2017年07月27日

福島の桃の産地視察に行って来ました!

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 ワイズマートでは、今年も山梨県加納岩産の桃『ぴ〜一番』を、オススメの桃として販売しております。

 今回は、桃のもう1つの名産地である福島の園地を視察に行って参りました。僕自身は、今年は加納岩の園地には行っておりません。(バイヤー及び別の担当者は、今年も加納岩に伺いました)

 それでは、桃についての豆知識と、『山梨県加納岩の桃』と『福島県の桃』の違いにフォーカスしてレポートさせて頂きたいと思います。


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 2017年7月25日園地にて記念撮影。園地をご案内下さったJAふくしま未来の齋藤さん、当社バイヤー、卸関係の皆さんです。

 さて、まずは桃に関する豆知識。これまでも、ワイズフォーラムでレポートさせて頂いた内容となります。

 桃と一言で言っても、大きく2つに分かれます。

 1つは、果肉が柔らかくジューシーな『白鳳系(はくほうけい)』と果肉がしっかりとした歯ごたえのある『白桃系(はくとうけい)』です。

 また、桃には、とても多くの品種があり、7月上旬から8月下旬ぐらいにかけて1週間ぐらいの間隔で品種が切り替わって収穫されていくというイメージです。


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 特に加納岩でオススメしていたのが『白鳳系』の桃です。勿論、加納岩にも『白桃系』の桃も存在します。

 一方、福島の桃というと、僕の中では、加納岩の白鳳系が終わったぐらいから、お店に並びだすというイメージでした。その点についても、今回は、確認しております。


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 いきなり、園地の写真です。

 この園地を見た瞬間、加納岩との違いに気付きました。違いについては、後述しますが、まずは、今年の福島の桃の概況についてお知らせします。

 今年は、東京も空梅雨でしたから、何となく予想は出来たのですが、実際のデータを拝見してびっくりしました。7月の1〜5日に28ミリの雨が降った限り、6日〜15日までは、全く雨が降っていません。昨年比だと約1/3しか雨が降っていません。また、気温も高い。最低気温は、昨年が20度以下なのに対して、今年は22度〜25度。最高気温も、昨年は27度なのに今年は、29度〜35度もあります。

 JAふくしま未来の齋藤さんのお話によると、最高気温が30度を超えるようになると、桃の木も、実よりも、本体の木自身を守るようになってしまうので、果実まで養分が行かなくなってしまうそうです。

 福島の園地では、『はつひめ』、『日川白鳳』、『暁星』といった白鳳系の桃が、7月上旬から中旬ちょっと過ぎぐらい迄に収穫されます。雨不足による干ばつの影響で『日川白鳳』で前年3割減、『暁星』で前年2割減という状況とのことでした。

 このままだと福島の桃でメインの『あかつき』、『まどか』が心配だったのですが、産地視察で訪れた7月25日の前日から、ちょうど良い感じの雨が降り、最高気温も29度ぐらいになりました。この二つの要因により、桃の玉サイズも大きく、甘い桃になりそうと一安心とのことでした。


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 さて、園地に入って一番に感じた違いについてレポートします。

 僕は、素人なので間違っているかもしれませんが、加納岩の園地と比べて、明らかに葉のついている量が違います。


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 こちらが、過去に訪れた加納岩の園地の様子です。桃にも太陽の光を多く受けるために、ある程度の葉は残しつつも、空が見えています。ですから、園地に入り、桃の木を見ても、赤い桃の実が所々に見えていました。


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 先ほどと同じ写真で申し訳ないですが、福島の桃の園地は、外から見ても桃が殆ど見えません。桃の葉で覆われている感じです。


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 でも、木の下に入ってみると、桃がたわわに実っています。

 また、今回視察した桃の品種は、『あかつき』という白桃系の桃ですので、そういった違いがあるのかもしれません。加納岩の『白鳳』のように袋も被せていません。

 後で調べた結果、袋をかけるかけないの違いは、桃の品種にも依存することが分かりました。袋をかけないと桃の実に亀裂が入ってしまう品種もあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、袋をかけない方が甘みのある品種を栽培することが可能ですが、その分、見た目でリスクを負います。有袋は、桃の表面を強風や強い日差しから保護しますので、自然の傷や亀裂などを最小限に抑えることが可能ですが、甘み、旨みでやや劣るそうです。

 この園地では、『あかつき』、『まどか』は、無袋で栽培されています。


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 桃の葉の数が多い理由には、桃の果実に袋をかけないから、強風や強い日差しから保護する目的があるのかもしれません。また、葉が多い方が、光合成する量も多くなるため、それだけ桃の果実に養分が行き届き、美味しい桃になるそうです。

 JAふくしま未来様としても、農家の皆さんに美味しい桃を栽培するための指導をされているそうです。実がしっかりしているものを選び、それ以外の果実は摘果(枝から落とすこと)し、収穫時期についても細かく伝えています。

 葉と葉の隙間からは、太陽の輝かしい光が降り注いでいました。


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 また、地面には、反射シートが敷かれているところは、加納岩と同じでした。

 果物って難しいなぁ〜と思うのは、品種の違い、その風土の違いなどにより、最適解は異なるということです。また、単純に機械化の作業に出来ないため、全ての作業工程に人手を要するということです。視察させて頂いた園地の広さは、1町歩(ちょうぶ 約3000坪)あるとのこと。見渡す限り、桃の木ばかり。勿論、『あかつき』だけではなく、『川中島白桃』といった有袋が必要な桃など、多数の品種を栽培されており、その品種毎に適した栽培をされています。実際に農家の方にはお会い出来ませんでしたが、手間を惜しまず、しかもこんなに広い園地を管理されていることには、頭が下がる思いでした。


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 この『あかつき』が収穫されるのは、8月5日ぐらいの予定です。その頃には、玉も大きく、赤々として美味しい桃に成長していると思います。ワイズマートでも、今年は、『あかつき』、『まどか』について品種をご紹介させて頂きながら、一番美味しい時期に大きく販売させて頂きます。


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2016年11月24日

青森のりんごの産地視察に行って参りました

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 2016年11月22日〜23日に青森県のりんごの産地視察に行って参りました。

 今日の東京は、観測史上初の11月の雪とのことですが、この日の青森は、比較的暖かく、気持ちが良いお天気でした。

 前回が、2013年でしたから、3年ぶりの訪問となります。


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 まず最初にJA津軽みらいの平賀選果場にお邪魔致しました。

 前回訪問した場所と同じです。


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 選果場とは、これまでも何度かご説明しておりますが、農家さんが収穫し、運ばれてきた果物を、傷はないかどうか、形は整っているか、大きさは?、甘さは? みたいに品質によって分別するところです。


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 奥に進むと分厚いビニールのカーテンがあり、その先には、美しいりんごが貯蔵用の箱に詰められてありました。こちらは、選果される前の箱に入った状態です。


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 奥に進むと分厚いビニールのカーテンがあり、そこを越えると一気に室温が変わります。寒い中ですが、りんごの甘くて爽やかな香りに満たされているので、まるでりんごを食べているような幸せな感覚になりました。


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 写真に写っている人の大きさと比べると分かりますが、収穫されてたりんごの箱が、とても高く山積みされています。


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 選果の流れを簡単にご紹介します。

 最初に人が、りんごの外観をチェックします。外観が悪いりんごは、そこで取り除いていきます。


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 次に糖度センサーを通して、りんご1つ1つをチェックしていきます。


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 糖度センサーには、色々なタイプがありますが、センサーの横についている画面を見ると、「糖度」、「蜜」、「褐変(かっぺん)」、「水浸」といった項目が見えます。りんごを切らなくても、これらの情報が瞬時に計測され、記録されています。


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 糖度センサーを通過すると、各階級や品質の違いでレーンが分かれていますので、流れてきたりんごを、箱に詰めていきます。


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 選別されたりんごは、コンテナ毎に、貯蔵りんごの部屋で保管されます。
低酸素で、この部屋全体は窒素で満たされています。人がこの部屋の中に入ると数秒も耐えられないぐらい、酸素濃度が薄いそうです。


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 小さな覗き窓からみると、コンテナが整然と管理されていることが分かります。この部屋との出入口は、二重扉になっていて、倉庫内に酸素が入らないように自動管理されています。


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 モニターから、欲しいりんごを選択すると、数分後に目の前に対象のコンテナが運ばれてきました。


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 今回、出して頂いたものは、「群馬名月」というりんごです。

 りんごにも、旬があって、多くのりんごは貯蔵には向いていません。年内に収穫が終わるりんごが、翌年も食べられるのは、こういった設備があるからなんですね。


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 選果場の横では、トラックに積み込まれるりんごの箱が沢山ありました。これまでも、台湾などへの輸出が盛んでしたが、更にベトナムにも拡大されているそうです。どれだけ、日本のりんごの品質が認められているかが分かります。


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 次に、りんごの園地に行きました。

 ちょうど、訪れた時間帯は、西日を受けてりんご農園が輝いていました。


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 16日が、雪予報が出ていたこともあって、各園地では、りんごの収穫が一斉に行われていました。


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 訪問させて頂いた園地でも、青いカゴに沢山のりんごが収穫されています。


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 今年のりんごは、小玉傾向とのことでしたが、この園地のりんごは、とても大きかったです。


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 太陽を受けて、りんごの葉もキラキラ輝いています。本当に見るからに美味しそう。


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 あまりに美味しそうに見ていたからか、園地の方が、1人1個、好きなりんごを獲って食べていいよと仰って下さったので、みんな喜んで頂きました。


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 食べる前に、りんごを持ち比べてみて、蜜が入っているかどうかを、当てっこしました。ここで分かったことなのですが、蜜が入っているりんごは、比重が高いのか、ずっしり重くなっています。偶然、僕のりんごは重くて、食べてみると、本当に蜜が多く入っていました。たぶん、これまでの人生の中で一番蜜が入ったりんごでした。


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 JAの職員の方のお話によると、雪が降って気温が冷たい日や、雨が降ったり日が続くと、蜜入りが多くなるそうです。


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 園地の近くには、このようなボードも掲示されており、産地全体で誇りと自信を持っていることが伝わってきました。


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 そして翌朝、りんご市場に競りの見学に行きました。木箱にりんごが詰められています。


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 この市場には、巨大なスペースが3箇所ありました。この日の取引量は、52,500箱ありました。


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 スペースの端から、仲買人さん達が競りをしていきます。


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 1列に100箱ぐらい並んでいるのですが、ほんの数分で競りが完了していきます。


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 見学していると、素人の僕には、全く分からない手のジェスチャーと掛け声で、次々に決まっていくのが、驚きでした。

 値段的には、1箱千円のものもあれば、1箱1万円以上のものまでありました。1つのスペースの競りが終わるのにかかった時間は、30分ぐらい。52500個×仮に1箱5000円=2億6千万円の取引が目の前で展開されていたことになります。


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 競りを終えたりんごの木箱は、直ぐに購入された仲買人さんに運ばれるべく、準備されていました。

 1年中、食べることが出来るりんごですが、収穫時期は限られており、その後は、貯蔵したりんごを、少しずつ出荷することで、食卓を楽しませてくれています。生産技術などは大きく変わりませんが、輸出が増えたり、やはり、状況は前とは違っているのだと思います。
ラベル:青森りんご
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2015年11月04日

2015年愛媛みかん産地視察 その2

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 2015年愛媛みかん産地視察レポートその2です。

 10月28日(水)の川上の産地視察を終えてから、その日のうちに今治に移動しました。

 そのまま、JAおちいまばり様を訪問し、越智みかんの状況をご説明頂きました。西宇和の川上と同じで、9月中旬以降、雨が降らず、27日が恵みの雨になったとのことでした。表年(おもてどし ※みかんは、隔年で沢山実る年と、少ない年がある果物です。今年は、沢山、実る表年となります)のため、昨年対比では、132%の収穫量となる予想とのことでした。


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 実際に試食させて頂いたのですが、じょうのう(みかんの房のふくろの部分)も薄く、酸味もあって美味しいみかんでした。園地で実際に試食するのが楽しみとなりました。


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 販売計画の資料を拝見して驚いたのが、レモンの生産量が多いことでした。普通、みかんと呼ばれる温州みかん全ての販売計画量が4,730トンなのに対し、レモンだけで780トンもありました。

 国産レモンは、以前は中々、お客様の認知が少なかったのですが、それは緑色をしているからなのかもしれません。レモンというと黄色のイメージですが、国産レモンは、最初は緑で、寒くなるにつれ黄色くなります。

 ワイズマートでも、国産レモンの人気が徐々に増しており、販売数量も増えておりますので、産地の農家さんが、レモンに力を入れるのも分かります。

 この日は、ホテルで一泊し、翌朝8時から園地を見学させて頂くことになりました。


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 毎年、お世話になっている「しまなみ共選所」です。



 瀬戸内海の景観が素晴らしい「しまなみ海道」が通る大三島にあります。


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 今年は、園地に行く前にみかんの集荷場を見学致しました。しまなみ共選所からは、車で10分ぐらいのところにありました。以前は、海で道がなかった地域だそうです。道が開通して、こういった選果場も、みかんを集荷した後、しまなみ共選所にみかんを運ぶようになりました。

 道路が無かった時は、船でみかんを運んでいたんですね。


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 このように箱の中には、生産農家様の情報が記載された紙が一緒に入っていました。


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 まだ、早生みかんの収穫は始まっていないので、この日は、これぐらいの集荷量でした。


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 まだ、無選別の状態のため、大きさもバラバラです。


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 今は、船ではなく、車でみかんを運びます。


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 集荷場での見学を終え、いよいよ、園地に移動となりました。

 過去に、同じ場所を訪れたときも、雨量等を計測する機械はありましたが、この機械は、初めてみました。

 日の最低、最高、平均気温を計測することで、開花予測、ムシ発生時期の予測、日相対湿度などをお知らせしたり、日積算日射量を計測することで、乾燥程度をみたり、降水量を把握したり、こういった情報が農家の方のスマートフォンへ配信される仕組みだそうです。


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 IT化の進歩に驚きながらも、例年通り、定点観察することにしました。

 こちらは、紅まどんなです。色付きが例年と比べても早いです。例年は、もっと緑色をしていましたが、今年は、みかん全般、着色が早い傾向にあるみたいです。もしかすると12月末の切り上がりも早くなるかもしれません。


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 先ほど、少しご紹介したレモンも、大きさも十分です。


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 そして、一番の目的である早生みかんの園地に行きました。毎年、訪れている園地です。見た瞬間、「おっ!」と言いたくなるぐらい、非常に多くのみかんが実っています。


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 鈴なり状態ですね。

 このように、先端に集中して実った方が、糖度も高くなるそうです。


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 一方、写真のように殆ど、みかんが実っていない木もパラパラと存在しました。今年は、こういった傾向があるみたいです。


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 今回も、いつもの定位置で記念写真をパチリ。

 試食させて頂いたら、越智のみかんも、酸度をしっかり感じるみかんでした。まだ、少し酸が強かったのですが、これぐらいのすっぱさがあった方が、僕個人は美味しいと感じます。これから、減酸していくので、お店に並ぶ頃には、食べやすいみかんになると思います。


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 続いて、「はれひめ」の園地に移動しました。

 こちらの園地は、初めての訪問でした。JAの方のご説明によると、ご高齢ですが、大変丁寧に作られる農家さんとのことでした。木と木の間も、通常よりも広めにとり、マルチシートもより効果的に光を反射するのだと思います。


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 やはり、こちらの「はれひめ」も、着色が早いと思いました。


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 再び、移動して、毎年見学させて頂いている「はれひめ」の園地に。

 もう、本当にびっくりです。着色が進み過ぎという印象です。実際に試食もさせて頂きましたが、例年と比べると、今、販売していてもおかしくないのでは?と思えるぐらい成熟していました。確かにまだ早い味覚ですが、普通に美味しく感じる状態です。例年ですと12月に入ってから販売する「はれひめ」ですが、前倒しされるかもしれません。逆に年末は少なくなるかもしれませんね。

 ちなみに2014年10月29日(昨年訪問した時)の写真が以下のものです。



 全く色付きが違いますね。


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 もう1枚、「はれひめ」のアップ写真です。同じ園地でこれだけ色が違っていました。


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 いつもは、緑色の「はれひめ」のため、POPには使えないなぁ〜と思っていたのですが、これだけ着色が進んでいるとPOP用の写真としても使えるかも?と思い上のような写真も撮りました。


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 そのようにして、園地を撮影していると、昨年は見なかった物を発見しました。

 これは、液肥(液体の肥料)が入ったタンクだそうです。


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 タンクから黒いパイプが園地の地面を這っています。


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 先ほどの機械からの情報を元に、自動で液肥が散布されるそうで、生産者農家の方々の高齢化や、少人数化の流れの中で、こういった省力化・効率化に向けてのアイデアが、より求められてくるのかもしれません。


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 農協の車に貼られていたステッカーです。

 みかんは、山の急な斜面にあったり、生産の手間がかかる果物です。みかん1個とるのも、はさみを使っての手作業です。僕も一消費者としては、安くて美味しいみかんを食べたいと思う気持ちはありますが、農家の皆さんが生活して、また次世代の若い世代の方々が、みかんづくりに魅力を感じられるようにならなければ、10年後、みかんはどうなっているんだろうと少し心配になりました。

 越智今治の生産地は、温州みかんだけではなく、「伊予柑」「ポンカン」「デコポン」「八朔」「レモン」「清見」「はれひめ」「はるみ」「せとか」「甘平」といった中晩柑類を手掛け、色々と生き残りをかけて模索されているのが伝わってきます。だからこそ、まだあまりメジャーでない柑橘についても、ご紹介と、お店で販売させて頂くことで、少しでも、お力になれたらという気持ちでいっぱいです。

 最後に2日間に渡り、ご案内下さいましたJAおちいまばりの皆様に、心より御礼申し上げます。
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2015年11月03日

2015年愛媛みかん産地視察 その1

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 2015年10月28日(水)と29日(木)の2日間をかけて、愛媛県のみかん産地視察に行って参りました。初日は、愛媛県八幡浜市のみかん産地を中心に視察しました。ワイズマートでは、「西宇和みかん」とご案内しているみかんの産地です。

 写真は、昨年ワイズマートでも大人気となった黒箱みかん「味ピカ」や「風」ブランドのみかん産地の川上です。川上地区は、愛媛県の西南部に位置し、九州に突き出した45kmの長さを有する佐田岬半島の基部にあり、おだやかな内海に面して海岸線から急傾斜地に石積みした段々畑にみかん園が広がっています。

 上の写真にある赤い屋根の建物が、川上共選所です。(※共選所は、農家さんが収穫した野菜や果物を大きさや、や、品質で選別する場所のことです。)


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 正直、園地で実っているみかんを見るまでは、出来具合は大丈夫かなぁ〜と心配していました。今年も、桃、ぶどうなどの産地視察させて頂いた中で、生産者の方のご苦労や、例年に比べてあまり美味しくないとのお話があったからです。また、先に販売されていた極早生みかん(一番最初に出荷される緑色のすっぱいみかん)の味がイマイチだと感じていたからです。

 ところが、写真をご覧下さい。こんなに色味もよく、綺麗なみかんを見たら、不安は一瞬にして払拭しました。


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 園地のどこを見ても、みかんの色付きもよく、嬉しくなりました。


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 ここで、川上のみかんの味が優れた評価を得ている理由をご説明します。

 簡単に言うと「3つの太陽」があるからです。

 空からの太陽、石垣からの反射の太陽、海面からの反射の太陽。この3つの太陽が、みかんの木全体に降り注ぐことで、川上みかんが美味しくなります。

 果物の園地で、よく見かけるの白い紙のようなマルチシートと呼ばれるものを、地面に敷いている光景があります。あれも、太陽の光を下から反射することが目的のひとつにあるのですが、川上の園地でマルチを敷いてしまうと、太陽の光が必要以上に多くなってしまい、みかんがやけてしまうそうです。


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 また、愛媛は1年を通して温暖で晴天の日が多く、海岸線に沿った地域は特にみかん栽培に適した気候に恵まれています。

 果物の出来を左右する要素の1つが、降水量です。降水量が多過ぎると、果実の実は大きくなるものの、糖度が下がってしまいます。また、みかんにとって大切なのが、酸度です。すっぱいという下地に甘みが加わるとコクが生まれます。酸度も、水分が多過ぎると抜けてしまいます。ぼけた味とでもいいましょうか。

 特に今年の極早生みかんがそれで、極早生みかんとは、本来、酸度が強く、糖度が弱いみかんであるにも課関わらず、すっぱさを感じない、水のようなみかんでした。この理由には幾つかあると思いますが、降水量の多さが起因していることは間違いないと思われます。

 そして、今回の主役、「早生みかん」はどうだったのかというと、川上のある西宇和地域も、翌日に視察した越智今治地域も、共通していた気象状況が、9月中旬以降の早生みかんの成長に一番重要な時期に、殆ど雨が降らなかったということなんです。10月27日にそれぞれの園地で約1ヶ月半振りに6〜8mmの雨が降ったそうです。長期間雨が降らなかったために、みかんの葉が丸く巻き込んできた状況に振る雨は、恵みの雨となりました。


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 成育に一番大切な時期に、余計な雨が降らなかったことで、果樹に適度なストレスがかかり、糖度と酸度を増す結果と繋がりました。


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 許可を頂いて、出荷前の貴重なみかんを試食させて頂きました。

 食べた瞬間、これがみかんの味と思いました。

 酸味がしっかりしていて、その上、甘みがやってくる。まさしくコクがあるみかん。バイヤーや、店舗のチーフも試食した瞬間、「うまい」「美味しい」「早くお客様に召し上がって頂きたい」そんな言葉が、次々に溢れ出しました。


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 園地で記念撮影。

 私たち小売の人間も、美味しくないものを美味しいと言って売りたくはありません。そんなことをしたら、信用を失ってしまいます。だからこそ、毎年、同じ時期に産地で成育状況を確認し、試食させて頂いています。みんなに笑顔が溢れた理由は、自信を持ってオススメ出切るみかんに今年も出会えたからなんです。

 動画でも、色々と撮影していたのですが、先ほど、再生してみてビックリしたのが、全ての動画に笑い声が途切れずに収録されていたことです。みんな、美味しいみかんに今年も会えたことが嬉しくて仕方がないんです。


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 更に高い場所にある園地にて、お弁当を頂きました。みかん畑、青い海が広がる自然の中でいただくお弁当は最高でした。食後、この園地のみかんも、ご試食させて頂きました。

 最初に頂いた園地のみかんと、2回目に頂いた園地のみかん、全くブレがありません。このブレの無さが、川上みかんのブランド力なんだと感じました。


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 再び、記念撮影。

 長時間、園地をご案内して頂いた後、共選所にて、みかんの概況のご説明を頂きました。

 今年は、9月中旬以降晴れた日が続いたため、糖度が回復しました。また、酸度も程よくなり、甘味比の高い、食べやすいみかんになりました。また、9月に入り気温が下がったため、色も鮮やかに着色が例年以上に早いとのことです。

 川上共選所の皆様、お忙しい中、1日ありがとうございました。このご恩返しは、お客様に、川上みかんの素晴らしさをお伝えすることだと思います。自信をもって販売させて頂きますので、今後とも、どうぞ、宜しくお願い申し上げます。


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 最後におまけ。

 ●おまけ その1 「小太郎みかん」

 川上のみかんの中で、1個1個大切に袋がけを行い、樹上完熟で越冬させるみかんがあります。「小太郎」といいます。通常なら11月に収穫を終える早生みかん。1個ずつ袋がけをして樹の上で完熟させると、じょうのう(薄皮)はオブラートのように薄くなり、糖度は上がって、この上ない濃厚な味わいに変わります。

 ワイズマートでも、一部、店舗で販売させて頂きますので、是非、一度、ご賞味下さい。

 ●おまけ その2 西宇和みかんの園地を空撮した動画があります。
  
 園地の様子がとても分かる動画ですので、是非、ご覧下さい。

 動画その@ にしうわみかん de スマイル

 動画そのA にしうわみかん「地上の太陽」 by TATEO YANO



posted by ワイズマン at 18:09| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月01日

長野の産地視察に行ってきました

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 昨年に引き続き、9月16日に長野県に産地視察に行って参りました。

 今回の目的は、葡萄とリンゴの成育状況の把握と、色々な新しい試みについてを教えて頂くことでした。


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 最初に訪問したのが、JA須高様です。その中で色々な取り組みをされている「株式会社フルーツファームすこう」の藤沢さんに、1日、ご案内頂きました。


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 藤沢さんは、昨年、訪問した時に出会った「シャインマスカット」のドライフルーツを作られたり、1つの枝から2つの房にするなど、新しい試みにチャレンジされているばかりではなく、高齢化に伴い耕作放置が進む中、若い世代が移り住んでこられて果物をつくることを技術的に後押しされるなど、精力的に活動されています。

 昨年のレポートはこちらからご覧下さい。


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 産地視察に行った本部バイヤーも、藤沢さんのお話を漏らさぬようにメモをとります。


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 農家の皆さんに指導されるときのご苦労や、新しく移住されてきて果物栽培をされる方々について、夢と現実のギャップに負けないようにきちんと利益をあげられるように働きかけていらっしゃることのお話がありました。その他にも、ここには書けないこともありますが、自由闊達に質疑応答が繰り返されました。


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 こちらが、藤沢さんが手掛けられているもう1つの柱の商品開発の本拠地です。


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 昨年は、施策段階で、販売数は微量だった「シャインマスカット」のドライフルーツも、商品パッケージを含め完成し、出荷されていきます。


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 詳しくは企業秘密とのことですので分かりませんが、何日もかけてドライフルーツにするのではなく、温度等の条件を時間とともに微妙にコントロールすることで、数日でドライフルーツになるそうです。この「シャインマスカット」のドライフルーツは、本当に美味しくて、完全なドライというよりも、少しジューシーさを残しており、食べ終えた後に、ほのかに焼き芋のような味覚が残ります。干しぶどうとは、全く違う美味しさがあります。是非、どこかで見つけたら、お買い求めになり、召し上がってみて下さい。そして、この美味しさを、ご家族やご友人と共有して下さい。


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 その他、リンゴのストレートジュースなども商品化されています。果汁100%ジュースの世界は、大きく、ストレート果汁と、濃縮還元の二種類があります。

 前者は、果物を絞ったままの100%果汁。後者も、果物を絞るまでは一緒ですが、水分を蒸発させて、果汁を固形化し、あとで加水してジュースにしたものを指します。例えば、フロリダ産のグレープフルーツジュースを液体のまま運ぶよりも、水分を蒸発させたほうが、沢山運べるので、その分、コストも少なくなり、お値段も安くなります。


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 濃縮還元のジュースがマズイというのではありませんが、ストレートジュースは、果物をそのまま飲んでいるような実感があります。素朴なんですが、美味しいといった感じでしょうか。


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 続いて、藤沢さんの園地を訪問させて頂きました。

 ここまでに書いたとおり、藤沢さんは、移住されてきた方々の農作の支援、果物を使った商品の開発の他、新しい葡萄の栽培方法の実験、普通では発想されない1つの枝から2つの葡萄の房をとってしまおうといったような実験の他、ご自身も農家として葡萄や、りんごを栽培されているというから、驚きです。

 「実際の栽培は、パートの皆さんなどのご協力があるので、大変ではないですよ」とご謙遜されていましたが、そのバイタリティーには驚きを隠せませんでした。

 話が少し脱線してしまったので、藤沢さんの園地で出会ったことを幾つかご紹介致します。


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 こちらは、珍しい品種のぶどう「ゴルビー」です。(間違っていたらごめんなさい)ピオーネの赤系のぶどうです。成熟すると淡いピンクになります。


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 とても美しいピンクです。


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 藤沢さんが、特別にご自身でつくられた「ナガノパープル」を食べさせて下さいました。ナガノパープルは、巨峰とリザマートを両親に、市内にある長野県果樹試験場で育成された新品種のぶどうです。市場に出たのは平成17年とまだまだ最近ですが、種がなく、皮まで食べられる手軽さと美味しさから急激にひろまっている品種です。


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 巨峰に勝るとも劣らない糖度ながら、「さわやかな甘さ」が特徴で、みんなで頂くと、そのあまりの美味しさに、あっという間に粒が無くなっていきました。

 ここで、藤沢さんから1つ質問がありました。「ぶどうの甘いのは、上の方と、下の方どちらでしょう?」

 イチゴなどの果物は、先端の方が甘く、葉がついている側は糖度が低くなるので、ぶどうも先端の方かな?と思ったのですが、それは間違いでした。太陽を多く浴びている房の上の方が甘いとのこと、試しに上の粒と、一番下の粒を食べ比べたら、全然違いました。

 今年の栽培状況についてですが、天候がとても悪く、果芯がとても短いものが多く、急激な雨により肥大した粒は割れてしまうといったように、とてもご苦労されたそうです。そういった中でも、これだけ美味しいナガノパープルを作られるんだから、凄い方だと思いました。また、色々な実験や、栽培方法の試みをされている様子から、農家さんというよりも、技術者なんだなぁ〜と思いました。


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 藤沢さんの園地で教えて頂いたことパート2。

 この写真は、園地にあったぶどうです。通常は、100粒ぐらいある粒を間引いて30〜40粒ぐらいにします。これを残したままだと、粒同士がぶつかり合って割れたり、いびつな形のブドウになってしまいます。


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 こちらが、粒を間引いて実が大きく実っているものです。赤丸で囲まれた部分が、間引かれた箇所です。もし間引かないと吊るの上の部分まで葡萄が実った状態になるんですね。

 一見すると沢山の粒が実っている方が、重さも増えるし、高く売れると欲が出てくるそうですが、美味しいぶどうを作るためには、実の数や、全体の房数なども、適量にしないと駄目なんですね。


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 こちらは、藤沢さんのりんご畑です。最近流行の新わい化栽培 (高密植栽培)ですね。

 新わい化栽培は、M9ナガノという台木を使いリンゴの樹の樹勢を弱く、小型化し樹間幅を(60a〜1b)狭くする事で面積当たりの樹の本数を多くでき、収穫量を増やす事ができます。日当たりも均等化されるので、安定した品質のりんごが出来ます。また、通常の木よりも、早く実をつけるようになるため、新品種への切り替えも早く対応出来るメリットがあります。


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 そして、藤沢さん以外の農家の方のりんご園地も視察させて頂きました。

 全体的に色づきもよく、大玉傾向のように見えました。


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 シナノスイートも、まだ収穫の1ヶ月前の状態ですが、順調に成育しています。


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 その一方で、「日焼け」状態のりんごも幾つか散見しました。(写真の赤丸部分)

 昼夜とも高温のまま収穫期を迎え、着色は物足りないまま熟してきています。また、いわゆる「日焼け」が発生した果実が多く、状態がひどいものもあります。温暖化といってよいのかわかりませんが、夏のリンゴ栽培の難しさを感じます。厳しい自然条件の中、精一杯出来ることをして、リンゴを栽培する農家の皆様の努力には、頭が下がります。


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 今年も、最後に農家の関野さんのお宅にお邪魔して、自分の田舎に里帰りしたぐらい、落ち着いたひとときを過ごさせて頂きました。関野さんは、自分の出来る範囲で、お得意様を大切にされてぶどうを販売されている農家さんです。毎年のようにリピーターとなり、ご注文下さるお客様に、今年はお断りをされているとのことでした。

 「今までの中で、こんな年は初めて。果芯は短いし(ぶどうの粒と茎をつなげている芯の部分)、玉割れもひどい。お客様の信頼があるから、お断りしているんです。」

 道楽で農家をしていると仰るのとは裏腹に、そのプライドの高さと、お客様の信用を裏切らないという姿勢に感銘を受けました。関野さんのお宅で頂いたぶどうは、とても美味しいんです。ただ、昨年と比べて見た目が少し悪かったり、確かに玉割れも多いかもしれない。でも、これが許せないんだなぁと思いました。

 このように愛情を込めて、天候とたたかって、その年に出来る最善を尽くして作った農産物を、販売する側としても、一消費者としても、無駄にしてはいけないと感じました。
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2015年01月09日

静岡の三ケ日みかん

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 2014年12月3日に静岡県西部、浜名湖の北縁にある三ヶ日みかんの産地視察をしました。一昨年に引き続き2回目の産地視察でした。


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 三ケ日の特徴は、早生品種(12月中旬ぐらいまで販売されているみかん)よりも、青島という越年して販売する品種に力を入れている点にあります。視察させて頂いた12月3日のお話では、早生品種が1万5千tに対して、青島は2万6千tの収穫を予測しているとのことでした。

 不思議だったのが、青島みかんの収穫は、年内の12月25日ぐらいで終える予定とのことでした。年明けに販売するから、それまで樹木に生らしているのかと思えば、それは違いました。それは、「青島みかん」が、早生みかんと違って果皮が厚く、豊富な酸味があることによります。収穫した時点では、酸が強いのですが、貯蔵している間に果肉が熟成し、だんだんとまろやかになります。そして、ちょうど美味しくなるのが年明けしてお店に並ぶ頃という訳です。


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 実際に収穫前の青島みかんを試食させて頂きました。するとどうでしょう。昨年よりも美味しいといいますか、甘味も強く感じました。先にご説明したように年内の青島みかんは、酸が強いのですが、温暖化の影響で、糖度の乗り方が変わってきているとのことでした。


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 組合事務所でお話を伺ったときに、凄いなぁ〜と感じたのは、組合が、生産から収穫までを、農家の方に対して、大変、丁寧にご指導、関与されていることです。

 市場の動向に関係なく、指導員が畑ごとにみかんのサイズを指導することで、隔年障害(みかんが多くなった翌年は、収穫量が大幅に減る問題。)をなくして、毎年、安定した収穫量を確保したり、腐れを出さないといったことを含めて、計画的に生産されています。

 実際に園地をみても分かるのですが、新しく植樹された園地がきちんと区画割りされて出来ている点が、将来にわたり、計画的にみかんを生産されていることを感じます。つまり、新しい畑が出来ているということは、その畑を担う生産農家の方々が育っているということです。

 共選所(農家の皆さんが収穫されたみかんを持ち寄り、みかんの品質を検査、選別して出荷する場所)の近代化についても、群を抜いたものがあります。詳しくは、昨年のレポートをご覧下さい。

 みかんを作ることに農家の方々のパワーをかけられるように配慮し、オートメーション化出来る部分は、省力化する。そして、適正に品質を管理して、それをお金で還元する仕組みです。

 「美味しいみかんを作る」、この命題に真摯に向き合っている産地が、三ケ日の姿だと思います。
ラベル:青島みかん
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2014年11月01日

2014年10月29日は、大三島(越智みかん)の産地視察に行きました

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 愛媛みかんの産地視察2日目は、西宇和から愛媛県の東に位置する越智に移動しました。JAおちいまばり様は、本州と四国を結ぶ「しまなみ海道」が走る風光明媚な島嶼部地域と、四国の玄関口として造船やタオルで有名な今治市を管内に持ち、年平均気温15〜16度、平均降雨量1,100o程度の温暖な気候と長い歴史と伝統に育まれた地域にあります。

 最初にJAおちいまばり様を訪問し、それから園地の1つである大三島(上のイラストの青丸で囲まれた場所)を視察しました。


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 今年の概況については、ほぼ西宇和と同じ状況でした。但し、越智は、みかんの裏年の影響を受け数量が昨年と比較してかなり少ない(平均して昨年の半分の量)との予測が立てられています。

 <みかんの表年、裏年について>

 みかんは、沢山実が実る表年(おもてどし)と、実があまりならない裏年(うらどし)が交互にやってきます。隔年結果といいます。

 その原因は、果実が実ると果実の近くの芽に植物ホルモンが働きかけ、翌年は花がつかないようになるためです。また、もう1つの原因として考えられているのが、糖の蓄えの違いです。夏の間に作られた栄養分の糖は、葉や枝、根の成長、果実の肥大に使われます。使われなかった分は、枝や根など、木のあちこちに蓄えられます。蓄えられた糖を使い、冬の間に翌年多くの花が咲きます。でも、果実が沢山実ると、果実を大きくするのにたくさんの糖を使うから、あまり蓄えられずに、花芽も減り、果実も減ることになります。

 これが表年、裏年の概要です。

 先に書きましたが、みかんの概況については、西宇和と同じで、9月に雨が少なかったことや、今年は、残暑が少なく、気温が落ち着いたことが、みかんの生育にプラスに働きました。

 上の写真は、大三島の園地のみかんです。数日で着色も急に進み、糖度ものってきたそうです。


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 上の写真は、毎年、視察している園地です。

 色付きが素晴らしいです。綺麗な橙色。

 但し、裏年のため、みかんの実り方にむらがあります。同じ畑の隣り同士の木でも異なるそうで、手前の木には沢山実っているのに、後ろの木は、殆ど実がないということが起きています。


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 試食させて頂きましたが、とても甘い。西宇和のみかんと比較すると越智みかんは、酸の抜けがまだ進んでおらず、すっぱい味覚ですが、これが出荷の頃になると程よく抜けて、糖度がのってくるのと重なって、コク深い美味しいみかんになります。


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 いつもの畑の前で集合写真を撮りました。人物の後ろにあるため、みかんは、小さくしか写っていませんが、それでも、黄色ではなく、紅が入った橙色をしていることが確認出来ます。


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 こちらは、隣接するみかんの園地にあった降水量を測る機械です。


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 こちらは、降水量の計測機器に接続されている水を受ける装置でしょうか。

 みかんにとって雨量がどれだけ重要なのか、こういったデータを蓄積していることからもよく分かります。


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 すると、ある畑を指し示しながら、「ああいった簡易的な計測器もありますよ。目盛りで、土壌に含まれる水分量が分かります。」と教えて頂きました。

 そのみかん畑では、一箇所だけでなく、複数のスケールが立てられていました。


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 そのスケールが立てられていたみかん畑とは、もう何年も見続けている畑でした。

 生産者の高齢化にともない、遊休地となっていたみかん畑です。手入れが全くされず、荒れ放題となっていた畑。悲しい気持ちになって見つめていた畑が、新しい生産者の方によって生まれ変わって4年目の姿が上の写真です。

 一度、荒れてしまった畑は、土壌改良し、苗木を植えるだけでも2年。そして実を実らせるようになるまで3年。でも、本当に美味しいみかんが出来るまでは、10年かかるそうです。まだまだ、スタート地点かもしれませんが、そのご苦労が早く報われる日が来て欲しいと思います。

 この畑につきましては、過去の記事でも、ご案内しております。こちらから、ご覧下さい。


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 少し話題をかえまして、JAおちいまばり様では、一般的にみかんと呼ばれる温州みかんの他に、「はるみ」、「はれひめ」、「せとか」、「紅まどんな」といった年末以降に楽しめる柑橘類の生育にも非常に熱心です。また、その他に「キウイフルーツ」、「レモン」もあげられます。

 上の写真は、大三島で生育されているレモンです。輸入レモンのイメージは黄色ですが、今の時期の大三島のレモンは濃い緑色をしています。国産レモンは、酸味も素晴らしく、また、香りも爽やかです。レモンの葉を1枚とり折ってみると、葉っぱから爽やかなレモンの香りが漂いました。

 ワイズマートでも、この国産レモンを販売させて頂く予定です。お店に並びましたら、是非、味の違いを実感してください。


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 最後に、車で「はれひめ」の園地に移動しました。「はれひめ」の出荷は、12月10日以降とのことですから、まだ、40日以上早い状態です。


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 勿論、まだまだ深い緑色で、黄色く色付いていない果実が殆どです。


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 それでも、今年は、着色が早く(残暑が短かったため)、黄色く色付き始めている果実も多くありました。

 みかんは、着色が始まると、そこで肥大化は止まるとのことです。


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 まだまだ、青い状態でしたが、その中の1つを試食させて頂きました。


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 皮をむいた状態が上の写真です。皮の色から想像すると、とても酸っぱそうですが、食べてみると普通に美味しかったです。勿論、酸は強いですが、糖度ものっているので、顔をしかめなくても食べられるぐらい美味しい。これから40日かけて、糖度が上がっていき、この酸が少し抜けてバランスが良くなったとき、「はれひめ」は最高の美味しさを持つことが実感出来ました。

 ワイズマートで販売が開始するのは、12月中旬になると思いますが、是非、楽しみにお待ち下さい。

 今年は、愛媛に行って、実際にみかんを食べるまでは、本当にどうしよう?と困惑していました。美味しくないのに、おいしいとは書けないし。結果的に9月の降水量が少なかったことや、残暑が短かったことが、みかんにとって好条件となりましたが、もし、8月の天候が続いていたらと思うと、ゾッとします。

 この数ヶ月のみかんの出荷に1年の生活がかかっている農家の皆さんは、尚更のことだと思います。

 今回の産地視察ほど自然に感謝し、農家の皆様のご苦労を感じたことはありませんでした。
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2014年10月31日

2014年10月28日に愛媛西宇和みかんの産地視察に行ってまいりました

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 10月28日、29日の2日間をかけて、今年も愛媛みかんの産地視察に行って参りました。

 正直な話、今年は、台風が四国を何度も上陸していること、9月〜10月に販売されていた極早生(ごくわせ)みかんの出来が、あまり良くなかったことから、とても心配していました。

 それでは、10月28日に訪問した西宇和みかんについてレポート致します。

 最初に、JR八幡浜駅に隣接するJAにしうわの本店様にて今年の概況をご説明頂きました。

 今年は、7月末に11号、12号の2つの台風が襲来しました。そのために、平年だと8月は、130mmぐらいの雨量なのに、今年は、280mmと、倍以上の雨が降りました。また、日照時間が、平年の7割以下と少なく、糖度への影響が大きくなりました。本来なら糖度、酸度が伸びる時期に台風がきてしまったために、とても心配な生育状況でした。

 また、8月後半の雨量の影響で、水を多く樹木が吸ったために、減酸は進みました。これが、極早生みかんの味がぼけていた理由です。

 ところが、9月7日から1ヶ月弱は、雨量が少なく、みかんの樹木にストレスがかかり、糖度が進みました。

 参考としてですが、みかんの糖度は、月と同じであれば甘いとなるそうです。例えば、9月のみかんは、糖度9度以上、10月は10度以上といったように。9月5日時点の糖度は、平均で7.76度と過去5年間で最低の値でしたが、9月20日時点で平均8.11度、10月5日時点で平均9.06度と急激に回復しています。勿論、農家の皆さんの色々な努力のお陰なのですが、それについては、後々、ご紹介致します。

 今年の極早生みかんの出来があまりよくなかったのは、この糖度回復の期間が無かったからと言えます。

 概況をご説明いただき、川上共選所(農家さんが果物を運ばれてきて、その果物を選別する場所)に移動しました。


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 これまでは、西宇和の複数の共選所及び園地を視察しておりましたが、今年から、1つの共選所とその園地をじっくり視察することになりました。今年は、「味ピカ」という黒箱みかんで有名な川上共選所でした。

 川上は、おだやかな内海に面していて、温暖な気候です。土壌は、火成岩である緑色千枚岩を中心とする母岩の風化によってできており、耕土は浅く排水は極めて良好です。みかん栽培に適した条件と生産者のたゆまぬ努力がミックスされて糖度と酸度のバランスのとれたおいしい「川上みかん」が生まれています。


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 共選所に到着すると、入り口のところで、農家様向けに勉強会が開催されていました。これから収穫時期に入るため、川上共選所としての、みかんの品質基準について、見本を示して確認して頂いています。


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 選別の基準は、センサーによる糖度、玉の大きさなどの他に、着色、傷、黒点、アザミウマ類(害虫)、腰高、などの分類毎に、細かなランク付けが示されています。


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 着色は、どれぐらいあれば良いのか。


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 どれぐらいの傷だったら、どういうランクになるのかといったことが、示されています。

 昨年、訪れたときも、同じ光景に出くわしたのですが、毎年、きちんと繰り返すことで、品質を維持されているのだと思います。

 川上共選様で、最高ランクのみかんは、「味ピカ」という黒箱みかんですが、みかんが生っている時にすれて傷ができてしまったけど、美味しさは「味ピカ」と同じ品質というみかんを「風」というブランドで販売されています。農家の皆さんとしては、「味ピカ」として販売出来るみかんを作るために日々、頑張っていらっしゃるのですが、その品質の高さから、「風」ブランドのみかんも出てきます。昨年は、ワイズマートでも、「味ピカ」は勿論のこと、「風」にもお客様の人気が集中しました。あくまで私見ですが、「風」の見た目は、それほど悪くありません。それでいてコクがあって、美味しい。人気が出るのも当然です。


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 川上共選所様でも、みかんについての詳しい概況を伺ったのですが、実際に園地を複数個所視察しましたので、その画像をご覧頂ながら、お伝えしたいと思います。

 上の写真の赤い屋根の建物が、川上共選所です。穏やかな内海に面した場所にあります。海岸線からみかん栽培限界線である標高350mの急傾斜地に石積みした階段畑にみかん園が広がっています。


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 標高200mぐらいの園地から、眼下にひろがるみかん畑を写しました。写真を見ると分かるのですが、陰が全くありません。太陽の光が、満遍なく、みかんに降り注いでいます。


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 産地視察したことを示す集合写真を撮影したのですが、太陽の光がまわり過ぎていて、上手く撮れませんでした。


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 この写真が、現地で体感した光の状態に近いです。

 これだけ、お日様の光を浴びたら、美味しいみかんが育つのも納得がいきます。


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 そして、実際に試食させて頂きました。11月に入ってからお店に並ぶ早生みかん。12月中旬ぐらいまで販売されるみかんを早生みかんといいますが、こちらの品種は「宮川早生」といいます。特に西宇和の「宮川早生」は、じょうのう膜(袋)が薄いのが特徴です。みかんの美味しさには、糖度、酸度のバランスもあるのですが、更に食感も重要です。仮に糖度に1度の差があったとしても、食感の違いで美味しさは逆転することもあります。

 試食した感想は、本当に美味しい。極早生みかんで、味がぼけたみかんしか食べていなかったので、余計に美味しく感じました。この味が、みかんだよねと思える美味しさでした。若干、減酸が進んでいると感じましたが、甘さは十分。9月途中まで、糖度がのっていなかったというのが嘘のようです。


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 また、今年は、9月に入り、気温が下がったため、色付きも例年以上に早いそうです。


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 ここで、ちょっと話題をかえまして、川上が、他の西宇和の園地よりも進んでいるところをご紹介します。

 川上の園地が、太陽の光をより多く受けていることは、先にご説明しました。その弊害?として、夏季において、ずっと昔から、干ばつの影響を受けていました。みかんは勿論のこと、飲料水まで枯渇した年もあり、そのような状況から脱するために、昭和51年から57年にわたり、国営用水事業と連動して、全園地に多目的スプリンクラーを導入しました。

 急な斜面を人手を使わずに、散水出来ますし、農薬も、このスプリンクラーを使って散布することが出来ます。また、スプリンクラーによる農薬散布を効果的にするために、果樹の高さ、間隔などに基準が出来たことで、より太陽の光を浴びやすく、また、摘果(余計な実を落とすこと)、剪定、収穫の効率面でも寄与することになりました。(スプリンクラーは、園地が海に近いため、塩害回避のための散水でも利用されます。)


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 勿論、急な斜面にある園地ですので、場所によっては、一日中、太陽の光を浴びている園地ばかりではありません。そういう園地では、マルチというシートを敷いて、太陽の光を地面から反射するように改善されています。


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 このマルチの園地の直ぐ隣に、当日、色々とお世話になった正本さんの園地がありました。道1つ隔てているだけですが、マルチは敷かれていません。「今はお日様を浴びていないけど、朝は沢山、光を浴びている園地なんです。マルチを敷くと、水はけが悪くなるので、敷いていません。」とのことでした。ちょっと区画が異なるだけで、また、農家の皆さんの経験から、色々と工夫され、そしてノウハウがあるんだなぁと感じました。


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 「是非、召し上がってみてください。」と頂いたみかんを口にいれた途端。先ほど頂いたみかんより、更に美味しい! 「まぁ、これぐらいで勘弁して下さいよ。食べれるでしょ?」とご謙遜されていましたが、1日中、お日様を浴びていない園地でも、これだけのみかんを作れるんだよという誇りが伝わってきました。


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 産地視察した全員が「うまい!」「甘い!」「美味しい!」を連呼している様子をみて、正本さんの横顔が嬉しそうに輝いていました。


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 話が前後してしまいましたが、正本さんの園地の海に面した側面にあった防風の木です。川上の園地の海に面した園地で、多く見かけました。

 天候は、神様頼りかもしれません。でも、美味しいみかんを作るために、人が出来ることは貪欲に対応しておく姿勢。1年の収入を、このみかんにかけている農家の皆様。特に西宇和は、みかんの生産比率が95%ととても高い産地です。それだけ一生懸命、愛情を込めてみかんが作られているのです。


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 <おまけ>

 川上共選様からお話を頂いたのですが、今年からの新しい試みとして、「世界に広げよう! クリスマスオレンジ」という活動を開始されるとのことでした。

 温州みかんは、日本が原産の果実です。海外へも多く輸出され、そのうちの約70%がカナダへの輸出。というのも、昔、カナダでは冬場に食べられるフルーツがなかったため、温州みかんは、「聖なる果実」と言われ、クリスマスシーズンの到来を告げる風物詩となっています。

 日本原産のみかんが、遠くカナダでは「聖なる果実」と言われているなんて、何て嬉しいことでしょう。

 そんな素敵なみかんを、それも「とっておきの愛媛のみかん」を一人でも多くの方に味わってもらいたい。

 世界に広げよう!「クリスマス オレンジ」

 という活動です。

 ワイズマートでも、クリスマスパッケージのみかんを、少しでも販売出来たらいいなぁと考えています。


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 詳しい活動内容につきましては、こちらからご覧頂けます。


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 また、クリスマス オレンジに関連して、「ハートみかん」を作成している園地に多く出会いました。

 みかんには、少し可哀想ですけど、ハートの形をしたみかん。小さなお子さんも大喜びしそうです。

 次回は、10月29日に視察した越智今治について、レポート致します。
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2014年10月06日

フルーツ王国 長野の産地視察に行って参りました

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 今年は、9月17日に長野県に果物の産地視察に行って参りました。目的の1つは、毎年訪問しているJA志賀高原 平穏(ひらお)の「しなのスイート」の状況を確認することです。昨年は、視察の日が台風と重なってしまい、産地訪問を断念しました。ですので、その分、余計に楽しみにしておりました。

 例年の産地視察よりも、約1ヶ月早いため、まだ「しなのスイート」をご試食出来る状況ではありませんでしたので、味覚に関してのコメントを出来ません。但し、今年の生育状況と、園地での新しい試みについて教えて頂きましたので、その点を中心にレポート致します。


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 上の写真は、当日の園地での記念撮影となります。ワイズマートのスタッフ、中卸様、農家様といったメンバーになります。産地視察するに際しましては、本当に沢山の皆様のご協力があって、実現出来ております。この場を借りて感謝申し上げます。

 「しなのスイート」につきましては、2009年に僕が初めて産地視察に同行させて頂いてから、ほぼ、毎年、視察させて頂きました。「しなのスイート」の特徴につきましては、これまでのレポートでもご案内させていただきましたし、久しぶりに読み返してみると、毎年、色々な発見があることが分かりました。

 以下に、これまでのレポートのリンクを列記させて頂きますので、ご覧下さい。

 ●2009年のレポート その1 その2

 ●2010年のレポート

 ●2011年のレポート

 ●2012年のレポート

 2013年は、台風のため、産地視察を中止しました。


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 では、今年の状況につきまして、レポート致します。

 今年は8月10日の台風の影響を受けたそうです。桃や、「津軽」といったりんごは、傷が多いといった影響が出ています。
 
  しかし、「ふじ」や「しなのスイート」は台風の影響もあまり出ていません。今年は、夏の終わりが涼しかったおかげで、色まわりもよく、例年よりも早めに生育しています。


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 確かに、いつもの産地視察より1月早いため、玉伸びは、まだ小さいですが、色付きはとても良いと思いました。


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 今回の産地視察で、新しく教えて頂いたことは、りんご栽培方法に対する新しい試みについてでした。

 「わい化栽培」というもので、りんごの台木(本になる木)に、切接ぎや芽接ぎによって新しい木を繋いで育てる方法です。りんごの果樹全体を小さく(背を低く)育てることで、栽培管理や収穫の能率化をはかるためのものです。背景には、生産者の高齢化があり、注目されている栽培方法です。りんご以外にも、さくらんぼなどでも、わい化栽培は広まっています。果樹自体は、小さくなりますから、1本の木からの収量は減るものの、同じ面積に大木があるよりも、多くの木を植えることが出来るので、全体の収量は増します。
 
 デメリットとしては、りんごは自家結実性が低いので,結実確保のために親和性をもつ他品種の花粉を受粉しなければならないといったことがあります。



 上の写真は、昨年の青森のりんご農園を視察したときのものです。ヨーロッパのりんご農園でも主流となっている新わい化栽培 (高密植栽培)です。平穏でも、新わい化栽培が徐々に始まっているそうです。

新わい化栽培は、M9ナガノという台木を使いリンゴの樹の樹勢を弱く、小型化し樹間幅を(60a〜1b)狭くする事で面積当たりの樹の本数を多くでき、収穫量を増やす事ができます。日当たりも均等化されるので、安定した品質のりんごが出来ます。また、通常の木よりも、早く実をつけるようになるため、新品種への切り替えも早く対応出来るメリットがあります。


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 更に色々な園地を見学させて頂いていると・・・・。

 一際鮮やかな紅色と言えばよいのでしょうか。美しいリンゴが目に入ってきました。


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 とても鮮やかで、濃い赤。これは、「シナノドルチェ」というリンゴです。「ゴールデン・デリシャス」に「千秋」を交配し、その実生の中から選抜、育成されたリンゴで、2005(平成17)年2月に品種登録された比較的新しい品種です。当時の長野県知事の田中康夫氏が、長野県の「信濃(しなの」とイタリア語のスイーツを表す「ドルチェ」を組み合わせて命名されました。

 まだまだ、収量が少ないので、なかなか、お店に並びませんが、昨年も東船橋店で、販売させて頂いた際に、お客様からもご好評を頂きました。「しなのスイート」が爽やかな甘さが特徴であるのに対し、「シナノドルチェ」は、ジューシーで、甘味も強い一方、やや強い酸もしっかりとしているのが特徴です。リンゴらしい甘酸っぱさがお好き方には、たまらないリンゴだと思います。


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 写真中央にいらっしゃるのが、農家さんです。どうぞどうぞと貴重なリンゴを試食させて下さいました。色付きもとてもよく、本当に美味しい。

 今年は難しくても、1回だけの販売になっても、是非、全店で取り扱い出来たらと思いました。


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 お店でのPOP用にも、写真を撮らせて頂きました。左の空きスペースに、リンゴの拡大写真とウンチクを入れたら完成です。(笑) これまでも、「群馬名月」や、「星の金貨」といった貴重なリンゴを販売させて頂きましたので、「シナノドルチェ」も、是非、来年は販売出来たらと思います。こういったリンゴは、この味わえる期間が本当に短いので、季節感もより感じられるリンゴだと思います。


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 そして、もう1つ。今回の視察がいつもより早くなった理由のひとつが、ブドウの産地視察をするためでした。写真は、黄甘(おうかん)というブドウです。ちょっと早い時期なので、まだ緑色をしていますが、もう少し成熟すると、より黄色くなります。種無しで、皮ごと食べられるブドウです。とにかく、甘いのが特徴。こちらも、収量が少なく、どちらかというと地元の農家の皆さんが召し上がられているのではないか?と思います。

 昨年、ワイズマートでも数店舗で販売させて頂きましたが大人気でした。東船橋店の青果売り場で、お客様にお勧めしたところ、「本当に甘いの?」とおっしゃっていたお客様が、午後にも再度来店されお買上げ、翌日も「黄甘」目当てにご来店され、もう在庫がないことをお伝えすると非常に悲しがっていたのを覚えています。

 もし、どこかで運よく見つけられましたら、是非、お買い求め下さいね。


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 昨年も、ワイズマートに「黄甘」を出荷頂いた生産者さんから、ブドウについても、教えて頂きました。


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 面白かったのが、上の写真です。

 ワイズマートでも、人気がある「シャインマスカット」。種なしで、皮ごと食べられるのがその人気のヒミツです。そうなると、農家さんも売れるシャインマスカットを増産したくなるのですが、ブドウは接木をすることで、簡単に新しいブドウを栽培することが出来るそうです。今は、「黄甘」を作っていますが、来年には「シャインマスカット」になっているかもしれませんとのことでした。


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 更に、色々な園地をご紹介頂きました。長野の小布施といえば、栗が有名ですが、リンゴやブドウ畑の空いたちょっとした場所に、こんな立派な栗が実っていたり。たぶん、自家用だと思うのですが、羨ましくなったり。(笑)


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 そして、別の園地では、ブドウに関しての、新しい試みを幾つかご紹介頂きました。

 こちらは、「シャインマスカット」を1つの枝から、2つの房にする試みです。はさみを途中に入れて切り離せば、完全に2つの房として出荷出来ます。


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 そして圧巻だったのが、「シャインマスカット」のドライフルーツです。まだ、試作段階で、販売にはいたっていないとのことでしたが、試食させて頂きました。

 試食した感想は、ドライフルーツといっても、完全に乾いた感じではなくて、ジューシーさ、果実感が残っています。まるで、蜂蜜のように甘さが凝縮されていて、とても甘い。そして、食べ終えた後に、ねっとり系の焼き芋の味わいと匂いが蘇ってくる複雑な美味しさがありました。これは、是非、商品化して頂きたいと思いました。ただ、お値段がどうなるのか心配ですけど。


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 そして、赤系ブドウの「ナガノパープル」も、試食させて頂きました。人によって好みは違うと思いますが、僕は、こちらの方が好きです。さっぱり系が好きな方は青ブドウ。少し酸味もあった方が好みの方は、赤ブドウ派だと思います。


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 最後に、農家さんの関野さんのお宅にお邪魔して、信州名物おやき、お漬物などをご馳走になりながら、ブドウ栽培のお話を伺いました。沢山のお心遣いありがとうございました。

 美味しいお漬物を頂きながら、まるで自宅でくつろいでいるような感覚。時間がゆっくり流れていました。とても、気さくなお母さんが、どこか自分の母と重なって、まるで自宅でくつろいでいる感覚でした。

 写真にはないのですが、関野さんの農園で収穫された種あり巨峰も頂きました。どうしても、種あり巨峰は敬遠されてしまうのですが、僕個人は、種ありの方が美味しいと思います。関野さんの巨峰は、コクもあってとても美味しく、中々、手が止まりませんでした。

 種あり巨峰の食べ方について、僕が昔からやっているものとして。巨峰を凍らせて、そのまましゃぶりつくというのがあります。買ってきた巨峰を軽く洗って、そのままビニール袋に入れて冷凍庫で凍らせるだけ。食べるときは、皮ごと口の中に入れて、モグモグしていると、皮と種だけが残りますので、あとは口から出して捨てます。皮をイチイチ剥く必要もなく、個人的に一番美味しいと思っている皮のまわりの果肉も、全部食べることが出来ます。バイヤーでも何でもない僕が書く内容ですので、企業として保証するものではありませんが、昔、山梨のぶどう園でお聞きした方法ですので、是非、お試し下さい。


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 最後にお話をうかがった後で、関野さんの園地を見学させて頂きました。「シャインマスカット」が栽培されていました。とても綺麗に管理されていて、まるで、関口さんのお人柄そのもののようでした。味も、大変、美味しかったです。既に、ワイズマートの何店舗かにて、関野さんの作られたブドウを、販売させて頂きました。

 関野さんに、「黄甘」は育てられているのかお聞きしたところ、「黄甘」は1本しかなく、親戚からお願いされている分だけで、予約は完了していますとのこと。やっぱり、地元の人は美味しいブドウを知っているんだと思いました。(笑)

 今回は、本当に沢山の園地を訪問させて頂きました。当日お世話になったJA志賀高原の皆様、中卸の皆様、そして園地の皆様、本当にありがとうございました。皆様が、日々、ご苦労されながら、美味しい果物を育てられていること、そして、毎年変わる気象条件と格闘しながら、沢山の努力や、新しい試みにチャレンジされていることを知ることが出来ました。そういった現地でしか知ることの出来ない情報を、少しでも多く、お客様にお伝えするとともに、お客様のご感想を、皆様に還元するのが、私たちワイズマートの使命だと思います。
posted by ワイズマン at 20:47| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月17日

山形県は果物王国でした

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 5月21日、22日の2日間に渡り、山形県に産地視察に行って参りました。21日は、鶴岡のメロン、22日は、寒河江(さがえ)のさくらんぼ、大石田のスイカと3つの園地を訪問しました。いずれも、初めての訪問となります。(上記、画像をクリックすると拡大表示されます)

 それでは、訪れた順番でご紹介させて頂きます。


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 最初に訪れたのは、鶴岡のメロンです。

 日本海近くに広がる砂丘地を中心に作られている庄内特有のメロンで、気温の比較差が大きい環境で育まれるために、肉厚できめ細かく、みずみずしい糖度が高いメロンが生まれます。夏には、贈り物としても人気が高いそうです。

 訪れた園地は、路地ではなく、ハウスでした。


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 写真のようなメッシュ上のクッションを敷いて・・・


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 その上にメロンが生育していました。通気もよくなり、また、メロンの外観がいたまない効果もあります。メロンに対する愛情を感じます。


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 はじめて、メロンがなっているところを見たのですが、葉や花を見る限りでは、きゅうりに似ているなぁ〜と思いました。つるが延びているのも似ています。両方とも、ウリ科のつる植物ですから共通点も多いのかもしれません。


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 メロン作りには、路地栽培のものもありますが、ハウスの場合は、写真のようなダクトを使い、ハウス全体に温風を行き渡らせます。


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 ダクトの先には、薄い布のような長い袋が繋がっていました。


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 当日、園地や、メロンの生育情報について、詳しくご説明下さったJA鶴岡の栗田さんです。

 今年の園地の状況は、4月の気温は高くありませんでしたが、日照時間が多かったそうです。雨は適度に振り、逆に雪は振らなかったそうです。そういえば、今年は、関東で大雪が何回かありました。関東で雪が降るということは、山を越えて雪が降らないんですね。

 また、JA鶴岡イチオシが、『鶴姫メロン』というブランド品種です。鶴岡の独自ブランドで、青肉系の『鶴姫』と赤肉系の『鶴姫レッド』があります。『鶴姫』は、アールスメロンの系統を受け継ぎ、ネットの盛り上がりがよく、ジューシーな食感とさわやかな甘味が特徴です。『鶴姫レッド』は、色鮮やかな果肉と糖度15度以上と食味にも優れたメロンです。

 東京から同行された業者の方のお話では、山形のメロンは、日本一だそうです。他産地の同じ大きさのメロンと比較した場合、持ったときの重みが全然違うとのこと。まだ、収穫前ですので、試食は無かったのですが、美しい外観と玉の重さを実感し、僕も同じように感じました。


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 園地から、JA鶴岡様に移動して、詳しいご説明を頂いたのですが、そこで登場したのが、もう1つの特産品『だだちゃ豆』です。『だだちゃ豆』は方言d、「お父さん」の意味だそうです。庄内では夏になると当たり前のように食べられていました。独自の歯ごたえと甘みは、枝豆の王様と呼ばれるにふさわしいです。試食させて頂いた『だだちゃ豆』は、冷凍のものでしたが、それでも十分な美味しさ、甘みを感じました。これが旬のときで、生だったら、どんなに美味しいのでしょう。全く想像がつきません。


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 更に試食として登場したのが『だだちゃ豆』のフリーズドライです。このまま食べるだけなのですが、新しい食感と美味しさ。茹でたのとは違う、ちょっとスナック的に食べられる、それでいて豆の存在を強く感じる楽しさがありました。


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 極めつけが、『だだちゃ豆アイスクリーム』。頑固なまでに守られ、育まれてきた独自の香りの『だだちゃ豆』は、半月程度の短い期間しか味わえない味覚です。ですので、いつでも食べられるように、心を込めて開発されたのがこのアイスクリームです。

 甘さはひかえめ「だだちゃ豆」独特の香りと深みのある甘さに、だだちゃ豆がクラッシュ加工されたツブツブ感が、深みのある旨さを引き出していました。

 『だだちゃ豆』については、JA鶴岡の神尾さんが、詳しくご説明下さいました。嘘か本当かは分かりませんが、『だだちゃ豆』を食べて僕の身体はつくられましたとのお話がありました。最初何をおっしゃっているのか分からなかったのですが、あとでネットで検索してみて納得。(気になる方は、「だだちゃ豆 神尾」で検索してみて下さい)

 それにしても、これだけ色々な『だだちゃ豆』をご試食させて下さったのは、『だだちゃ豆』に対する自信の表れだと思います。収穫時間が短いので、生を販売することは難しいかもしれませんが、何らかの形でお客さまにも、ご紹介出来たらいいなぁ〜と思いました。


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 5月22日の最初に訪れたのが、『さくらんぼ』の寒河江(さがえ)です。

 JAさがえ西村山の椎名さんに園地をご案内頂きました。写真は、当日、園地視察した皆さんです。(ワイズマートの青果バイヤー、東京からご同行頂いた業者の皆様です。今回の産地視察のセッティング含めて、大変、お世話になりました。ありがとうございました。)


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 写真左が、JAさがえ西村山の椎名さんです。


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 園地で見たさくらんぼは、『佐藤錦』という品種です。きらきらと輝き、その美しさは、まるで宝石のようです。


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 椎名さんから、美味しい『佐藤錦』を作るために、生産者さん達の手間と愛情が、どのように注がれているのか、教えて頂きました。


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 雪の降る頃は、雪で枝が折れないように雪下ろしをし、よい芽がでるように枝を剪定(せんてい)します。


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 さくらんぼの開花時期には、人工授粉や、ハチによる受粉を促進するために人工的に巣をつくってハチを増やします。


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 果実が実ってからは、雨があたらないようにしたり、着色をよくし、甘い果実を作るために粒ぬきをします。

 このように、手塩にかけた『佐藤錦』ですが、とてもデリケートな果物なので、出荷の時も、細心の注意が必要です。


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 日中の気温で暖まってしまった状態のさくらんぼを収穫してしまうと、 傷つきやすく、変に水っぽくなってしまうんです。

 そのため、さくらんぼの収穫は、タイミングが重要になります。丹精込めて育てたさくらんぼを、一番美味しい状態で出荷するために、 生産者さん達は、毎朝4時頃から果樹園に向かい収穫を始めます。

 しかも、日が昇って暖かくなるまでの僅かな時間で収穫を終わらせるためには、前日の夜間のうちに、さくらんぼの糖度を計り、どのさくらんぼが甘くて、収穫出来るかを見極める作業が重要となります。翌日は朝早いにも関わらず、収穫時期には、毎日続きます。

 このように生産者さん達の思いが込められているからこそ、美しく輝き、甘くて美味しい『佐藤錦』が誕生するのだと分かりました。視察した際に1粒、試食させて頂いたのですが、一言で言えば、味に深みがあると言えばいいのでしょうか。単純に甘いというのではなく、酸味もしっかりあって、本当に美味しい。是非、皆様にも召し上がって頂きたいさくらんぼです。

 ワイズマート全店にて、6月21日(土)にこの山形寒河江(さがえ)の『佐藤錦』を販売致します。

 初夏の爽やかな陽射しを浴びて育った、もぎたてのさくらんぼを、是非、お召し上がり下さい。


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 山形の産地視察で、最後に訪れたのが、大石田のスイカでした。

 尾花沢のスイカと言えば、ご存知の方も多いと思います。

 尾花沢のスイカの生産量は日本一。ブランドとしても確立している理由は、尾花沢市の気候風土によるところが大きいです。盆地で昼夜の寒暖の差が大きい。この気象条件が糖度12度のスイカを育みます。

 昼間の暖かい気温と十分な光がすいかの光合成を盛んにし、養分がたっぷりと作られます。夜間の低温は、スイカの呼吸を抑えます。そのため、蓄えられた養分が使われることなく、スイカの糖分となります。また、スイカの選果場・農家の皆さんのすいかに対する厳しい品質管理も尾花沢すいかがおいしいもう一つの理由です。


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 残念ながら、産地視察した日は、まだ畑にスイカの苗を植えた時期でした。写真のような状況ですので、園地ではなく、スイカの選果場を見学させて頂きました。これまでも、みかんや柿の選果場は拝見したことがあるのですが、スイカはどうなんだろう?と興味深々でした。


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 当日、ご案内下さったのは、みちのく村山農業協同組合の関さんと伊藤さんでした。お忙しい中、ありがとうございました。収穫時期ではないので、稼動していなかったのは残念ですが、大変、わかり易くご説明下さったので、最盛期の様子が目に浮かぶようでした。

 写真は、生産者農家さんが納めにきたスイカをのせる台座?です。円形の台座の中央部分には穴が開いて、ドーナツのような形をしています。まわりには、台座毎に異なるバーコードが印刷されています。スイカ1個1個を、この台座で管理して選別していきます。

 台座の中央に穴が開いているのは、スイカのお尻を下から撮影するためだそうです。


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 レーンに載せられた台座は、糖度センサーで甘さを測ったり、デジカメで撮影し外観や状態をチェックされたり、複数のチェック工程を通過していくことになります。


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 面白かったのが、この機械です。他の果物の選果場には、まずありません。

スイカのチェックと言えば・・・

 何でしょうか。(笑)

 そう、ベタですが、『音』のチェックです。

 この機械の一方には、スイカを叩く棒がついています。


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 そして、棒とペアで働くのが、耳にあたるマイクです。

 複数回叩いて、音を拾い、スイカをチェックされているなんて、少し驚きでした。


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 そして、もう1つ面白いと思ったのが、スイカに個別で貼られるシールです。デザインだけ印刷されたシールがリールに巻かれています。台座毎にスイカの固体管理が出来ていますので、生産者農家さんのお名前や、等級なども、個別に用意しておかなくても、その場で出力出来ます。

 実際に稼動している時期でなかったことは残念なのですが、とても広い選果場で、1つが大きなスイカを取り扱うには、これだけの設備が必要なんだと感じました。

 2日間で3つの産地を見学させて頂きましたが、皆さん共通して感じたのが、手間や苦労はどんなにかけても、美味しさに妥協はないという姿勢と、自分のところの果物やお野菜に対しての絶対的な自信でした。
posted by ワイズマン at 13:39| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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