2014年01月04日

静岡の三ヶ日みかん

 新年、明けましておめでとうございます。

 本年も、ワイズマート及びワイズフォーラムをどうぞ、宜しくお願い申し上げます。

 さて、今年1回目のレポートですが、昨年11月28日に産地視察させて頂きました静岡県西部、浜名湖の北縁にある三ヶ日みかんの産地視察をレポート致します。

 ワイズマートでは、年末に向けて愛媛県の西宇和、越智今治のみかんを積極的に販売させて頂いておりますが、年明けイチオシなのが、今回レポートする三ヶ日みかんです。三ヶ日の園地視察も初めてでしたので、他の園地との違いなど、大変興味深かったです。


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 まず最初に訪れたのが、三ヶ日町農業協同組合事務所です。みかんの生育状況及び、三ヶ日のみかん、園地の特徴について教えて頂きました。

 三ヶ日の園地は、全体で約1500町歩(ちょうぶ)あるそうです。(1坪は3.3㎥。1反=300坪。1町=10反です。ですから、1町歩=約3,000坪と計算すると、450万坪という広さになります。)

 三ヶ日には、大きく分けて3つのみかんを生産しております。早生種、温州種、そして越年する「青島みかん」です。三ヶ日も、愛媛同様、早生みかんの酸のキレがよく、糖度も高くて非常においしいみかんに育ちました。この傾向は、青島みかんも同様とのことです。

 また、三ヶ日全体のみかんの生産量は、3万5千トンです。この生産量は、全盛期だった昭和50年の量を維持しているそうです。ちなみに、当時の全国の生産量は、約366万トンございましたが、現在は80万トンまで減少しています。その理由には幾つか考えられますが、以前よりもお客様が品質を求められる傾向が強くなり、そのためにみかんの摘果(美味しいみかんを作るために成り過ぎないように果実をまびくこと)や、みかん農家の方の高齢化に伴い、後継者不足が深刻になっていることなど、複数の要因が考えられています。

 愛媛の越智今治の園地でも、この問題は深刻で、新しい生産者の方が、みかんを始めらた様子は、継続してレポートしている通りです。三ヶ日においては、どうして生産量を維持出来ているのか、当日、その理由を知ることになります。


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 概況について教えて頂いた後、隣接する選果場を見学させて頂きました。選果場とは、農家さんが運ばれてきた果物を選別して、市場に出荷するまでの箱詰めまでを行う場所のことです。この日も、軽トラックに載せられたみかんが、沢山、選果場に運ばれてきました。


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 と、ここまでなら他の選果場と変わりありませんが、三ヶ日の選果場は、ビックリする仕掛けがありました。

 まず、上の写真ですが、巨大なローラーの上に軽トラックが乗っています。写真では分かり難いかもしれませんが、農家さんは、みかん箱が積載された軽トラックをローラーに乗せると、トコトコとある端末の方に歩み寄りました。


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 こちらが、その端末の写真です。農家さんは、運んできたみかんの情報や生産者情報などを入力します。でも、これでだけでは、操作は終わりません。

 よ〜く見ると、写真の右下にピンク色のゴムボールが写っています。このボールがミソなんです。


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 これが、ピンクボールのアップです。実は、ただのゴムボールではなく、IDチップが埋め込まれています。このIDチップを一緒に端末に読ませ、みかんの箱の中にポンと投げ入れます。このIDチップが、農家さんと運ばれてきたみかんを管理する目印の役割をします。


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 レーンの乗せられた軽トラックは、自動で先に進んでいき、みかん箱は、巨大なアームがみかん箱を1つの塊として次の工程に運ばれていきます。農家さんは、その先で軽トラックが出てくるのを待つという流れです。


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 こちらが、パレットにのせられたある農家さんのみかん箱の塊です。赤丸の部分にピンク色のIDボールが入っています。


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 こちらが、みかんの品質をチェックする光センサーとカラーグレーダーです。光センサーは、糖度と酸を、 カラーグレーダーは、色、傷、形をチェックします。毎秒5個のみかんをチェックする性能があり、1個1個のみかんのデータが記録され、収穫されたみかんの品質や美味しさについて、農家さんにフィードバックされます。これも、IDボールで管理されているから出来ることです。


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 こちらが、センサー脇にあるモニター画面です。みかん1つ1つの大きさ、色付き、形、糖度などが、画像と共にデータとして記録されていきます。パパッと切り替わっていく画面に、バイヤーも驚きを隠せません。


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 選果場の一連のシステムを導入するにあたり、物凄い投資金額がかかっているのですが、それでも、実施した理由は、お客様に美味しいみかんをお届けすること。そのためには、きちんと美味しいみかんを生産された農家さんには、きちんと評価する仕組みが無くてはなりません。

 また、トラックへの詰め込みさえ出来れば、選果場での力仕事は必要ありませんから、女性でも納入が可能となります。みかんを収穫するまでの時間をより多く作れるようにすることで、より美味しいみかん作りに力を注げるような環境となっています。


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 続いて、みかんの園地を視察致しました。「青島みかん」のは、三ヶ日みかんの代表品種です。12月までに収穫されます。丈夫な果皮・酸味を活かし貯蔵され、果肉が熟成してだんだんとまろやかな味に育ちます。貯蔵してから出荷されることもあり、みかんの状態に対して特に厳しくチェックされています。越年する前提というのが、他のみかんと違いますね。


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 他のみかんと比べて、皮は厚めです。訪問したのが11月28日でしたので、出荷する1月以上前でしたが、しっかりした酸味に期待を持ちました。


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 園地を拝見していて感じたことは、他の園地と比べてみかんの木と木の間隔が拡いということです。この方が収穫がし易いとは思うのですが、生産量は、その分減ると思います。ですが、どの園地も同じように通路がしっかり確保されていました。


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 また、園地を見渡していて気付いたことは、地肌が見える園地が多かったことです。これは、改植(かいしょく)といって、古いみかんの木を抜いて、新しいみかんの木を植えています。みかんは、4年ぐらいしてから収穫出来るようになり、40年ぐらいで収穫のピークを終えると言われています。生産地全体で収穫量が落ちないように、計画的な改植が実施されていることに驚きました。何故なら、改植が実施されるということは、未来の後継者がきちんと育っていることを意味するからです。

 三ヶ日みかんの生産量が保たれている理由は、選果場の最新設備だけでなく、ここにあるのだと思いました。


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 当日、園地を訪れた、市場の皆様、中卸の皆様、そしてワイズマートのバイヤーとチーフで記念撮影。最後に訪れたのは、組合長さんのみかん畑でした。とても色付きもよく、酸味がしっかりしていました。この酸が抜けて、糖度とのバランスが良くなった年明けの頃、三ヶ日みかんが美味しくなります。

 是非、年明けの三ヶ日みかん。年末までの温州みかんとは、少し違う味わいをお楽しみ下さい。


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2013年11月30日

愛媛みかん産地視察レポート(越智今治みかん編)

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 今回は、愛媛みかん産地視察レポート(越智今治みかん編)です。

 毎年、初日は西宇和の園地を訪問し、その日の夕方に越智今治まで移動。夜のお食事で、JA越智今治の皆さんと、大変貴重なお話をうかがって、翌日、越智今治の園地を訪問という流れになっております。

 園地を訪問するだけですと時間は限られていますが、前日の夜に、みかんの状況は勿論のこと、JA越智今治さんとして、今、どのような取組みをされているのか、どういう問題が起こっているのか、そういったことを真摯にお聞きしていると、翌日の見方が変わってきます。

 上の写真は、JA越智今治さんのシンボルマークです。大きな楕円は四国と海を、小さな楕円は瀬戸内の島々を表現、右方向にのびるようすは、輝く未来を願うとともに、発展へのステップを表しています。


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 前日のお食事の席でも、話題にあがったのが、後継者不足の問題です。後継者がいない畑は、休閑地となり、放置され、荒れ放題となります。上の写真は、2009年のあるみかん畑です。


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 荒れ放題となり、外来種の背高粟立ち草などの雑草が伸び放題。手入れの入っていないみかんは、美味しくなく、鳥さえも食べることはありませんでした。木に実ったまま腐っていく様子は、とても哀しいです。


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 この園地の翌年の写真です。雑草や放置されていたみかんの木はきれいに取り除かれ、土壌改良の処理が施されていました。若い生産者の方が、この園地でみかんを育てられることになりました。2010年のことです。


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 そして更に3年の月日が流れた今年の畑が上の写真です。

 まだ、背丈は低いですが、美しいみかんが実っていました。苗を植えるまで2年かかり、ようやく実が実るようになったのです。ただ、まだ商品として、出荷出来るレベルではないそうです。美味しいみかんになるまで10年。

 雑草や放置されていたみかんの木を抜き、土壌改良をしてから、新しい苗木を植え、収穫が出来ないことが分かっていながら、未来のみかんの収穫にかけて、続けていく作業。どれだけ大変なことなのか、想像しただけでも、その大変さは分かるような気がしますが、結果が直ぐに戻ってこない作業続ける忍耐力は、並大抵のものではないと思います。

 こういったこともあり、JA越智今治さんでは、組合員の農家の皆さんとのつながりを大切にされ、新規就農者研修や優良農地の維持・確保と耕作放棄地解消など色々な活動をされています。実際に畑にいって、育て方の指導をされたり、収穫のお手伝いをされたり、また、自分達が作った作物を販売出来る直売所(さいさいきて屋)を運営されたり。


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 こちらが、さいさいきて屋さんの写真です。さいさいきて屋さんについては、詳しくブログでレポートされていますので、こちらをご覧下さい。

 いつ行っても、駐車場は、満車に近い状態。観光バスも沢山、停まっています。


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 農家の皆さん、ご自身がパック詰めして、値段を決め、陳列します。開店と同時にお客様がド〜と店内に流れ込んできて、カゴいっぱいにされている光景は、圧巻です。

 また、どれぐらい売れたかといった情報も、携帯に一定時間毎に送られるため、追加で商品を陳列すべきかどうか、売れ筋は何なのか、翌日はどうしようかといったこと、その場で考えることが出来ます。


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 地方から沢山の見学もいらっしゃっているそうです。この成功パターンは、仕組みの問題だけでなく、人間力や商品力の賜物だと思います。見ていて楽しい売場、商品。美味しそうなフルーツケーキ。ワクワク感が、さいさいきて屋さんにはあります。


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 お客様参加の料理教室やイベントも沢山開催されていて、コミュニティーとしての役割も担っているようです。


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 そして、今回、初めて利用させていただいたのが、彩菜食堂さんです。販売所にある食材を使って、作られた料理。ごく少量、売れ残った食材も無駄にすることなく、スタッフの皆さんの料理が並びます。レシピは事前に決められているのではないそうで、スタッフ(農家の奥さん)が、ご家庭のレシピで作る料理。まるで、家庭に招かれたお客の気分です。リーズナブルで且つ、健康的なレシピを選べます。社員食堂のようなスタイルで、トレーに好きな料理をとって清算する形です。

 農作物を作ることから、販売、そして実際に消費されるまでをサポートすることは、大変なことだと思いますが、農家の皆さんの活力にも繋がり、また、JA越智今治さんの経営面でも、成功されていることが、凄いと思います。

 さて、話が少し脱線(本質的には脱線してはいないと思いますが)しましたが、肝心のみかんの様子をレポートします。


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 毎年、同じ園地を訪問するのですが、今回は、ちょうど島の反対側の大三島宗方にある「はれひめ」の園地を訪問致しました。ちょうど、三方を山に囲まれ、一方が斜面になり海につながるような地形で、太陽の光が燦々と降り注いでいました。


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 訪問したのが、10月30日で、「はれひめ」が出荷される12月中旬までには、まだ1月半以上もあるため、まだまだ未成熟な状態です。ですが、試食させて頂いたところ、酸がしっかりあって、十分、美味しかったです。ということは、甘味も十分あるということですから、出荷時期にに酸が抜けてきた頃、甘味と酸味のバランスがよくなり、コクのあるみかんになります。


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 「はれひめ」の特徴は、なんといってもジューシーな果汁。外見は、少しオレンジのように見えますが、手で簡単に皮がむけて、むいた瞬間の爽やかな香りと、美味しい甘さが待っています。12月中旬から年明けに店頭に並ぶこともあり、温州みかんが無くなった時期に出てくるので、ワイズマートでも人気となり、ファンのお客様がつくほどになっております。

 今から楽しみな「はれひめ」です。


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 そして、いつもの園地に移動。温州みかんを試食させて頂きました。


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 越智今治のみかんも、西宇和のみかんと同じで、甘さは十分。そして酸の抜けが例年よりも良かったです。少し酸の抜けが良すぎる感じでしたので、あまり進みすぎると味がボケた感じになってしまうのですが、とても良い仕上がりになっていました。


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 今年のみかんは、西宇和も、越智今治も、酸抜けがよく、甘くて美味しいのが特徴のようです。

 それは、産地訪問する前に食べていた極早生みかんからも、予想出来る傾向でした。僕個人の極早生みかん(ほとんど緑の、早い時期に販売されるみかん)は、スッパ〜!というイメージでしたは、今年はオイシ〜イ!でした。これは、極早生みかんの酸抜けも良かったためだと思います。

 今年のみかんは、どの産地も酸抜けが良い傾向ですので、あまり長期間放置しないで、おいしい時にドンドン召し上がって頂くのがオススメです。
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2013年11月17日

青森のりんご産地視察に行って参りました

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 10月23日は、青森にりんごの産地視察に行って参りました。その1週間前の16日は、台風のため、長野のりんご産地視察が中止となっていたこともあり、とても楽しみにしていました。

 それでは、当日の様子をレポート致します。


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 まず最初にJA津軽みらいの平賀選果場にお邪魔致しました。


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 選果場とは、農家さんから収穫されてきた果物の品質や形、色などを見極めて、等級毎に分けて出荷するところです。この日も、入口のところで、発泡の箱に入った「とき」りんごの出荷準備中でした。この「とき」は外国に出荷されるそうです。日本の果物は、特に品質が高くて美味しいと人気があり、益々、出荷量が増えていくことが予想されます。これは、りんごに限らず、他の産地の果物も同様です。


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 奥に進むと分厚いビニールのカーテンがあり、その先には、美しいりんごが貯蔵用の箱に詰められてありました。マスクをしていても、りんごの甘い良い香りがしてきます。

 同行されていた卸し業者の方が、「マスクしていると勿体無いよ」と教えて下さったので、外してみると、とても幸せな香りで包まれました。まるで、りんごを食べているような気分です。


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 こちらは、この部屋の様子です。人の大きさと比べると、貯蔵されているりんごの量がお分かりになると思います。こちらは一時貯蔵の部屋ですので、室温は低く設定されています。


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 そして、上の写真は、併設されている、年越しして来年春以降に出荷するための、本当の貯蔵りんごの部屋です。写真では分かりづらいと思うのですが、この部屋全体に窒素で満たされています。簡単に言うと、りんごを冬眠させることでその品質を保っており、出荷する際にこの部屋から取り出します。

 但し、この方法には欠点があります。りんごを出荷するためには、部屋の扉を開けないといけません。ですが、そうなると全てのりんごを出荷しなくては、なりません。そこで、この倉庫には最新の設備が導入されました。お陰で、出荷したりんごの数量をコンピューターに指示すると、必要な量だけを取り出すことが出来るようになりました。


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 次に実際にりんごを選別している作業場を見せて頂きました。


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 まず、人の目で外見に問題ないかチェックして、問題ないりんごをレーンの上に乗せます。レーンの流れる先には、光センサーがあり、りんごの糖度や状態などを瞬時に選別します。


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 光センサーを通過したりんごは、等級毎に自動で振り分けられ出荷されていきます。


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 施設のご案内が終り、3種類の珍しいりんごをご紹介頂きました。それまで、沢山のりんごを眺めるだけでしたので、みんな大喜びでした。

 最初のご紹介されたのが、「千雪(ちゆき)」です。果肉をすり下ろしても色が変わりにくいという面白い特徴を持ちます。とてもジューシーで、香りもよく、甘味が強いおいしいりんごでした。貯蔵性があまり良くないので、収穫される10月中旬から年内ぐらいまでの時期のりんごとのことです。


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 2つ目が「おいらせ」です。こちらは、幻のりんごだそうで、以前は、県内でごく少量生産される超貴重品種でした。今では人気品種の一つになり、県内ではもちろん、県外でも有名になりつつあるとのことでしたが、初めて見るりんごでした。蜜が細かく入って、甘味も強く、香りも食味も大変良いりんごでした。


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 3つ目が、名前が可愛い「星の金貨」です。同じ青りんごに「金星」というりんごがありますが、青系りんごには、星をイメージするロマンチックな名前のものが多いですね。

 青りんごというと「王林」のように甘いりんごをイメージされるかもしれませんが、この「星の金貨」は、甘いだけでなく、酸味も適度にある大変、美味しいりんごです。果物は、りんごに限らず、糖度と酸味のバランスが良いものが、コクのある美味しさだと僕は思っているのですが、この「星の金貨」の美味しさは別物でした。


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 ただ、珍しくて、美味しいりんごを試食させて頂いても、ワイズマートのお客様にその美味しさをお伝えすることは出来ません。これまでも、「しなのスイート」や「はれひめ」といった、その時期にしか食べることの出来ない美味しい果物が、沢山のお客様からご支持頂いてきているのです。そこで、ワイズマートのお店にて、販売したい美味しいりんごは何かありませんか?と尋ねたところ、それでは!とご案内いただいたのが、「名月(めいげつ)」というりんごでした。


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 そこで、園地を見せて頂くことになりました。「名月」の園地は、この日、2箇所をご案内頂きました。最初に訪れた園地は、とても美しく管理された園地でした。地面の緑、りんごが柱に高く凛となっている光景は、ほれぼれするものがありました。


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 写真からも、この園地の美しさが伝わってくると思います。


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 「名月(めいげつ)」は、青系のりんごですが、ほんのり一部が紅に染まっています。「あかぎ」と「ふじ」の交配種として生まれたりんごで、あの「ふじりんご」以上といわれるほどの美味しいりんごです。元々は、群馬県でわずかだけ作られたことから、その存在は幻とも言われ、「群馬名月」の愛称で親しまれてきました。あれっ?やはり、星に関係する名前がついていますね。「月」ですから。


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 「名月」は、びっくりするほど甘く、香りも素晴らしく美味しいりんごです。青りんごなのに、紅がさしているところが、見た目も珍しいです。


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 みんな、この「名月」を食べる気満々でした。出荷1ヶ月前ですが、試食させて頂いたところ、本当においしい! 既に、色々なりんごを試食させて頂いたので、お腹もいっぱいだったにも関わらず、丸ごと1個完食です。


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 「ふじ」を親にもつりんごのためか、蜜も入っています。青りんごで蜜が入っているなんて、それだけでびっくりです。みんな無口になって食べました。蜜は、全ての「名月」に入るわけではないとのご説明でしたが、この園地で頂いた「名月」には、全て蜜が入っていましたので、期待して良いかもしれません。

 こんなに美味しい「名月」は、是非、ワイズマートでも販売させて頂きたいと思いました。


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 この「名月」の美味しさを再確認するために、もう1つ別の園地にお邪魔しました。こちらでは、りんご農家さんがいらして、貴重なお時間をさいて、色々と教えて下さいました。りんごを見る目が、まるで自分の子供たちを見るような優しいまなざしをされていたのが印象的でした。


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 ご好意で、「名月」を試食させて頂いたのですが、その美味しさは確信へと変わりました。その後、色々と交渉した結果、ワイズマート全店にて、11月23日(土)から「名月」を販売させて頂くことが決まりました。是非、ご賞味下さいね。


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 同じ園地には、「名月」だけでなく、「サンふじ」もありました。太陽の光を受けて、キラキラと輝くりんごは、本当に美しかったです。果物というよりも、何かのアートを見ているような気分でした。


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 そして、試食。本当にお腹いっぱいなのに、美味しいから不思議です。天候にも恵まれ、大きな被害もなかったとのことです。以前、ご紹介させて頂いたつる割れも少なく、今年は、とてもよい状況とのことでした。


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 そして、この園地でも、「星の金貨」を発見。農家さんのお話によると、「名月」よりも栽培がとても難しい品種だそうで、中々、一般には出すことが出来ないとのことでした。

 ご好意で、「星の金貨」も試食させて頂きました。そうしたらどうでしょう。当日、色々とご案内下さったJA津軽みらいの鳴海さんには、申し訳ないのですが、この園地の「星の金貨」は、農協で頂いた「星の金貨」よりも数段おいしい! 園地の空気がより美味しく感じさせてくれているのか、それとも・・・。

「星の金貨」についても、ワイズマートで販売出来ないか、バイヤーが頑張って交渉させて頂いているのですが、生産量が少ないということもあり、チラシ掲載は厳しそうです。でも、少量だけ、お店に並ぶかもしれません。その時は、ほど良い酸味もある青りんごは珍しいですし、個人的には、「名月」の上をいくと思いました。偶然出会えたら、是非、ご賞味下さいませ。


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 最後に。

 青森の園地が、過去20回も農林水産大臣賞を受賞されたそうです。その記念の看板を撮影していると、まわりで遊んでいたお子さんたちがやってきました。「チラシに掲載するかもしれない写真を撮っているのだけど、どう、一緒に写る?」と尋ねると、各々が思いのポーズをとり満面の笑顔。最後に「ありがとうございました。」と、帽子をとって深々と一礼して下さいました。こちらこそ、「ありがとう」と。とても清清しい気持ちになったのは、共選所で作業されていた皆さん、鳴海さん、園地の農家さん、皆さんが、大変、気さくに話しかけて下さって、その温かさが伝わったこともあるのですが、こういう風土で育つりんごが、おいしくない筈はないと確信したのは、子供達の笑顔に出会えたことだと思います。本当にありがとうございました。

 当日のりんご視察の様子を、スマートフォンでかざすと動画でご覧頂ける予定です。是非、楽しみにお待ち下さい。
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2013年11月11日

愛媛みかんの産地視察に行ってきました(西宇和みかん編)

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 久しぶりの更新となります。更新していない間、りんごやみかんの産地視察や、会津の手打ちそばの見学など、色々と飛び回っておりました。これから、色々とご紹介させて頂きます。

 まずは、10月29日から30日にかけて愛媛みかんの産地視察に行って参りましたので、そちらを2回に分けてレポート致します。愛媛の産地視察は、昨年は僕は行かなかったので、2年ぶりとなりますが、バイヤーは、毎年、同じ園地を訪問し、その年、その年の変化や、どういうご苦労があったのか、また、みかんの生育状況はどうなのかといったことを定点観察し、お客様にお伝えする目的があります。

 それでは、早速、西宇和みかんの今年の状況をレポート致します。


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 最初に、西宇和とは、どのような場所なのか、簡単にご説明致します。西宇和は、愛媛県の西部に位置します。日照量が多く、リアス式海岸のため、水はけのよいことが、みかん栽培に適しています。西宇和のみかん栽培がスタートしたのは、明治28年。太陽の光、宇和海からの反射光、石垣からの反射光を受けて美味しく育ちます。


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 一言で、西宇和といっても、その園地はより海に近かったり、標高の高い山の上にあったりします。そこで、それぞれの園地に共選所(と呼ばれるみかんの品質を選定して、階級や大きさ、味を管理し、出荷するための場所)が複数、存在しています。

 ワイズマートで今回訪問したのは、川上、みつる、八協という3つの共選所と、その園地です。

 ワイズマートの箱売りみかんの中でも、特に人気が高い黒箱みかんは、各共選所の中でも、美味しくて、見た目もきれいなものを選別したものとなります。川上の黒箱は「味ピカ」、みつるは「蜜る」、八協は「媛美月」という名前で販売されています。特に川上共選所の「味ピカ」は、今年初めてワイズマートで販売させていただく黒箱みかんのため、個人的にも、どんな園地なのか大変興味がありました。


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 まず最初に訪れたのは、全ての園地を管理されている西宇和農業協同組合でした。谷川さんに、西宇和みかん全体の概況について教えて頂きました。

 谷川さんのお話によると、今年は、7月8月の雨量が極端に少なく、干ばつと呼べる年だったそうです。雨不足のため、散水するのが大変だったようです。但し、8月24日の台風が恵みの雨となりました。みかんの大きさは、Mサイズが中心だそうです。酸味が高いのですが、その酸味が抜け具合が良く美味しく育っているとのことです。

 みかんの場合、糖度と酸味のバランスが大切です。糖度が高いだけだと、ただ甘いだけのみかんになります。逆に酸味が高すぎるとすっぱいみかんになってしまいます。糖度と酸味のバランスがよいと、上手く表現出来ないのですが、コクがあるみかんになります。ただ甘いだけでない、深みのある甘さとでもいいましょうか。

 みかんは、最も早くから収穫される極早生(ごくわせ)から始まり、早生温州(わせうんしゅう)、普通温州(ふつううんしゅう)、晩生温州(ばんせいうんしゅう)と移っていきます。見た目も青く、すっぱそうな極早生みかんが、今年は、とてもコクがあって美味しかったので、僕もびっくりしていました。いつもは、極早生みかんは、すっぱい印象が強く食べないのですが、今年は美味しかったので、毎日、お店で買って帰っていました。極早生があれだけ美味しかったのだから、温州みかんも美味しくなる予感はしていました。どうして、極早生の酸抜けが良かったのか、谷川さんに質問してみました。

 その理由は、春先の夜温が高い時期が続いたことによるそうです。

 収穫数量も前年比104%と多いそうです。


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 農協の谷川さんのご説明の後、一番最初に訪問したのが、川上です。

 この写真をご覧下さい。写真の中央にオレンジ色の屋根があるのですが、そこが川上共選所です。海にとても近く、とても景色も良い園地です。この素敵な川上の状況について、中岡様と野本様にご説明頂きました。


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 川上共選所の入口には、農家の皆さんに対して、みかんの傷や、品質基準を示すためのサンプルが分かり易く、置かれていました。


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 共選所は、農家さんが収穫し、運ばれてきたみかんを選別するだけでなく、どうやったら、美味しいみかんが育つのか、その生育方法を指導したり、選定の前に、農家の皆さんに品質に対する意識を持っていただくために、細かなフォローをされています。


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 啓蒙していくのは、とても大変だと思いますが、そういったご努力のおかけで美味しいみかんの収穫に繋がります。上のサンプル写真には、今年のみかんの傾向を説明し、どのようなみかんから収穫するべきなのか、指示されていることが分かります。


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 川上は、初めての共選所ですので、私たち全員が、色々と尋ねたいことがありましたが、整理された資料とは別に、今年のみかんの状況が分かり易くまとめられたビデオを用意して下さっていました。


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 例えば、干ばつ時期の7月8月にどのように散水していたのかが動画で見ると、なるほど!と理解し易かったです。西宇和の中でも、川上は、この散水の設備が整っている地域だからこそ、みかんのダメージがなく、順調に生育出来ているとのことでした。

 但し、散水すると、とても費用がかかります。そこで、干ばつ対策本部が設けられ、そのときの降水量や日照の状況を都度細かく分析しながら、細かい指示を農家さんに行います。


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 みかんの生育状況についても、時系列で分かり易く、今後の傾向が予想し易くなります。


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 一通り、ご説明を頂いた後、園地に移動しました。上の写真は、川上共選所のシャッターです。黒箱みかんのブランド「味ピカ」のロゴデザインです。


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 赤丸で囲まれているのが、散水設備です。事前にご説明を受けていたので、直ぐに分かりました。広大な園地全体に対して散水するので、水道代もかかりますが、その他、この設備の維持にもお金がかかるそうです。


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 園地のみかんを試食しました。みかんの皮も薄く、とてもコクがあり美味しかったです。西宇和みかん全体の特徴ですが、みかんの果実を包んでいる袋(じょうのう)が薄いそうです。今年の初出荷は、11月7日予定とのことでしたので、出荷の1週間前なのに、このコクですから、お店に並ぶときには、更に美味しくなります。


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 また、園地に行くと、色々な発見があります。今年は、動物や害虫による被害はあまり見られないとのことでしたが、みかんの一部に泥がついているものを見つけました。この犯人はイノシシだそうで、体についた泥がみかんに付着したものだそうです。勿論、畑には、柵を設けたりしてこういった被害を防いでいるので、ごく一部でしか遭遇しませんでした。ただ、泥がついたみかんは、水で流したとしても、味もダメだそうで、収穫から外されることになります。


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 色付きも、形もいいです。美味しそうです。これだけ生っていると、無造作に生らせているように見えるのですが、実は、1個のみかんに対して、葉が20〜25枚ぐらいになるように、みかんの実を落として調整しているそうです。みかんの葉に受けた太陽の光が栄養となって、美味しいみかんを作るんですね。


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 この素敵な園地で、中岡さんと記念撮影。写真をみても、太陽がサンサンと当たっていることが分かります。


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 続いて訪問したのは、みつる共選です。当日、お世話になったのは、玉井さん、上岡さん、中藤さんです。みつるのブランドみかん、その名も「蜜る」は、僕も大好きなみかんです。浦安本店では、他の箱みかんに対して圧倒的に支持されている「蜜る」です。

 「蜜る」を名乗れるのには、厳格な基準があり、その基準を満たした園地だけが「蜜る」ののぼりが掲げられています。過去のレポートにありますので、こちらをご覧下さい。


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 訪れた日の午前中に、小学生のお子さん達が、見学されたそうで、みかんの大きさの違いや、品質の違いを示すサンプルが並んでいました。


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 こちらは、品質の違い。見た目による階級の違いを示すサンプルでしたが、とても分かり易かったです。


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 そして園地に到着。毎年、同じ園地を見学させて頂いているのですが、以前、「蜜る」ののぼりが飾られていた園地が、今年はみかんの木がありませんでした。勿論、旗もありません。一定の品質を維持するために、土地を改良し、木を植え替えているとのこと。また、何年かしたら、「蜜る」の旗がはためいていることでしょう。今回は、その園地の隣接する反対側を見学しました。

 この色付き、玉のりはどうでしょか。もう最高です。食べる前から、美味しいことが分かるみかんでした。実際に食べてみても、美味しい。みかん園地に行くと、試食と言いながらも、みんな、美味しい美味しいととまらなくなるぐらいの美味しさです。この蜜るの園地の様子は、動画でご案内させて頂きますので、11月16日のチラシか、ホームページのトップ画面、お店のPOPなどで是非、チェックして下さいね。


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 上の写真は、何の加工処理もしていないのですが、空の青い色が深いです。当日が快晴だったとはいえ、西宇和の園地が、どれだけ太陽の恵みを受けているのか、分かります。


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 みつるの園地でも記念撮影。共選所、卸しの会社、ワイズマートスタッフみんなで、今年のみかんを確認して、お客様に自信をもっておすすめ出来ることを確認した証でもあります。


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 最後に訪れたのが、八協共選所です。竹内さんにご案内頂きました。
 八協の園地は、高地にあるため、川上ほどは、散水の設備が普及していません。今年の干ばつには、農家の皆さんの大変なご苦労があったみたいで、竹内さんも、ご家族とのディズニーランドの旅行を取りやめ、水まきに尽力されていたとのことです。今年の夏は特に暑かったですから、その中での水まきは、とても辛い作業です。それでも、みかんを収穫するためには、そういった努力を絶やすわけにはいきません。

 みかん作りは、花が咲いて、実がついて収穫するまでが全てではありません。収穫後も、枝ふりをどうするか、花はどれぐらい咲かすべきか、勿論、肥料をまいて、花が咲いて実が実り、不要なみかんを落し、収穫まで生育させること全てが大切なので、その時期における手間を惜しむわけにはいかないのです。


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 工業製品でない果物は、毎年、気象状況も違いますし、みかんには、表年、裏年という隔年周期で多く実ったり、少なかったりする性格があります。表年、裏年につきましては、次のレポートで再度、触れますので、今回は割愛しますが、日本の果物は、本当に甘くて美味しい。これは、農家や共選所、農協の皆さんのご苦労と努力の賜物だと思います。


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 【これだけ努力されているのに、自然は厳しい】

 こちらの園地で初めて知ったことがあります。竹内さんがご説明下さったのですが、「萎縮病(いしゅくびょう)」というみかんの木の病気についてです。

 1つのみかんの木だけが、葉が丸るまっていました。葉の外側がくるんと丸まっている感じです。状況としては、みかんの生る量が減少し、木に力が無くなるそうです。怖いのが一度、こうなると、その木は二度と治らず、抜き取るしかなくなるそうです。

 病原ウイルスに犯されたことが原因とのことですが、厳密には、どうして発生するのか分かっていないそうです。虫による感染ではなく、ウィルスを持った木を接木(つぎき)しても感染することから、対策としては、問題の木を抜いて、土壌をきれいにし、感染していない木を植樹するしか方法が無いそうです。

 一生懸命育てたみかんの木が、こういった病気で駄目になることもある。自然の厳しさを、垣間見た気がしました。
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2013年07月02日

今年も『ぴ〜(山梨県加納岩産の桃)』の季節がやって参りました

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 今年も『ぴ〜(山梨県加納岩産の桃)』の季節がやって参りました。  この時期しか味わうことの出来ないおいしい桃。今年は、いつが一番おいしい時期なのか、また、桃の生育状況はどうなのか、6月26日に産地視察に行って参りました。


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 最初に訪れたのが共選所です。共選所は、農家の皆さんが収穫した野菜や果物を、選別する場所です。


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 共選所に到着したそのとき、偶然、雨宮さんが、車で桃を納められているところでした。雨宮さんには、これまで毎年お世話になっていた農家さんで、昨年まで果実部部長を務められていました。3年の任期を経て、退任されたとのことでした。


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 雨宮さんが運ばれているケースには、番号の「111」が振られています。この番号は、生産者を特定するためのもので、桃を選定する際には、農家さん毎に管理されます。


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 この写真では、ケースの番号が「237」となっています。このレーンでは、「237」の農家さんが出荷された桃であることが分かります。


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 最初にチェックするのは人です。形、傷の有る無しなど、外観から分かるチェックをして、レーンに流していきます。


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 共選所には、複数のレーンがあって、同時に動いています。但し、レーン毎に、検査している桃は、同一農家さんとなります。とても多くの方が、作業に従事されています。写真は、その様子の説明を受けているワイズマートスタッフです。


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 人の目のチェックが終わると、次は、機械の目のチェックです。

 1つ1つ運ばれてきた桃は、縫合線(縦に割れているすじ)の左側のやや上側を測定します。毎回違った部分を計測してしまうと誤差が生じてしまうので、ほぼ同じ場所を計測することで検査品質を保っています。


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 選別された桃は、玉の大きさ、糖度、見た目の状態などによって、箱詰めされたり、パックにセットされたり、コンテナに納められ、市場に出ていきます。


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 昨年の訪問は7月4日でしたので、1週間近く前倒しの訪問でしたが、感覚的に物量は今年の方が多かったです。日川白鳳という早生品種は、例年より前倒し傾向とのことでした。

 チェックのラインが休みなく動いているのにも関わらず、この日に「ぴ〜甘(かん)」と名付けられた等級の桃は、全部で3コンテナだけでした。(1コンテナに22個入っていましたので、この日の「ぴ〜甘」は66個だけだったことが分かります。)

 かのいわの共選所では、桃の等級を下から「赤秀」、「青秀」、「特秀」、「ぴ〜甘」、「セブンディーン」と分類されています。以前いらした鶴田さんのアイデアで、「特秀」以上の2つの等級の桃が選定されました。「ぴ〜甘」とは、昔、「今日の天気はピーカンだね。」というように雲ひとつなく一面青空のようなお天気のことをピーカンと呼んでいました。このピーカンと桃の「ぴ〜」をひっかけて考えられた等級が「ぴ〜甘」で、特秀よりも糖度が2度高くなくては、名乗れません。

 更に糖度17度以上の桃につけられるのが「セブンティーン」で、鶴田さんのお話によると恋するセブンティーンという淡い初恋のような甘い桃という意味で命名されたことを思い出しました。セブンティーンは、白桃系(7月中旬以降から少しずつ出荷される果肉がしっかりした桃)のみ登場する等級です。


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 厳しいチェックを受けて基準を満たしたものだけが出荷されます。


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 基準から除外された桃は捨てられてしまったり、見た目が悪く甘さは十分なものはジュース用に加工されたりするのですが、共選所の入口に、この規格外のはねだし桃が、訪れた人の試食用に置かれています。上の写真が、このはねだし桃なのですが、美味しそうでしょう?

 実際に食べてみても、とても美味しいので、どうしてこれが規格外となってしまうのか分かりません。ただ、それだけ選定基準が厳しいことは予想出来ます。


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 はねだし桃を切ったのが上の写真です。果肉が柔らかくジューシーな白鳳系の日川という品種の桃です。一口食べると、口の中全体に甘い果汁が溢れてくる美味しさです。毎日食べに来たくなるぐらい美味しかったです。わざと色味や形、大きさの異なるものを少しずつ試食させて頂きましたが、どれも美味しくはずれがありませんでした。


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 試食も終り、いよいよ、今年の桃の状況についてお話を伺うこととなりました。

 写真は、かのいわ果実部 果実部長の小野さんと、副部長の小林さん、中澤さんです。


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 当日、頂いた資料です。その年だけでなく、昨年や過去の平均実績を含めた詳細なデータがあります。農産物は、天候の影響を大きく受けますが、傾向を正しく把握することで、一番おいしい出荷時期を予想し易くなります。

 小野さんが、詳しい状況をご説明下さいました。

 今年は、4月12日と22日の2回にわたり、凍害が発生しました。桃の花が咲き、花びらが散ってめしべとおしべだけになった状態の時に、マイナス2度という気温になり、丸裸状態のめしべは、その影響を受けてしまいました。その凍害の影響は、その時点では分からないのですが、桃の実となり、ある程度大きくなった時に、分かりました。間引きしたのでもないのに、脱落してしまう桃の実が例年以上に多いとのことです。

 それは、果肉の部分ではなく、中心にある種が凍害の影響を最も受けており、形が変形したり、中には種が消えてしまっているような状態の桃もあったそうです。種が正常に生育していない桃は、大きくなっても、枝に実っていることが出来ずに落ちてしまうのです。

 ただ、全ての桃が、凍害の影響を受けてしまったのかというと違います。


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 上の資料は、加納岩の日別・品種別の出荷予想図です。頂いた資料には、第三報とありますので、常に最新状態に更新されているみたいです。

 色分けは、桃の品種で、グラフの高さは出荷予測量です。加納岩では、最も早い早生種が6月の中旬から、そして8月のお盆前ぐらいの晩生種まで18種類もの品種があります。同じ早生種でも微妙に出荷時期がずれています。それぞれの品種は、開花の時期もずれており、また、影響の受けためしべが丸裸状態だった品種は、一部に限定されます。今年の凍害は、一部の早生種に影響が出ており、早生種の中でも一番出荷量の多い白鳳への影響は少なかったことを伺って、一安心しました。但し、少なからず影響は受けていますので、桃全体の生産量は、例年よりも少なくなるのでは?と予想されていました。

 途中、乾燥気味で、雨が少なかったことから、全体的に小玉傾向とのことです。こぶりですが、糖度は十分あるそうです。

 6月下旬となり、雨も連日降っているので、玉の大きさも少し大きくなることが予想されますが、逆にあまり振り過ぎると、サイズは大きくなっても、甘さが薄まってしまうそうです。その場合も、晴れの日が続けば、糖度は再び上がるので、出荷をどのタイミングで行うかも重要となってきます。自然の産物の難しさを、改めて知らされました。


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 実際に園地でも生育状況を見ながら、色々質問させて頂きました。


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 最後に園地で集合写真をパチリ。

 雨の中、また、一番忙しい時期に、ご対応下さいまして、JAフルーツ山梨 かのいわ果実部の皆様、本当に、ありがとうございました。園地の皆様や、共選所の皆様が、桃1つ1つにかける気持ちを、お客様に正しく伝えるのが、私たち小売の責任だと思います。

 加納岩の桃(ぴ〜)は、ワイズマートのお客様にも浸透しており、バイヤーも、その期待に応えるように販売のタイミングで、とても苦労しております。でも、みんなが、同じ思い(お客様に美味しい桃を召し上がって頂きたい)である限り、成功すると信じています。僕も、一、消費者として、チラシ掲載されたタイミングで購入し、食べてみて、喜びを感じたいと思います。


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2013年07月01日

朝もぎとうもろこしの産地視察に行って参りました

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 明日、7月2日(火)より、「朝もぎとうもろこし」の販売を開始します。7月2日(火)を皮切りに、土曜日、火曜日と合計6回の販売を予定しております。

 「朝もぎとうもろこし」は、その日の朝早く(午前3時、4時)に収穫することで、とても甘くて美味しいとうもろこしのことを言います。とうもろこしは、日中、栄養分を使って成長し、夜のうちに次の成長のために栄養を蓄えます。ですので、まだ栄養が使われる前の朝早くにもいだとうもろこしは、より甘さを蓄えております。そのおいしいとうもろこしを、その日の朝に運び、販売しています。

 前回、産地視察した際のレポートが、こちらです。

 今年は、6月18日(火)に、3年ぶりの産地視察となりました。


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 ちょうど、訪れた頃は、雨不足に悩まされている報道が連日されていました。心なしか、畑のとうもろこしも、暑いよ〜!と言っているように見えました。


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 生育状況が不安になり、1つサンプルとして状態を確認することになりました。


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 大きさが、出荷出来そうなとうもろこしを選んで、皮をむいて頂きました。


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 ドキドキしながら、確認すると...。

 先端まで、びっしりと詰まった美しい実が出てきました。


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 早速、みんなで食べてみました。ゴールドラッシュという品種のとうもろこしは、生食が出来ます。もともと、とうもろこしは消化が良いものではないので、美味しいからといって、生食で沢山食べることは、オススメ出来ませんが、そういうことを知っていても、つい、かぶりつきたくなるぐらい甘かったです。


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 上の写真は、何だと思われますか?

 実は、鳥のキジが食べた後だそうです。イノシシや猿などの被害にはあっていないそうですが、キジの被害が最近見られるそうです。とうもろこしが、茎についたままの状態で、食べられています。

 みかんや柿などの果物もそうですが、自然界の動物は、おいしいものしか食べません。彼らは、とうもろこしの美味しさが分かっているんですね。この被害は、農家の方にとっては深刻ですが、美味しく甘いことの証明でもあります。3年前に訪れた時に、糖度計で計測したら15もあったことを記憶しています。15といったら、メロンの甘さですから、キジも黙っていない訳です。


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 もう1つ、今回の視察で新しい発見がありました。

 ワイズマートの朝もぎとうもろこしは、全店で一斉に、6回(3週間)の販売予定となっております。そのため、4軒の農家さんが手分けをして、とうもろこしを栽培して下さっています。今回は、3軒の農家の方の畑を視察させて頂きましたが、とうもろこしの生育状況が違っていました。それは、販売期間が3週間に及ぶためです。


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 例えば、上の写真は、とうもろこしの雄花です。茎の中心、一番背の高いところにある雄花は、雌花への受粉が終わると切り取られます。それは、雄花に虫が卵を産み、そこからとうもろこしの実に虫が入ることを防ぐためです。

 ですので、収穫が一番近い畑のとうもろこしは、雄花の部分が刈り取られた状態となっています。Aさんの畑では、雄花が切り取られているのに、Bさんの畑は雄花が茂っているといったような違いがありました。


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 そして3軒目の農家さんの畑をみた時に、その新しい発見がありました。同じ畑なのに、隣り合わせのとうもろこしの高さが明らかに違いました。

 実は、故意に生育状況をずらしたものだそうです。出荷時期をずらすために、1つは苗木を直接畑に植えたもの、もう1つは途中までハウスの中で生育させ、途中から畑に移植します。

 今回の産地視察を通じて感じたことは、他の農産物でも同じなのですが、自然との闘い(天候など)、捕食する動物被害を防ぐ努力、そして、きちんと必要とされる時に、必要な数量を確保するための連携など、本当に多くの苦労や努力があって、始めてお客様にお届けすることが出来るということです。産地視察の時は、バイヤーだけでなく、現場のチーフも同行します。チーフが自分の目で、畑をみて、感じる気持ち。そして、何か報いなくてはいけないという気持ちが、どれだけ生まれるのかが、産地視察の意義だと思います。

 勿論、食べてみて美味しくなかったら、オススメは出来ないのですが、お客様にも、この美味しさを共有して頂きたいという気持ちが、お店の売場にどう反映されるか、僕も楽しみです。

 今年は、7月2日(火)、6日(土)、9日(火)、13日(土)、16日(火)、20日(土)の全6回の予定です。生育状況によっては、回数が減ってしまうこともあるかもしれませんが、是非、おいしい「朝もぎとうもろこし」をお召し上がり下さい。

 最後により美味しく食べて頂くためのヒントをご紹介致します。

 @とうもろこしは、もぎたてが一番美味しく、時間が経過すると甘みが落ちます。
 もぎたてに近い状態を維持するためには、皮をむかずに持ち帰り、茹でる直前に剥きます。

 A直ぐに召し上がらない場合も、出来るだけ直ぐに茹でます。1日置いてから茹でるのと、直ぐに茹でてから次の日に食べるのでは、甘さが全然違ってきます。もぐ前から、お湯を沸騰させて待つ農家の方もいらっしゃるぐらいです。


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2012年10月22日

志賀高原 平穏の「しなのスイート」がおいしい理由

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 今年も、10月17日(水)に長野県志賀高原 山の麓、平穏に「しなのスイート」の産地視察に行って参りました。当日は、JA志賀高原の皆様には大変お世話になりました。この場を借りまして御礼申し上げます。

 さて、早速ですが、今年の「しなのスイート」の状況は、どうだったのでしょうか。早速、レポートを始めたいと思います。


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 当日は、午後からお天気が悪くなるということで、最初に園地を視察させて頂きました。毎年見ているりんご畑なのですが、目に入ってきた「しなのスイート」を見て、なんて大きくて立派なんだろう!という感想でした。

 先週までは、今年は、生育が遅れているというお話でしたので、そのギャップにびっくりしました。


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 園地の農家の方のお話では、今年は雨が少なく、日照時間が多かったこともあり、大きく育ったということでした。


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 こちらは、獲れたての「しなのスイート」です。昨年と比べても大玉になっています。


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 りんごの大きさも重要ですが、肝心なのは「味」です。みんなで一斉に試食させて頂きました。

 「シャリ!」 「シャリ!」 いたるところから、心地良い音が聞こえてきます。そして一斉に「うまい!」という言葉が連呼されていました。

 本当に美味しかったし、今年の「しなのスイート」は、昨年よりも更に美味しかったです。


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 美味しい証拠は、こちらです。美味しいから野鳥も食べています。

みかんのイノシシや、りんごの鳥など、野生の動物は、一番、おいしい時が分かっていて、その時に果物を食べます。ですから、「しなのスイート」も、今がおいしい時期の始まりということを意味しています。


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 そこで、ワイズマートでは、10月23日火曜日から、ワイズマート全店にて一斉に「しなのスイート」を販売させて頂くことになりました。「しなのスイート」は、本当に旬が短く、10日ぐらいの期間しか販売出来ない貴重で、美味しいりんごですから、是非、この機会にお召し上がり下さい。


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 こちらは、当日お世話になった農家の方、JA志賀高原の皆さん、お取引先の皆さんとバイヤー達での記念写真です。

 さて、ここまでのレポートでは、「しなのスイート」がおいしい理由について触れていません。ここからが本題です、まだ続きますので、もう少しだけお付き合い下さい。


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 ワイズマートが、JA志賀高原 平穏の「しなのスイート」を販売させて頂いてから5年以上経過しております。当初は珍しかった「しなのスイート」も、色々なスーパーや八百屋さんでも販売されるようになりました。

 でも、同じ「しなのスイート」でも、産地によっては、全く別物なんです。他の産地が悪いというのではなく、どうして平穏の「しなのスイート」が美味しいのか、そのためには平穏でないと駄目な理由があります。

 それでは、平穏の「しなのスイート」が美味しい理由をまとめます。


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 平穏のりんごが美味しいわけ その1

 志賀高原の平穏は、標高550〜700mに位置します。昼夜の温度差が高いため、その分、糖度がのっておいしいりんごが出来ます。平野部の産地では、この温度差があまりないため、糖度がのりません。


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 また、おいしいりんごを作るための、とても手間な作業について教えて頂き、正直、頭が下がりました。

 それは、りんご1個ずつ、手作業で軸を中心にクルッと1個ずつまわして、ミツが均等にまわるようにしているそうです。まるで、シャンパーニュのワインボトルを、貯蔵庫で少しずつまわしているのとおなじように。

 更には、標高が高い園地でありながら、更に昼夜の温度差をつくるために、昼間はマルチシートを敷いて、より太陽の光をまわして、夜は外すといったことまでされているとのことでした。


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 平穏のりんごが美味しいわけ その2

 『おいしいりんごは、良質なりんごの花から生まれます。』

 「しなのスイート」の収穫期間は、10日ばかり。それ以外の時期は何もしていないといったらウソになります。平穏の園地では、「しなのスイート」を栽培する農家の方が増えています。そこで、JA志賀高原の農協の方が、「しなのスイート」の栽培方法について、こだわりを伝えようと日夜、努力されています。

 その代表的な作業が「剪定(せんてい)」作業です。


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 剪定作業は、来年の花が思ったところに咲くように、枝を選びながら、整えることです。収穫後の冬の間に、来年の春、さらには、りんごの果実がなったときのことを考えながら枝を選び、長さを考えます、


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 例えば、上の写真をご覧下さい。りんごが枝と接触しています。とくに問題はないのですが、台風などがきたときに、風によって揺れて枝とすることで傷がついてしまいます。

 自然のものなので、中々、100%思ったようにはならないとのことでしたが、果実がどうなるか、太陽の光をどれだけ受ければ良いのか、葉の密集度合いなども計算しながら剪定作業は進みます。


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 太陽があたり過ぎても、りんごの表面が火傷をしてしまい、商品価値が無くなってしまいます。


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 加能岩の桃もそうでしたが、自然界を相手に、いかにしたら、おいしくなるのか、微妙な加減を保つ為に、大変な労力が支払われていることを実感しました。

 あのシャリッとした爽やかな甘さは、農家の皆さんとJA志賀高原の皆さんとの努力によって育まれていました。
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2012年08月09日

こだわりの有機野菜 その2

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 前回のレポートから、だいぶ時間が経過してしまいました。申し訳ございません。2012年6月19日に会津若松を産地視察した時のレポートその2です。

 今回ご紹介する有機野菜栽培農家の大江さんは、前回ご紹介したチャルジョウ農場代表の小川さんとは異なるアプローチがありました。


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 こちらは、堆肥を作るポットです。動物の糞などの他に、卵の殻を混ぜています。自然のものを再利用し、生きている土を作ることで、土の中の自然の栄養を醸成します。

 大江さんは、堆肥作りにもこだわりを持ち、色々と試行錯誤されていました。但し、僕は全てを理解出来ませんでした。でも、見ただけで分かるこだわりを、園地で発見しました。


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 上の写真は、大江さんのビニールハウスの中です。分かり易く野菜のまわりに貼られているネットを赤線で書きました。野菜を垂直に育てるのではなく、斜めに成長されることで、太陽の光を受け易くし、また、距離を稼ぐことが出来るので、それだけ収穫量を増やすことが出来ます。


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 また、赤線にあるように2列を中央に寄り添うように育てることで、収穫効率が向上します。もし、野菜を垂直に育てた場合、列と列の距離は遠くなりますし、それぞれの列を収穫しなければなりません。ところが、上の写真のように配置すると、野菜の重みで垂直に垂れ下がってくるので、真ん中を歩くだけで両面から収穫することが出来ます。


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 また、大江さんのユニークな取り組みが、「コンパニオンプランツ」という取り組みです。コンパニオンプランツとは、日本語で「共栄作物」または「共存作物」といいます。

 一緒に植栽することで病害虫を抑えたり、互いの成長によい影響を与え共栄しあう友好的な植物のことをいいます。また、反対に、一緒に植栽するとお互いの生育を悪くしてしまうという組み合わせもあります。

 例えば、写真のきゅうり。きゅうりは、過度な水が嫌いだそうで、それをパセリが補います。確かにきゅうりのまわりにあるパセリは、とても大きく成長しています。

 その他の組み合わせとしては、トマトとアスパラガスの組み合わせがあります。アスパラガスは、トマトのセンチュウ類を防ぎ、トマトはアスパラガスにつくハムシ類を防ぎます。

 こうした組み合わせを探すことで、無農薬で且つ、お互いの野菜を成長させることが出来ます。


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 ビニールハウスの中に普通にいたアマガエルを見て、何故か、安心な野菜の印象を覚えました。


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 こちらは、当日、頂いたきゅうり。自家製のお味噌につけてかじりました。お皿にたくさん盛られていたのに、あまりの美味しさにみんなでバクバク食べたので、あっという間に無くなりました。


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 大江さんの奥様が、「こちらもどうぞ」と出して下さったのが、赤大根です。最初、赤株かと思いましたが、大根です。甘酢に漬けてあるので、発色もより鮮明になっていますが、とてもさっぱりして美味しかったです。

 前回ご紹介したチャルジョウ農場代表の小川さん、そして今回ご紹介した大江さん。お二人の有機栽培に対してのアプローチ方法は異なります。ただ、お話を伺っていて感じたのは、理論があって、それを実践されているという共通点です。お二人とも、どちらかというと学者さんみたい。

 ただ、お二人の姿は...

 @日本の農業の将来を考え
 A環境に負荷を少なく
 Bそして大地自身の力を再生させて
 C安全で美味しい野菜を作り消費者の皆さんに召し上がって頂きたい

 そういった高次元の目標に向かって今日も邁進されているのだと思いました。
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2012年07月16日

こだわりの有機野菜 その1

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 ワイズマートでは、今現在も、一部店舗で有機野菜の販売をしております。

 ですが、これから全店にて有機野菜を取り扱わせて頂くにあたり、新しい産地を視察することが決まりました。レポートが遅くなりましたが、2012年6月19日に産地視察した時のレポートを、2回に分けて致します。

 当日、園地をご案内下さった丸果会津青果株式会社の鈴木さんから、有機野菜のこだわりの農家の皆さんの概況を教えて頂きました。特に興味深かったのが、若手の育成、しかも農業経験のなくても、有機野菜への強い思いをもった若者たちを受け入れているグループ農家さんがあると知り、とても楽しみになりました。

 その前に、「有機野菜」ってナンなの? ちょっと振り返りたいと思います。

 と、書いている私も、農薬を使わず育てた野菜のこと?ぐらいの漠然とした知識しかありませんでした。

 「有機野菜」について、当日教えて頂いた知識を列挙します。

 ・「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」と定義されています。一般的な農業では当たり前のように農薬や化学肥料が使用されますが、それらは田畑をはじめ多くの生きものにとって過酷なものであり、資源・エネルギー的にも持続可能なものではなさそうです。それらを出来るだけ低減しようとする農業が有機農業なのです。そして、国が認めた登録認定機関によって有機JAS認定を取得したものだけが、「有機野菜」と掲げて販売することが出来ます。

 ・化学肥料によって土が汚染されていない(←ちょっと言葉がキツイ表現ですが)状態で育てられた野菜で、土が汚染されていなければ、微生物が土のサイクルを作り、結果的に良い野菜を作り出します。土が生きているので、土の中に栄養があるため、栄養素としての化学肥料を使いません。(化学肥料を使うと野菜自体が弱くなってしまうので、農薬で守る必要が出てきます。この悪循環から、根本から見直したのが有機野菜と言えます。)

 ・農業では耕したり、掘り起こしたり、肥料を入れたり、土の環境を乱すことが多くあります。それも田畑の生きものにとっては過酷なものなのですが、それでもなお生きものが棲みつき、それら同士の関係が築かれていきます。 有機農業はこの生きもの同士の共存・共生関係を重視し、田畑に多くの種類・量の生きものが暮らせる管理を行います。 生きもの同士の関係が豊かになると、病原菌・害虫といった言葉は意味をなさなくなります。食べる・食べられる・棲み分ける、などの関係が沢山できてくると、特定の生きものだけが爆発的に増えることはないからです。たとえ病原菌や害虫がいても、大きな被害は出なくなります。農薬による防除とは異なり、この仕組みが栽培技術の根本にあるのが特徴です。

 といった前提知識をもとに、今回、2つの園地を視察させて頂き分かったことが、土づくりの大切さと、それにかけるこだわりの大きさです。正直な感想を書くと、有機野菜の農家の皆さんは、きちんとした理論と信念を持ち、その結果を検証しながら、新たなチャレンジを試みる、まるで科学者のようだなぁ〜と思いました。

 それでは、1回目として、チャルジョウ農場の小川さんの園地と、こだわりの理論をレポート致します。


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 チャルジョウ農場さんのビニールハウスの中です。一見すると栽培しているお野菜以外の雑草が、漠然と共生しているだけのように見えます。

 ところが、全ての園地をご案内下さった鈴木さんが色々と教えて下さいました。

 ・苗と苗の間隔を通常よりひろくとります。間隔をあけることで、根が深くはり、雨が少なくても、水を吸い取り易くなります。

 ・ビニールハウス内では、敢えて水をあまり与えないようにします。水を抑えることで、野性味あふれる野菜が育ちます。

 ・共生している草も、栽培している苗に悪い影響のあるものは、全て取り除き、良い影響を与えるもののみを放置します。例えば、よもぎは、残します。そうするとよもぎを住処として小鳥が集まり、集まった小鳥が害虫であるオオタバコガを食べてくれます。すると農薬を使わずにお野菜が育ちます。 


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 こちらは、ビニールハウスの外観です。斜面を平らに整地せず、斜めにビニールハウスがたっているのが印象的でした。


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 チャルジョウ農場代表の小川さんは、農業改良元普及所の元研究員に従事されていました。これまでも、多くの新規就農希望者を研究生として受け入れ、ご指導とサポートをされてきております。(小川さんの約20年の取り組みの中で、97名もの方々が、周辺に定住され、この農法を守られています。)


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 園地から、小川さんのご自宅をご訪問。後姿で申し訳ございません。帽子を被られている方が小川さんです。

 その前の席で、小川さんが書かれた本を読んでいるのがバイヤーです。トルクメニスタンのメロンとして、全国農業改良普及協会刊行「メロン・スイカ」に書かれた記事に興味を持ちました。小川さんが、旧ソ連トルクメニスタン・チャルジョウ市産の「バハルマン」と会津の真渡瓜を改良した「深山瓜」との間で出来た「飯豊メロン」。メロンとは思えない糖度を持ち、西洋ナシのような歯触り、爽やかな香りが特徴です。

 生態系を活用したメロン栽培を、検証し続けたいとの思いを持ちながらも、自然に優しい農法をもっと拡げたい。そのために、後継者の受け入れをされている小川さんの熱意は、素敵だと思いました。(小川さんの思いは、こちらからご覧頂けます。最初は、文章ばかりで戸惑われるかもしれませんが、小川さんの思いの本気度が伺えます。個人的には、色々と考えされられることもあり、また、農業のこれまでの経緯の一部が垣間見えた気がしました。)

 小川さんの説明によると、例えば、殺菌のための農薬をまかなくても、堆肥の元になる動物の糞と、米ぬかに水を加えて混ぜると、窒素分が発生して熱を持つので、土を殺菌してくれるそうです。メロンの場合も、桜の落ち葉をつかって堆肥を作ると、うどんこ病やつる枯れ病にも効果があるそうです。そうやって、自然に存在するものを使って、より野菜が生育し易い環境を考えるのが、有機栽培の基本だと思いました。


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 こちらは、小川さんの息子さんが中心となって立ち上げている雑穀もちのそる工房の案内です。以下は、案内からの抜粋です。

 維持管理が大変で人間には何かと不都合な棚田。でも、そこには絶滅危惧種(アカハライモリ等)をはじめ、沢山の生き物たちが暮らしています。そんな里山の風景を残していくために、放棄された畑を耕し、地域の方々と共にお米や雑穀の栽培に取り組んでいます。太陽の恵み、多様な生き物たち、豊山の豊かな雪解け水。そして、農家さんが手塩にかけたお米と雑穀から、このお餅が出来ています。

 上の写真は小さいので分かりにくいですが、集合写真に写っている皆さんの表情が本当に素晴らしい。自分達の仕事に対しての自信と満足感、そして使命感みたいなものが伝わってきて嬉しくなりました。


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 こちらは、チャルジョウ農場で生産した有機野菜に貼るシール。全てメンバーの手作りです。

 小川さんを代表とする皆さんは、有機野菜づくりだけでなく、一体となって、1つの方向に向かっている感じがしました。次回に続きます。
posted by ワイズマン at 09:00| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月12日

今年も『ぴ〜(山梨県加納岩産の桃)』の季節がやって参りました

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 今年も『ぴ〜(山梨県加納岩産の桃)』の季節がやって参りました。

 この時期しか味わうことの出来ないおいしい桃。今年は、いつが一番おいしい時期なのか、また、桃の生育状況はどうなのか、7月4日に産地に確認視察に行って参りました。

 上の写真は、今年園地で撮影したものです。お日様の光を受けて輝く緑の葉の中に、ほんのりピンクの桃を見つけると、見ただけでもおいしそうに思えてくるから不思議です。


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 最初に「かのいわ統一共選所」にて、岩間さんから、今年の桃の状況について伺いました。

 今年は、台風の被害を受けることもなく、お天気にも恵まれたため、大玉傾向です。また、雨も適度に降ったため、糖度も十分、甘くておいしい桃になりました。(桃は、雨が降りすぎると、水分を多く含んでしまい甘さがぼけてしまうそうです。勿論、日にちが経過すれば、糖度は回復するのですが、回復した頃には完熟してしまい、お店で販売するのには適しません。)


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 また、岩間さんは、色々なことを教えて下さいました。

 加能岩では、18品種類もの桃を出荷していますが、その中でも代表的なのは、ワイズマートいちおしの「白鳳」という桃です。その他、「川中島」、「日川」という品種がこれまでは、3大品種でしたが、急成長してきた品種があります。それが、「なつっこ」という品種です。

 「なつっこ」の特徴は、形、色、食味、全てにおいて高いレベルにあるそうです。酸味は少なく、とても甘くておいしいまだ若い品種ですが、これが今年2番目の生産量になる見込みだそうです。見た目からしても、桃を代表するイメージそのままのため、首都圏でも人気が高く、これからの注目株だそうです。「なつっこ」の出荷は8月初旬以降の予定ですので、加能岩のもう1つのおいしい桃「なつっこ」をワイズマートでも販売していきたいと思います。


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 これは、今年の出荷予定の桃の種類。本当に沢山の種類があります。


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 そしてこちらは、加能岩での品種別、日別出荷予想のグラフです。(過去3ヵ年の生産データと今年の気象状況、直近の生育状況などを加味して、予想したものです。)

 毎年、加能岩に視察する目的の1つは、この出荷予想をお聞きして、イチオシの「白鳳」が一番おいしい日付を見極めることにあります。この予想が本当に難しくて、ご苦労が多いと思うですが、それぞれの品種が、どれぐらいの量を出荷出来るのかが分かると、とても助かります。実際には、同じ品種でも出たての時と、味がのった一番おいしい時と更に細分化されます。勿論、その一番おいしい時にワイズマートでも販売させて頂きます。

 また、岩間さんのお話で面白かったのは、特に品種にこだわりのあるお客様は、いつ桃が欲しいではなく、(○○という品種の)桃が欲しいというようにご注文されるそうです。桃は、自然のものですから、毎年、生育状況も違います。だからこそ、日付ではなくて、自分が食べたい品種を注文するという訳です。


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 続いて、今年も、桃作り40年のベテラン雨宮さんの園地を訪ねました。

 ちょうど訪問した7月4日は、桃に被せられた袋を取り外す作業の時期でした。お忙しい中にも関わらず、園地をくまなくご案内下さった雨宮さん、本当にありがとうございました。


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 毎年、園地を訪問させて頂いているので、もういい加減、新しい発見はないだろうと思っていたのですが、間違いでした。


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 上の写真をご覧下さい。

 雨宮さんの園地に入った瞬間、何か昨年までと違うと漠然と思いました。


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 ちなみに、こちらが、昨年7月7日に同じ園地で撮った写真です。確かに、3日、昨年よりは早い訪問でしたが、この写真と見比べても違いは歴然としています。


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 今年の園地の桃のアップ写真です。

 そうです。桃の色付きが全然違うのです。

 これは、今年の桃の成長が遅いというのではなくて、桃に被せられている袋を、取り除くのが数日遅れてしまったことが原因とのことです。

 雨宮さん曰く、全ての桃について、品種毎にいつ袋を取るか、管理されたデータを持っています。袋にも何種類かあるのですが、そのうち2重になっているタイプは、外側の茶色の袋を取らないと、中の桃がどれぐらい生長しているのか確認出来ません。データをもとに、ある日に袋を取ってみたら、少し手遅れであることに気付かれたそうです。


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 それでは、早めに袋をとってしまったらいいのでは? と思いがちですが、そうすると上の写真のように桃が割れてしまいます。桃の生長のタイミングと日光量の関係の難しさがあります。(上の写真の桃が割れた理由は、袋の取り外した時期の問題ではなく、桃のまわりにある葉の数が少なかったために、必要以上にお日様の光を浴びたことに起因していますが、袋を早く取り除いた場合の問題と通じます。)


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 とても形がよく、ピンク色に着色していないだけで、美味しそうに見えたので、雨宮さんに質問したところ、「味は美味しいのだけど、これから1週間でどれだけ色付くかが勝負。残念だけど、着色しないと売り物にならないから、ジュースになるんだよ。」とのことでした。


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 中には、綺麗に色付き始めた桃もありましたので、全部出荷出来ないということにはならないと思います。


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 これが更に色付いたら、本当においしそうです。

 勿論、雨宮さんの桃、全てが失敗してしまったのではなく、早い時期に収穫されるこの品種の桃だけの問題です。ワイズマートいちおしの「白鳳」の状況について尋ねると、笑いながら「大丈夫。順調に育っていますよ。」とのことで、ひと安心しました。


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 桃作り40年のベテランの雨宮さんでも、毎年、毎年、新しい発見や失敗があるそうです。それだけ、桃づくりが難しいことが実感として伝わってきます。


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 1年間、桃づくりに携わり、枝の剪定、実らせる桃を決めて、それ以外の桃を取り除く摘果作業、袋がけ、そして袋を取り除く作業。この全てにタイミングや技術を必要とし、どこかで失敗すると取り返しのつかないことになってしまう。更に、これにその年の気象条件が加わる訳ですから、本当に農家の方々には、感謝しないといけないと思います。


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 訪問した当日は、人員を増強して袋を取る作業を進めるぐらい忙しい中、本当に細かくご説明下さった雨宮さん。何度、お礼を言わせて頂いてもおかしくないと思います。

 ありがとうございました。

 最後に、雨宮さんのお好きな桃の品種を訪ねてみました。雨宮さんのイチオシは、「嶺鳳(れいほう)」だそうです。「嶺鳳(れいほう)」は、見た目が悪く、固いので、あまりお客様に好まれません。でも、甘さだけでなく、酸味もあって、とても美味しい。ただ、流通が難しい部分もあるのだけどとのことでした。

 桃作りのプロがイチオシの桃、一度、食べてみたいです。
posted by ワイズマン at 12:15| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 産地視察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする