているところはないでしょうとのことです。


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 こういうのを見ていると、学生時代を思い出します。地道なデータ分析による品質の向上と、もう一つ大事な品質の維持。教科書があるわけではないので、大変だと思いますが、データとしてのノウハウの蓄積が重要です。


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 続いてご案内頂いたのが、樽発酵の場所です。圧巻ですね。


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 樽一つとっても、色々な樽メーカーのものを使用したり...。


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 わざと一度、使用されたワイン樽を使ってみたり、絶えず試行錯誤を繰り返しているそうです。


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 こちらは、売り物ではない樽発酵中のワイン。「アルガブランカ・イセハラ」でも実証済ですが、同じ甲州種ブドウでも、畑によって全く異なるワインが出来上がります。そういった個性(テロワール)の追求は、絶えず続いているわけで、自社畑は勿論のこと、Aさんの畑のブドウ、Bさんの畑のブドウといったように、畑単位にオリジナルのワインを熟成し、テロワールを追求されています。その違いはどこから生まれてくるものなのか、センスとデータの両面からの追求がされています。
 確かに幾つかテイスティングさせて頂いたのですが、その違いに愕然とします。


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 続いてステンレスタンクのご紹介。以前は、タンク上部も完全密閉されていたそうです。平山さんは、タンク上部を特注の落し蓋に変更。発酵状態の確認をステンレスタンクの下部のみで確認するのではなく、必ずタンクの蓋を開けて確認するように指示されているそうです。確かに大きなタンクの場合、上下両方で確認した方が、合理的だと思います。


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 ステンレスタンクからも、ティスティング。日々チェックされるのですから、大変ですね。ワインは、生き物だと改めて思いました。


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 こちらは、滓引きの為の棚。「アルガブランカ ブリリャンテ」という甲州ブドウのスパークリングワインを造っている過程です。もっと一度に効率的にする方法や、機械化することも出来るのですが、1本1本手で回すことで、愛着が湧いてくるのかもしれませんね。


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 良く見ると、瓶底に黄色のマーカーが塗られています。回したときの目印にしています。回すだけでなく、角度も徐々に変えていくそうです。

 次回は、瓶詰めされたワインが、どこに貯蔵されているのかについてレポート致します。
posted by ワイズマン at 09:47| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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